倉野立人のブログです。

日々の思いを、訥々と。

農地復旧

2020-01-31 | 日記

1/30 Thu.

 

さきの台風19号による豪雨災害を受け、農家の最重要支援策として進めている農地の土砂の撤去について、当初の想定よりも順調に作業が進んでいることが伝えられ、ひとまず安堵の意を共有しました。

 

今回の台風19号被害は、千曲川沿線の多くの農地に大量の河川水と土砂を流入させ、農地そのものを土砂で覆い尽くす被害を及ぼしました。一般的には 河川の沿線には、米作のための水田が営まれているものですが、〝果樹王国長野〟特に北信エリアにおいては、リンゴや桃などの果樹が千曲川沿いに「堤内農地」また「堤外農地」として広域に亘り営農されており、そちら(果樹)の根部分を粒子の細かい河川泥(花泥)が覆うことにより、根腐れが発生したり、農業機械が圃場に入れず 消毒作業が行なえないことによる(樹木の)病気の蔓延が心配されたところです。

 

 

そんな中 発災後には、行政(農林部局)はもとより それ以上に多くの(農業)ボランティアさんが農地に分け入り、土砂の撤去と搬出に取り組んでくださり、それは地道に そして着実に堆積土砂の除去が進められてきました。

 

 

その後、11月に入ってからは 行政力の発揚により、先ずは 堤防決壊など最も被害が大きかった長沼地区の圃場を中心に 重機による撤去作業を行なっています。春の農作業に間に合わせるため 堤内農地で土砂が20cm以上積もった農地から優先的に作業を進めてきた結果、これまでに 堤内農地の45%にあたる約24.5haで土砂の撤去が終了したとのことです。

 

 

これは他でもなく、暖冬による少雪 というより、雪が無いことによる 除雪無しでの作業の進捗と申せます。過般も触れましたが、雪の多い少ないを軽々に評価すべきところではありませんが、こと 被災農地に復旧に関して言えば、これ(暖冬傾向)は作業の追い風になっていることは間違いないところです。市によると、(復旧)優先区域の農地の土砂撤去は、当初は3月頃までかかると想定していましたが、このままのペースで進めば 2月中には完了できる見込みだということです。ただ、優先区域に含まれない5センチ以上の泥が積もったおよそ465ヘクタールの農地はまだほとんどが手つかずの状態だということで、これらの農地は 土地の所有者から申請がなければ市が作業を行なえないことから、市は 3月末までに申請するよう呼びかけているとのことです。

 

私が現地に足を運んだときには「堤外農地」の土砂の除去や抜根作業が エリアのそこここで盛んに行なわれていました。

 

 

小型重機(ユンボ)とダンプがバデを組み、阿吽(あうん)の呼吸で搬出作業を重ねていました。

 

 

 

一方、こちらは 屋島橋の袂(たもと)にある運動場。

 

本来ですと「排雪置場/雪捨て場」に指定されているスペースですが、今季に関しては「土砂捨て場」として使用されています。

 

各地区の圃場から搬出された土砂が、ダンプに積まれて集積され、ダンプは時計回りの一方通行で、順序ヨク順番を待っていました。

 

これからも順次、圃場に堆積した土砂を片付けてゆくことになります。

 

 

市域内の農地の復旧は、すなわち 長野市の基幹産業の復旧そのものであり、今後も地道かつ着実な作業の進捗が求められています。

ただし、西洋の格言ではありませんんが「農業復旧は 一日にして成らず」とも申せ、これからも息の長い取り組みが余儀なくされることは論を待たず、そのためにも 官民挙げて、何というか 共に励まし合いながらマラソンレースを駆けるとでも申しましょうか。

私の立場でも、常に 長野市農業のことを心に留め、支援の心をもって臨んでゆきたいと、思いを新たにいたしたところです。

 

 

〔追記〕

 他方、今回の河川敷への水害は、一部の沿線の運動場が使用不全になる影響を受けています(前述のように、土砂置き場として流用せざるを得ないところもあります)。この案件については、課題意識を持ちながら、後日に譲ることとさせていただきます。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

聞こえなかった同胞無線

2020-01-30 | 日記

1/29 Wed.

