ネットのニュースで、歩行者が無造作に捨てたタバコの吸い殻が「生命(いのち)あるもの」の その生命を奪う事態になったことが報じられました。
これを見て、非常に心を痛めると同時に「社会モラル」の大切さと それが意外に守られていない実態、さらに別の視点での〝怖さ〟を実感させられました。
京都市にある(入館)無料の水族館の屋外展示の魚たちが たった1本のタバコの吸い殻の影響で大量死してしまったとのことなのです。
事件の現場は、京都市にある〝無料の水族館〟だったそうです。
この水族館は「花園教会」という教会にあり、ここで牧師を勤めるSさんが 主に子供たちに対し自然の営みと生命の大切さを知ってもらおうと「水族館」を開館・運営し、約200種・1000匹の 魚などの水生動物を展示しているそうです。
それが、2週間ほど前から 道路に面した屋外の水槽で展示していたコイやフナや金魚 約60匹が相次いで死ぬようになったとのこと。
最初は感染性の病気かと思い 機械で水の濾過(ろか)を行ないましたが状況は変わらないことから、その後 水槽の水を入れ替える作業を進めていたところ、水槽の中に タバコの吸い殻が1本あることに気づいたそうなのです。
このことから 魚たちは、水槽にポイ捨てされた1本のタバコの吸い殻から染み出た「ニコチン」が原因で死亡した可能性があるとみられているとのことです。
水槽を置いていた場所は道路に面しており、普段から近所の子どもたちが魚を観察して楽しんでいたそうで、S牧師は「軽い気持ちでしたことが重大な結果につながることもある。どんな場所でもタバコのポイ捨てはやめてほしい」と、憤(いきどお)りというより 悲しみを湛(たた)えた表情で話しておられたそうです。
このことについて、生態毒性学の専門家は「ニコチンは水溶性で 急性の毒性を有しています。今回のケースも、タバコ(=ニコチン)が影響して魚が死んだ可能性は十分にあります。」と話していることが 併せ報じられていました。
この報道に接し、残念な思いが重なり合って湧くと同時に、タバコ(=ニコチン)の怖さを思い知らされました。
残念なのは、未だにタバコのポイ捨てが横行している実態です。
HPによると、京都市でも「京都市路上喫煙の禁止等に関する条例」が定められており、過料も課してポイ捨てを禁止する体制が整えられています。
参考/「京都市路上喫煙の禁止等に関する条例」
↓
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000291969.html
にも関わらず、今回「ポイ捨て」が為(な)されてしまった。
もしかしたら この喫煙者は、ポイ捨て禁止条例のことを知っていたのかもしれません。
で、吸い終わったタバコの捨て場所に困り、目についた水(水槽)の中で処分する愚行を選んだのかもしれません。
いずれにしても「携帯灰皿」などの持ち歩き容器が必須の昨今、それも無しに喫煙することは言語道断・もっと言えば 路上喫煙そのものが許されない行為とされるところです。
さらに残念なのが、たった1本のタバコの吸い殻によって 罪も無き生物の命が奪われることになったことです。
果たして この喫煙者は、水の中に魚たちが居ることを知ったうえでタバコを投げ入れたのでしょうか。
その場しのぎの心ない行為が 多くの生命体の命を奪うことになったことと同時に、そこに通う子供たちの愛玩心(あいがんしん)まで奪うことになったことをどう思うか…その者は、今もどこかでタバコを燻(くゆ)らせ 目についた場所にポイ捨てしているのでしょうか。
「大人のモラル」の低さ・それに対する意識(反省)の薄さを禁じえないところです。
また一方、全く別の視点で〝タバコ(=ニコチン)の怖さ〟を思い知らされます。
たった1本のタバコが、たとえ水生動物(魚)とはいえ、生物の命を脅かすことになるのです。
ご案内のとおり、タバコには多岐に亘る有害影響があり、さまざまな場面で警鐘が鳴らされています。
このことについて今さら申すまでもありませんが、今回の事件を通じ 改めて「タバコって 人を含む生物(せいぶつ)にとって良くないものなんだ。」を再認識させられました。
かくいう私は、亡父が物凄いヘビースモーカーだった故に、その影響(反面教師)で タバコを吸うことなく現在に至っていますが、私の周辺にも愛煙家が多くおられることから 健康面への影響が心配されるところです。
今回の事件は、まちかどの小さな「水族館」でのことではありましたが、社会全体に「喫煙モラルの遵守」を改めて求め、さらに「タバコの有害性」を改めて知らしめるものでありました。
たった1本(1人)の気まぐれが 社会に少なからず影響を与えること・たった1本のタバコが いかに有害であるかを知らされた〝小さくて大きい出来事〟でありました。
ちなみに、長野市では 平成30年に「長野市ポイ捨て、道路等における喫煙等を防止し、きれいなまちをつくる条例」を制定しています。
↓
互いに気持ちよく「まちあるき」ができる社会環境を維持してゆきたいものですね。
※「長野エリアの高速道路での逆走事故」の その後
さきに報じられた「長野エリアの高速道路での逆走事故」について〝驚きの真相〟が報じられています。
どうやら、逆走事故を起こした高齢男性(Aさん)は インターチェンジから通常方向に進入し(但し ゲートは実質突破)高速の路上でUターンして戻ろうとし、それが〝逆走〟となったようなのです。
その後の報道によると、Aさんは そこが高速道路か知ってかしらずか、更埴ICの進入口から(カードを取ったりETCを使わずに)高速道路に入り 一旦は松本方面に向けて走行、その後 間違いに気づいて、あろうことか 高速道路上でUターンして(下り追い越し車線を走って)戻ろうとし、それが逆走となり 対向車とぶつかることになったようなのです。
これは非常に珍しいケースであると申せます。
しかし、(事故の)可能性としては無いとは言えないケース(実際にあったのですから)でもあり、今後 ドライバーの高齢化や、もしかしたら認知症を起こしながらもハンドルを握り続ける人もいるかもしれない中で 想定の範疇(はんちゅう)に入れなければならないところでありましょう。
いずれにしても、事故(の被害・損害)は自分持ち・ましてや他車(他者)に被害を与えるようなことにでもなれば、互いのマイナス結果は図り知れないところがあります。
これらの事案に触れ、私自身 過去に重大な交通違反を起こした者として、クルマの運転の際の(何かあったときの)影響の大きさを再認識し、これをも他山の石とせねば…と自戒するところであります。