長野市が、新型コロナ感染症の「ワクチン」について、65歳以上の方々への接種を始めたことが伝えられています。

社会に蔓延する新型コロナウィルス感染症は、今や〝第四波〟の到来を数えることとなっており、その感染者数は 高止まり傾向が続いています。
関西圏や首都圏においては、ついに三度目の『緊急事態宣言』が発出されることとなっており、その収束(終息)は容易ならざる状況にあります。
そのうえで、その(収束の)「決め手」となるのが「ワクチン接種」であることは ご案内のとおりであります。
長野市圏域においても、その状況は 都市部ほどにまで至ってはいないにしても 基本的な情勢は同じ。連日に亘りコロナ陽性感染者の発生が報告され 一度(ひとたび)程度の重い陽性感染者が多く発生すれば、感染者ご本人の罹患に伴う苦しみと同時に、(中等症以上の感染者が)圏域内の病床を占有することとなってしまい それは即ち地域医療そのものを圧迫する事態につながってしまうのです。
そんな悪しき状況に至らないためにも 欠かざる要件である「ワクチン」は、先ずは年齢の高い方々に接種を受けていただき、重症化に伴う様々かつ多方面に亘る悪影響を避けることが期されています。
そのうえで 当の高年齢者の方々におかれても、一日も早い接種を望まれていることが側聞されており、そのことは 都市部などで先んじて行なわれた接種予約などにおける混乱ぶりに示されています。
千葉県の自治体においては、「集団接種」に向けた整理券を発行したのですが、それ(整理券)を手に入れるために150人もの行列が2時間に亘ってできてしまったとの報が。

また兵庫県の自治体や名古屋市では、電話やインターネット予約がつながらなくなり、市民が役所の窓口に殺到する事態に。


さらに 高知市に至っては、予約のためのインターネットシステムが(アクセス集中で)壊れてしまい、やはり市民が役所に殺到、最後には予約受付自体を中止しなければならないことになってしまったとのことです(その後 怒った市民がロビーで大声で抗議する姿も映されていました)

高年齢者の感染と重症化を防ぐためのワクチン接種を巡り、それ(予約事務)により かえって大きな混乱が生じ、あげく 感染したり重症化を避けるべき高年齢者が一ヵ所(役所)に終結して さらに大声を上げるなどして感染リスクを高めることになってしまったことは、まさに逆効果「何のためのワクチン接種(予約)か。」との誹(そし)りを免れないところでありましょう。
これらの報道に接し、(現時点での接種対象の)高年齢者の方々におかれては どうか冷静な行動に努めていただきたいと願いたいところではありますが…今の〝コロナ禍の怖さ〟を踏まえれば、我先にとワクチン接種を求めたくなる心情を止めることはできないのかもしれません。
その(混乱の)要因は、偏(ひとえ)に「(ワクチン接種の)予約事務と、現物(ワクチン)供給とのアンバランス状態」にあります。
そもそも、今の「ワクチン接種計画」は 国(厚労省)が立てたものであり、各自治体は その計画に基づいて粛々と事務作業を行なわなければならない立場なのです。
むしろ、接種予約などの事務作業が遅れてしまえば、かえって市民からお𠮟りを受けてしまうことから、国の示したカレンダー通りに 予約券を発送し、予約受付けの態勢をつくり、接種予約を受け付けるという段取りを整えることを責務として(業務に)臨んでいるところです。
ところが、です。
その肝心のワクチン自体が間に合わないとなると、行政事務と 実際の事業(接種)のペースが合わなくなり…それでは と「予約制に」と舵を切った途端に、それ(予約)が集中し さまざまなシステムがダウンしてしまうという最悪の結果を招くこととなってしまいました。
ただしかし その(混乱の)他要因には、実施主体(自治体)の〝見込みの甘さ〟も指摘せざるを得ません。
今回のワクチン接種について、どれほど市民関心が高いのか もっと言えば「予約」や「先着順」にした際には どれほどの人たちが一時(いちどき)に集中するかの〝深層心理〟を読み切れなかったことには〝現場の責任〟が問われることになりましょう。
このこと(ワクチン供給)について、総理は会見で「65歳以上の高年齢者のワクチン接種については、希望する高齢者に 7月末を念頭に各自治体が(2回の)接種を終えられるよう、政府を挙げて取り組む。」と述べましたが、当事者(高年齢者)はもとより 各自治体においても その総理発言を〝丸吞み〟してイイものかどうか、現下の大混乱を前に 疑心暗鬼にならざるを得ないところです。
さて、それら 諸々(もろもろ)の事情を踏まえたうえで、長野市においても「ワクチン接種事業」が緒に就きました。
長野市における対象者(65歳以上の人)は 約11万人おられ、その方々(のうち希望者)に 順次に亘り2度のワクチン接種を受けていただきます。
で、肝心のワクチン自体は 今のところ長野市に供給されたのが、僅か1箱(975回分)。4月中に もう1箱が届くとのことなので、それを如何(いか)に有効かつ無駄なく効果的かつ公平性を担保しながら活用(接種)してゆけるかが、今後のワクチン接種事業を円滑に行なってゆくための試金石ともなってくるところです。
市においては、既に20日から 医師が必要と判断した人(透析患者)に1回目の接種を行なったことが伝えられています。
それを皮切りに、今後は 入院患者や施設入所者~基礎疾患のある人~それ以外の人 の順で接種が行なわれることになります。
そのうえで市は、今後の接種スケジュールなどについて ホームページ等で公表しています。

