農地復旧
1/30 Thu.
さきの台風19号による豪雨災害を受け、農家の最重要支援策として進めている農地の土砂の撤去について、当初の想定よりも順調に作業が進んでいることが伝えられ、ひとまず安堵の意を共有しました。
今回の台風19号被害は、千曲川沿線の多くの農地に大量の河川水と土砂を流入させ、農地そのものを土砂で覆い尽くす被害を及ぼしました。一般的には 河川の沿線には、米作のための水田が営まれているものですが、〝果樹王国長野〟特に北信エリアにおいては、リンゴや桃などの果樹が千曲川沿いに「堤内農地」また「堤外農地」として広域に亘り営農されており、そちら(果樹)の根部分を粒子の細かい河川泥(花泥)が覆うことにより、根腐れが発生したり、農業機械が圃場に入れず 消毒作業が行なえないことによる(樹木の)病気の蔓延が心配されたところです。
そんな中 発災後には、行政(農林部局)はもとより それ以上に多くの(農業)ボランティアさんが農地に分け入り、土砂の撤去と搬出に取り組んでくださり、それは地道に そして着実に堆積土砂の除去が進められてきました。
その後、11月に入ってからは 行政力の発揚により、先ずは 堤防決壊など最も被害が大きかった長沼地区の圃場を中心に 重機による撤去作業を行なっています。春の農作業に間に合わせるため 堤内農地で土砂が20cm以上積もった農地から優先的に作業を進めてきた結果、これまでに 堤内農地の45%にあたる約24.5haで土砂の撤去が終了したとのことです。
これは他でもなく、暖冬による少雪 というより、雪が無いことによる 除雪無しでの作業の進捗と申せます。過般も触れましたが、雪の多い少ないを軽々に評価すべきところではありませんが、こと 被災農地に復旧に関して言えば、これ(暖冬傾向)は作業の追い風になっていることは間違いないところです。市によると、(復旧)優先区域の農地の土砂撤去は、当初は3月頃までかかると想定していましたが、このままのペースで進めば 2月中には完了できる見込みだということです。ただ、優先区域に含まれない5センチ以上の泥が積もったおよそ465ヘクタールの農地はまだほとんどが手つかずの状態だということで、これらの農地は 土地の所有者から申請がなければ市が作業を行なえないことから、市は 3月末までに申請するよう呼びかけているとのことです。
私が現地に足を運んだときには「堤外農地」の土砂の除去や抜根作業が エリアのそこここで盛んに行なわれていました。
小型重機(ユンボ)とダンプがバデイを組み、阿吽(あうん)の呼吸で搬出作業を重ねていました。
一方、こちらは 屋島橋の袂(たもと)にある運動場。
本来ですと「排雪置場/雪捨て場」に指定されているスペースですが、今季に関しては「土砂捨て場」として使用されています。
各地区の圃場から搬出された土砂が、ダンプに積まれて集積され、ダンプは時計回りの一方通行で、順序ヨク順番を待っていました。
これからも順次、圃場に堆積した土砂を片付けてゆくことになります。
市域内の農地の復旧は、すなわち 長野市の基幹産業の復旧そのものであり、今後も地道かつ着実な作業の進捗が求められています。
ただし、西洋の格言ではありませんんが「農業復旧は 一日にして成らず」とも申せ、これからも息の長い取り組みが余儀なくされることは論を待たず、そのためにも 官民挙げて、何というか 共に励まし合いながらマラソンレースを駆けるとでも申しましょうか。
私の立場でも、常に 長野市農業のことを心に留め、支援の心をもって臨んでゆきたいと、思いを新たにいたしたところです。
〔追記〕
他方、今回の河川敷への水害は、一部の沿線の運動場が使用不全になる影響を受けています(前述のように、土砂置き場として流用せざるを得ないところもあります)。この案件については、課題意識を持ちながら、後日に譲ることとさせていただきます。