 

この日の朝、自宅(川中島町 御厨)の自宅から出かけようとした時、北西の方角から「長野市行政無線(同胞無線)」が聞こえてきました。

何かと思って耳をそば立てると「丹波島橋の南で火災が発生しています。」との声。はたと思って丹波島橋の方角に目をやると、概ね北北西の方角から煙が上がっているのが見て取れます。場所柄、まさに私が地盤とする管内とも目(もく)されることから、出がけの用事はさて置き、取りも敢えず 消防法被を着て現場に駆けつけることにしました。

慌てて飛び出したものですから 迷い迷いの現場行となりましたが、約15分ほどかかって現場に到着しました。現場は「長野市 丹波島地籍」でありました (個人情報があることから 近影は避けます)

 

 

 

 

私が現着したときには 火災自体は「鎮圧」されていましたが、まだ「鎮火」には至っておらず、多くの消防隊員や消防団員が出動し、屋根裏や内壁などの〝隠れ火種〟の消火を行なっており、統制の取れた中で 鎮火に向けた作業が重ねられていました。発災時、家人の方々は在宅中だったそうでしたが、生命に関わる被害者は出ず それだけは不幸中の幸いといったところです。

 

また この日の朝は、風がさほど強くありませんでしたが、もし これが、強風が吹き荒れていた昨日 火が出たものであれば、強風に煽(あお)られて かなりの面積が延焼したことでしょう。私自身、2016年に発生した「糸魚川大火」を思い出して身震いしたものでした。

 

(糸魚川大火)

 

 

 

私が現場にいると、火事場(丹波島)の地区に住むKさんが来られたことから、お見舞いの意を表しました。

ところが くだんのKさん、私の顔を見るなり「おやクラちゃん、わざわざご苦労さん。ところで アンタ、この火事をどうやって知ったんだい?オレはこんなに近所に居るのに全然分からなくて、小市の方から来た(消防車の)サイレンの音を聞いて何ごとかと思って、周辺から聞いて 村内(むらうち)で火事だと分かったんだよ。」とのことでした。

Kさんの自宅は、今回の火事場から北西方角の、徒歩で数分のところにあります(私の自宅は 火事場から南東方向にクルマで10分)。そして この日、「風」が 北西から南東に向けて(それほど強くはありませんでしたが)吹いていたことから、犀南エリアの最も北に位置し、しかも火事場の風上に居たKさんには、発災時の(消防車の)サイレンや同胞無線は、たとえ近くに居ても聞こえなかったらしいのです。逆に、風下に住む私の方(ほう)には、多少距離があっても サイレンや同胞無線の音が聞こえてきたものと思われます。Kさんは最終的に、小市方面(風上)からのサイレンが耳に入り そこでようやく火事のことを知ったようでした。

 

 

 

 

 

今回の火事場の慰問を通じて「音」は、風向きや周辺の騒音、また宅内においては 最近の住宅の気密性・遮音性の向上などの要因により、条件によっては「聞こえない状態」に陥りがちであることを改めて実感させられました。

 

(同胞無線)

 

 

 

ところで「音」といえば、さきの台風19号の際の 長沼地区の「半鐘乱打」が思い起こされます。

10月12日深夜~13日未明にかけ、千曲川の(増水)異常に気付いた 地元消防団員の方々が、豪雨の中で同胞無線が聞き取りにくい状況に鑑み、危険を顧みず 火の見櫓(やぐら)」に上(のぼ)って半鐘を乱打した勇気ある行動は、多くの住民を避難行動に結びつけることとなり、大きく称(たた)えられました。

この美談は、長野市在住の青壮年の勇気を内外に示すと同時に、住民に危険を伝える「音」の重要性と、その伝達の難しさを実感させられる出来事となったものです。

 

 

 

 

緊急時、いかに多くのみなさんに正しい情報を より早く伝達することができるか。

有事の際の大命題を 改めて突き付けられた感、だったのでした。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地元愛

2020-01-28 | 日記

1/28 Tue.

