この日(17日)は、市議選を控えて前倒しで行なわれた 長野市議会9月定例会の常任委員会(福祉環境委員会)が行なわれ、委員の立場で出席しました。
この議会での福祉環境委員会の関連議案としては、補正予算として 現下の諸物価値値上げ傾向に鑑み、住民税所得割非課税世帯などの いわゆる生活弱者の方々(世帯)に対する「物価高騰特別対策支援金(2万円/世帯)」をはじめ「冬季光熱費助成金(1万円/世帯)」また子育て世帯に対する「生活支援特別給付金(3万円/子ども)」・子ども(18才以下)全員に1万円を支給する「ながの子育て世帯臨時特別給付金」などがあります。
これらの支援金については、速やかな支給が求められるところです。
また 事業としては、子ども(小中学生)に体験や学びの場を提供するために 子ども1人あたり1万円の電子クーポンを配布する「子どもの体験・学び応援モデル事業(総額3億6,4600万円)」や、保育園で出る紙オムツについて これまでの保護者持ち帰りを止(や)め保育園が回収(市が処分)する「保育所等使用済みおむつ処分事業(総額1.862万9千円)」などがあります。
今回の議会ならびに常任委員会は、私たちにとって任期最後の議論の場となります。
そこで私は、これまでの取り組みの検証と 今後に向けた〝宣言〟を含めて発言を行ないました。概要は下記のとおりです。
◇「子どもの体験・学び応援モデル事業」について
このことについては 7/25付のブログでも触れていますが、事業そのものの意義は理解するものの どうにも〝バラまき感〟が否めず、また 一時的な体験支援によって、経済的に厳しい世帯は 子どもが体験によって「やる気」を出すことで、その後の家計負担が増える・または それ(家計)を理由に子どもに〝その後〟を断念させるような「罪つくり事業」になりはしないかと懸念を述べたうえで、今回は 事業の効果測定などを行なうとのことだが、事業を始める以上は(継続支援により)最後まで責任をもつくらいの覚悟をもたなければならない旨を指摘しました。
[参考]7/25付のブログ記事
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https://blog.goo.ne.jp/kz2df777/d/20230725
◇知的障がい者支援について
さきの議会で指摘した、授産施設「空風」に設置されるも未稼働状態が続いている いわゆるレトルト機械(高額機械)について、その後の状況を確認しました。
所管課(障害福祉課)によると、7月末に部長以下職員で現場確認を行ない 経年による水漏れなどの修理の完了を確認、8月末には稼働(出荷)する計画とのこと。
施設においては利用者さんの就労希望を募ったところ、1名から希望があり そこに職員(1名)を配置して製造にあたる予定とのことでありました。
この報告に対し 私が今後の機械をどのように「活用」する計画なのかと問うたところ、所管課は 製品を製造するという事実(計画)や 出荷する相手先などの説明に終始していたのでした。
私が聞きたいこと(求めていること)は、そこじゃないんだ。
そもそも この(高額)機械は、利用者(障がい者)さんの社会環境の向上のために設置されたハズであることから、機械が再稼働したことで 利用者さんの工賃(収入)が上がると共に〝やり甲斐創出〟につながらなければ何の意味も無いことになります。
製品の出荷や納入先などは二次的な成果であり、先ず目指さなければならないのは この機械の再稼働によって(利用者さんの)工賃を上げることにあることに気づいてもらいたい(価値観を改めてもらいたい)のです。
また、これだけ(総額 約1,000万円)もの機械を投入して、そこで働く利用者さんが たったの1名ということも、果たして投資に見合っているのかと指摘せざるを得ません。
施設側は「あくまで利用者の意向に沿って」を大義としていますが、単に〝手上げ〟だけで作業を募り 結果「1名でした」で看過していいものでしょうか。これだけの機械を設置している以上は、1人でも多くの利用者さんが作業に参加し それが工賃アップにつながるよう努力してこそ利用の目的(税金の適正支弁)につながることから、事業主体は最大限の努力を行なうべきことを指摘しました。
この件に対する所管課の答弁が、製品の製造だけが「成果」であると捉えて答弁したことに鑑み 私は(事例として)、他の施設においても 受注した役務(印刷)について、障がい者さんの手を経ずに 民間業者に〝丸投げ〟して製品だけを整え納品し、それでヨシとしている実態を引き合いに出し「障害者優先調達支援法」が 間違った解釈のうえで運用されていることを指摘しました。
このこと(の掘り下げ)については後日に譲ることとしますが、この日の発言のまとめとして次のように述べたところです。
発注元の行政体や受注する施設等は「障がい者施設に発注さえすれば・その結果製品さえ納入されれば それでヨシ」としているようだが、それは真の障がい者支援につながっていないことを自覚してほしい。
本来の 法(障害者優先調達支援法)の目的は、障がい者施設に発注することで「役務」が生じ、それによって 利用者さんの工賃が上がり、役務を通じて経験値を得たうえで〝やり甲斐〟を感じ ひいては一般就労につなげることではないか。
しかし実際は 全く違う解釈になっている。
少なくとも長野市においては、障がい者支援における価値観(成果)について「どのくらい作ったか」ではなく「どのくらいの利用者さんに どのくらいの恩典を供することができたか」と捉え、すべての事業について「障がい者さんのために」をコンセプト(基準)として業務に臨んでもらいたい。