長野市は、地域にある各医院(一覧表は後掲)で行なう「個別接種」と、市が設置する接種会場で行なう「集団接種」の〝二本立て〟で接種事業に臨むこととなっています。
その予約については「個別接種」が 5月12日(水)以降、(接種を)希望される医院に電話の予約を、「集団接種」については 5月21日(金)以降『長野市ワクチンコールセンター ☎026-225-5670』に やはり電話で予約していただきます。
但し、そこで留意していただきたいのが「個別接種」については、あくまで基礎疾患のある人が優先となることであります。

これは即(すなわ)ち、このワクチン接種事業の大きな目的である「重症化の回避」と それに伴う「病床占有の短期化」に基づくものであり、そのための適切な「トリアージ(客観的な優先順位の設定)」であることをご理解いただきますよう お願いいたします。
他の自治体においては、このトリアージも無く 一斉に予約を受け付けた(しかも先着順とした区市町村もあったとのこと)ことから それが大混乱の一因となってしまいました。
長野市においては、それ(混乱)を避けるために(ワクチン接種の目的に鑑み)既往症者優先となっていることを 先ずはお含み置きください。

接種の予約及び実施(被接種)については、接種券を基に 電話予約を行ない、指定された日時に会場(医院・接種会場)に足を運んでいただくことになりますが、前述のとおり、現物(ワクチン)そのものの供給の目途が立っていないことから、例え5月12日から予約が始まったとしても その場所(医院・接種会場)での「接種の順番」は伝えられたにしても「○月○日の○時○○分)」との具体的日時の確定にまで至るかどうかは懐疑的な面は否めません。
これについては、接種する側(医院など)においては〝無い袖は振れない〟ということでありますので、その場その場での回答についてご承知おきいただき、順次情報が具体的になった時点で 接種に向けてご準備いただければと存ずる次第であります。


なお 長野市においては、市内で個別接種を受け付ける医院 ならびに集団接種の会場を公表しています。



長野市コロナワクチン接種会場一覧(長野市HP)
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/site/covid19-joho/470842.html
なおまた、接種券の送付から時間が経過していることから〝接種券の紛失〟の可能性もあることも想定し「接種券再発行申請書」も用意してあるとのことです。
万一 接種券を失くしてしまっても、諦(あき)めることなく再発行してもらうよう ご案内申し上げるところです。

全国で混乱を来(きた)しながら始まった「コロナワクチン接種事業」…こと 長野市においては、円滑かつ遅滞なく事業(接種)が行なわれることを期するところでありますが、いわば「蓋(ふた)を開けてみなければ分からない」面もあることから、私の立場でも 今のうちから様々な場面を想定しつつ、予め関係機関に具申なりに努めてまいりたいと存じております。
いずれにしても(前述のとおり)国の〝計画と実際の尺(しゃく)〟が合わないままにスタートを切ったこの事業が、曲がりなりにも完遂されることこそが 私たちの社会生活を元通りに戻す原資となることだけは間違いないところであります。
なお、長野市のワクチン接種に関するお問合せ等は『長野市ワクチンコールセンター』でワンストップの受付けを行なっていますので、必要に応じてお電話くださいますよう ご案内申し上げます。

また、長野市におけるワクチン接種計画等の全容については、下記HPをご参考になさってください。
↓
https://www.city.nagano.nagano.jp/site/covid19-joho/467436.html