お盆台風
8/15 Thu.
数日前に発生した台風10号が、お盆の最中(さなか)の列島を直撃しました。
非常に強い勢力を保ち、広い範囲を暴風域に巻き込みながら 時速30kmの「のろのろ運転」で、強風などで各地に被害を及ぼしたことが伝えられていました。
新幹線や空の便にも、運休などの影響が出たほか、甲子園野球が順延されるなど、さまざまな行事やイベントも中止や延期を余儀なくされるなど、本来であればお盆休みを楽しんだりくつろいだりするハズの人々に とんだ影響を及ぼしてくれ、まさに「迷惑台風」となったところです。
台風の進路となったエリアの住民には、避難勧告や避難指示が発令され、それこそお盆でくつろぐハズの家を追われる形となった方々が避難所行きを余儀なくされていました。
年に幾度もない一家団らんのひとときをフイにされ 不自由な時間を過ごすことになったことには同情を禁じ得ませんでした。
ところで、台風のニュースを実家で聞いた折に オフクロが「もし今、避難指示が出ても、あたしゃ一人じゃ避難所には行けないし、たとえ行っても床には座れないし、慣れない施設に段差でもあれば通れないし、トイレも困るし・・・そうなれば、いよいよになっても自宅にいる方を選択するわ。」とポツリ。
考えてみれば、というより考えるまでもありませんが、(ウチのオフクロのように)高齢でしかも歩行困難な人などは、住み慣れた自宅で何とか暮らしている中、万一避難指示が発令されても、避難所に行ったり そこで時間を過ごすことには多くの「困難事項」があります。
これまでも 発生した災害によって避難所への移動を余儀なくされるも、避難所暮らしが原因で体調を崩したり 避難所で転倒するなど「二次災害」に遭ったなどという話しも側聞されることもあり、老いも若きも一律に非難、という態勢そのものに無理があると言わざるを得ないと思わされます。
県内においては、さきの神城断層地震以降、幸いにして大きな自然災害は起きていませんが、そんな平時のときにこそ、災害時にはどうしたらイイか、と常に念頭において思考を巡らすべきでないかと改めて考えるところです。
すでに地区内には、自主防災会による避難マニュアルなどが作成され、消防当局も 民生児童委員さんなどとの連携により、要支援・要援護者への対応策が為(な)されているところではありますが、イザ災害となったとき それらのシミレーションが安全のうちに実行に移せるかなど、現状に即した避難態勢の再確認をすべきではないかと思います。
そのために、例えば現在 半ばイベント的に行なわれている地域の避難訓練などを適切に見直し「実(じつ)」に合った訓練を行なうなど、見直すべきは多々あるとも思うところです。
折しも この日は「終戦記念日」です。人が自ら起こした戦争の愚は、この日に終焉を迎えましたが、今や 大規模自然災害という「新たな敵」と向き合うことを、われわれ現代人は迫られているのかもしれません。