そのうえで、現下の知的障がい者支援事業においては 虐待や偏(かたよ)った施設運営など、表(おもて)に出ていない課題(問題)が山積していることから 今後も継続的に検証してゆく旨を述べた(宣言した)ところです。
◇「青木島こども未来プラン」について
このことについては、さきに一方的に廃止された「青木島遊園地存廃問題」に端を発し、その後の子どもの居場所を巡って〝大風呂敷〟が敷かれたものの その中身は問題だらけとなっており、それは いわば「新たな地域の社会問題」として注目されている(せざるを得ない)ものです。
この経過については、さきのブログでもレポートしていることから詳細は割愛するところですが、いずれにしても 無理を承知で無理な計画を進めようとしていることは周知のところであり、そんなゴリ押しを 市民の一人としても軽々に認めるワケにはゆきません。
[参考]過去のブログレポート
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2023年7月20日のブログ記事一覧-倉野立人のブログです。
そんな中、この日の所管部長(こども未来部長)や所管課長(こども政策課長)の口からも「現状のまま計画を進めるのは難しい」との発言が聞かれ、市の方(ほう)も ようやくそのこと(無理なこと)を認めざるを得なくなったことが窺(うかが)われました。
私の方からは次の何点かについて質(ただ)し、それに対し答弁がありました。
Q,青木島こども未来プランの実施期限をどう考えるか。
A,期限にこだわることなく さまざまなご意見をいただきながら考えてゆきたい。
Q,小学校の集会室をそのままセンターに使うのは無理があると思うがどうか。
A,集会室は 他の活用もありセンター専用とするのは無理があるので、他の空き教室・余裕教室も念頭に検討している。
Q,今の青木島児童センターで 何ら問題なく児童保育が行なわれていることから、今の体制を維持すべきと考えるが。
A,今後の状況に応じ検討してゆきたい。
特にA=答弁 については記述を要約しましたが、概して〝言語明瞭 意味不明瞭〟的な いわゆる苦しい答弁に終始していたものでした。
そこで改めて私は 明確に述べました「将来に向けた 子どもたちの保育環境が完全に整うまでは、今の青木島児童センターの運営を維持すべきである」と。
市の説明を聞くと、あくまでセンターを校内に移設することに拘泥しており その理由として「安全に放課後施設に行ける」とか「送迎の車両が混雑する問題がある」と言っていますが、少なくとも青木島児童センターにおいては 何の危険も無く(児童が)移動できており、送迎車両も関係者の努力により何の支障も無く取り回されています。
市による早期移転計画は、相変わらず子どものためでは無く〝大人の都合(事情)〟なのです。
そのうえで私は、市民グループ(地元ライオンズクラブ)が、ボランティアで 今の児童センター園庭整備に取り組んでいることも引き合いに出し、多くの市民が 現有の青木島児童センターの維持存続を願っていること、そして そのこと(青木島児童センター存続)こそが、真の児童福祉に叶うことであることを改めて述べたところです。
そのうえで(それに加えて)2点を申し上げました。
先ず1点は、青木島児童センターの児童支援に向けた職員体制について。
児童センターにおいては、健全な児童保育(福祉)向上のために適切な職員体制で臨むべきところであるが、青木島児童センターにおいては そのこと(職員体制)について問題が生じていると側聞している。このことを市は把握しているのかと問うと 市(こども未来部)は首を縦に振りました。
と、なると です。
本来の人事権は市社会福祉協議会にあるものの、所管する立場の市(こども未来部)としても適切に関与し、あくまで子どもたちにとって何が最善かを共に考え指導・助言を行なうよう意見しました。
また 青木島児童センターの遊戯室へのエアコン設置について、先ず 青木島児童センターとして活用されている建屋は今後どうなるのかと問うたところ、将来的に活用方法が変わっても建屋は残すとのことでありました。
と、なると です。
万が一 建屋を潰すとなれば無駄な投資になるけれど、今後も(建屋を)残すのであれば 現状で放課後児童が熱中症の危険にもさらされていることから、(長期活用も踏まえて)一刻も早くエアコンを設置し 建屋そのものの住環境を整えるよう強く意見したところです。
◇新たな社会問題「安売りガソリンスタンド」が引き起こす諸問題
このことの詳細については後日に譲りますが、私の住むエリアに 数年前に安売りのガソリンスタンドが開業し、それが渋滞などの様々な問題の要因となってしまっているのです。
ここ(福祉環境委員会)では「環境部」に対して〝声〟が。
何と、クルマがひっきりなしに来店→給油することで 多量の「ガソリン揮発臭」が生じ、それが宅地に流れ込んでの〝悪臭問題〟に発展しているそうなのです。
このことについて、取りも敢えず現状を(公に)伝えると同時に 今後の対応について共々に計らってゆくよう意見しました。
今後の新たな地域課題に急浮上です。
今期の所管委員会「福祉環境委員会」の審査は終結しました。
これで最終日(22日)の採決を待つことになります。
私の任期はこれでひと区切りとなりますが、今後も 常に問題意識をもって諸課題と対峙してゆく所存であります。