社会に蔓延する「新型コロナウイルス」この収束(終息)に向けた〝決め手〟とされる「ワクチン」について、接種を円滑・正確に実施するための『接種券』が、今週から順次 先ずは65歳以上の市民の方々の元(もと)に郵送される運びとなっております。
本編では「サンプル」を基に、また併せて 長野市のワクチン接種体制フォーマットをもって概要をご説明いたします。
長野市における「ワクチン接種」については(既に何度かレポートさせていただいておりますが)「かかりつけ医」など 地域に遍在する医院(病院)や診療所を基本として受けていただく「個別接種」を基本とすることとなっています。
これは、何かと不安の多いコロナウィルスワクチン接種について その不安を少しでも和らげるため、また 普段から通院していることで(被接種者の)体調や既往症などをカルテ等を通じて予め承知している医院での接種を行なうことにより、問診などの手間が少なく順調かつ能率的に接種が行なえる等の利点を勘案して(個別接種として)行なうものです。
それら(個別接種)を踏まえ、市民お一人おひとりを対象に『接種券』が郵送されます。
『接種券』は、長三封筒(A4 1/3サイズ)に封入され、各個人宛に郵送されます。
封筒の中には、接種の可否も含めて一元管理するための「券」が入っています。
わが国においては 今のところ 米国「ファイザー社」製のワクチンが採用されており、それ(ファイザー社ワクチン)は、1人が2回の接種を行なうことになっています。
したがって『ワクチン接種券』についても、第1回目と2回目の 2回分の接種券が封入されています。
それと併せ、ワクチン接種を希望したものの、診察の結果 接種できなかった場合についても その状況を記録するための「診察したが接種できない場合」の券も添付されています。
台紙の右側には、ワクチン接種の経過を記録するための台紙があり、ここに 接種を施した医師(医院)が、その人の接種の経過を正式に貼付(記録)することとなります。
今回の コロナウィルスワクチン接種については、誰が・いつ・どの場所(病院等)で・何回(2回)を正しく行なったか(接種できなかったか)どうかを正確に把握する必要があることから、市民お一人おひとりが間違いなく本人であることを確認のうえ接種に臨んでいただくことになります。そのため、接種会場(病院)には、運転免許証や保険証などの 本人確認できるものを接種券と併せてご持参いただくことになります。
接種を希望される人は、兎(と)にも角(かく)にも 郵送された接種券の台紙一式を大切に保管したうえで、それぞれに「かかりつけ医」さんなどに接種の予約を行なっていただくことになります。
なお その際は、送られてきた『接種券』の台紙を個人の判断で剥(は)がしたり貼りつけたりすることの無いように。
この事務作業は、あくまで接種を受けた場所(医院等)の専門スタッフが行ないます。
早とちりは混乱の素(もと)にしかなりませんので、くれぐれもご注意ください。とにかく受付けにて、手つかずの接種券と身分証明書を提示してくださるよう お願いいたします。
そのうえで、2回の接種が完了し その後も不測の副反応などに備える意味で、かかる接種券(台紙)は やはり大切に保管してください。
報道等によると、ワクチン接種においては 主に2回目の接種の後の方が、倦怠感などの副反応の出る確率が高くなっているようです。
2度目の接種を終えたからといって 直ちに安気(あんき)にならず、しばらくは自身の体調を見定める必要があるようです。
無論、アナフィラキシーショックなどの重大な副反応が発生した際には 救急隊等が迅速な措置・対応を講じることになっています。
いずれにしても たとえ僅かでも、接種後の体調変化があった場合は『接種券』を基に (医院/医師に)相談していただくのが賢明と申せます。
なお 封筒の中には「接種のお知らせ」として 分かりやすい説明チラシと、
今回 接種をご案内する65歳以上の方々への説明書が同封されていますので、順次お目通しください。
さて そのうえで、肝心の「長野市の接種体制(計画)」でありますが…。
過日、長野市の方から「高齢者向けワクチンの配布に係る長野市の接種方針について」として 当面のワクチン接種体制について報告がありました。
それによると、長野市には 高齢者人口が 11万1,468名おられ、そのうち 接種を受けると見込まれる人を(昨年のインフルエンザワクチン接種率に換算し)72%と想定すると、約8万人の高齢者が 今回のコロナワクチン接種を受けると予想されるとのことです。
しかしながら、現在のところ 国から県を経て長野市に供給されたワクチンは 僅か1,000人に満たない数に止(とど)まっており、その普及率は 僅か0,012%。
これを(この先) どのように順番づけして接種していったらイイものか?あまりの(ワクチンの)数の少なさに、(各自治体は)悩む他ないといったところであります。
それらの厳しい状況を踏まえつつも、長野市は「(ワクチン接種)対応方針」を策定しました。
それによると、県の定めた(高齢者向けの)優先順位に基づき、長野市における接種順位を定めるとのこと。
長野市における(高齢者の)接種順位は下記のとおり。
① コロナ患者受入病院に入院(通院)中の高齢者
② コロナ受入病院以外の病院に入院中の高齢者
③ 介護施設等に入所している高齢者
④ 基礎疾患を有する高齢者
⑤ ①~④以外の高齢者
但し、今後 ワクチンが潤沢に供給されることになれば、②~④は同時に(接種を)行ない、④・⑤については、接種予約の受付が始まったら、希望する医療機関などへ電話で予約していただくことになるとのことです。
ただ…ご案内のとおり、現状は全く捗々(はかばか)しくありません。
「(ワクチン接種)立ち上げ期」と定めた4月期においても、小出しに送られてくるワクチンを分け合う形で接種を行なうことになっており、とても多くの方々に(接種を)行なえる状態にはなっていないのが現状です。
当面のスケジュールによると、4月19日の週に975名に接種、その後 間隔を空けて、5月10日の週に 1回接種した人(975名)に2度目の接種を行なうことだけが予定されているだけとのことです。
その後については、ワクチンが 順次供給されることを前提に、
① 5月1日発行の「広報ながの」で、個別接種を実施する医療機関の一覧表を掲載
② 5月3日の週以降、病院に入院している高齢者等に順次接種を実施
③ 5月10日の週以降、基礎疾患のある高齢者に順次接種を実施
④ それ以降の高齢者の方々のワクチン接種の予約については、長野市へのワクチン接種の見込みがついたところで順次公表する、とのことであります。
・・・・・・。
これまでお伝えしたとおり、長野市においては 市民お一人おひとりに確実にワクチン接種が行なわれるよう、万全の体制を敷くことになっております。
とりわけ 重症化リスクをもった高齢者や既往症者の方々については、一日も早いワクチン接種の実施をめざし 準備作業に当たっています。
しかしながら、肝心の「ワクチン」そのものが いつ・どのくらい供給されるのかが未詳のままであり、いくら準備を整えても それ(ワクチン接種)が実行できない。これは忸怩(じくじ)たること最たるところであります。
ところが、現下の(接種)計画が、たとえ国の都合で遅れたとしても、お叱りや苦情の声は、一番身近なところ(市)に対してぶつけられるもの…「長野市は一体 何をやっているんだ!」とか「長野市は やることが遅い!」などと、何だか市(自治体)の取り組みに瑕疵(かし)があるかの風当たりは、辛いことこのうえなし…ワクチン供給未詳の〝渦中〟にあって 市町村(基礎自治体)は、国と住民の まさに板挟みとなって苦渋の業務に当たっているところなのです(当事者(職員)は そんな泣き言は言いませんが)。
いずれにしても、今後のワクチン接種計画の成否は、ワクチンそのものの供給次第であることは自明であります。
折りしも 長野市においては〝第四波〟の様相を呈し始めた中、高齢者の間での感染再拡大が顕著になっており、その(高齢者の)重症化を防ぐ意味においても、一日も早いワクチンの供給⇒接種 が切望されることは、論を待たないところであります。
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