 

先週末、被災地の復旧対応で相談したい事項があり、衆議院長野一区選出の篠原 孝事務所に足を運びました。

被災地域から、堤防改修など 復旧・復興に向けた要望が挙げられているものの、その(回答)内容が充分なものでなく、いわば一般論の域を出ないものであったことから、地域の実情に合わせて具体的に進捗するよう計らっていただきたいと要望したところ、篠原代議士は 既にそれらを承知されていたうえで「全ては(今 国会で)審議中の予算が通過した後だ。」と答えられました。

訊けば、それぞれの被災地における復旧・復興対策については、役人は「判っている」ものの、予算が通らないことには手が付けられないもので、現時点での(予算審議中の)段階での(自治体や地域への)説明は どうしても一般論に止(とど)まってしまうのだろう。本格的に動き出すのは、補正予算が可決成立した後になる、とのことでした。

 

「それで。」と、篠原代議士は 言葉を続けます。

「今回の国会審議は〝桜〟問題とか〝IR汚職〟とか、あまりに問題が多過ぎて、とても看過できるものではない。」

「しかし、今回に限って言えば、予算案に 台風関連の復旧・復興予算が盛り込まれている。これは 一日も早く通さなければならない。」と、語気を強めておられました。

 

篠原代議士は 台風発災後、直ちに対応に動かれ、農水省OBの経験を活かし 被災エリアの堤外農地に果樹園が多い〝長野の被害の特徴〟に鑑み、これまでコメ中心であった災害支援を果樹に拡大させるなど、臨機応変な災害支援を指示してこられました。

また一方、私からの情報を躊躇なく聞き入れてくれ、堤防が決壊した長沼エリアに何度も足を運び、被災状況の把握に努める一方、その(下流域の甚大な被害)に隠れる 上流域の被害にも注目し、塩崎エリアの堤防被害の危険性の指摘や 上流域の堤外農地の被害状況に鑑み、改植などの農地復旧の指導を行なってこられました。

被災地に足を運び、被災者の切実な声を聞き、その度に 心を痛めておられたのでした。

 (長沼 津野エリア調査)

 

(篠ノ井 西寺尾/堤外農地調査)

 

そのうえで、既に始まっている復旧事業を本格的に軌道に乗せるには、現在 審議中の(国の)補正予算が国会を通過しなければ「何も始まらない」とも話されています。これは 永年 省庁(農水省)に努めた経験からくる実感ある言葉でありましょう。

 

「だから。」と代議士。

「問題 多アリの今回の予算だが、被災地のことを思えば、今回の補正(予算)は、何が何でも通さなければならない。ただ 野党は、総合的に見て「反対(票)」を投ずることになるだろうが、(被災した)地元選出の者(衆議院議員)とすれば、今回(自身の投票行動)は、党の判断よりも 被災地の窮状を優先しようと思う。だから、もしかしたら違った(投票)行動を取るかもしれないよ。」と、唇を引き締めて述懐しておられました。

 

この日の情報で、最終的に、篠原代議士と 2区の下条代議士は 採決の際「退場」したと報じられました。

これは、補正予算を通さねばならないこと⇔野党としての責任 の狭間の中で下した ギリギリの判断ということと存じます。ご自身の(党での)立場がありながら、それでも この補正(予算)だけは通さねば、の意をもって 反対票を2票減らすという行動を示したことは「地元愛」を でき得る限りの中で体現したことと存じます。

 

それら、さまざまな思慮をもって、とにもかくにも 災害対応を踏まえた補正予算は成立することになります。

これから いよいよ、財源の裏付けを得て 復旧・復興事業が具体的に始まります。

 

 

そんな中でも、長沼の農地では 今日も地道に 堆積土砂の撤去作業が行なわれていました。

 

 

被災地の窮状に鑑み、それぞれの立場で「地元愛」が発揚されるところです。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

千曲川 河道掘削工事

2020-01-28 | 日記

1/27 Mon. 

 

◇千曲川流域「河道掘削工事」が行なわれています。

さきの台風19号による 千曲川の「越水被害」を受け、その対応策としての「河道掘削工事」が行なわれています。

 

 

私が現認した箇所は、篠ノ井横田エリアの千曲川流域です。岩野橋の上下流域の左岸部分に重機が入り 作業が行なわれているのでした。

 

この工事は、さきの台風19号の洪水被害が、土砂の堆積による河床の上昇に伴い 河川(千曲川)そのものが 水の流量を飲み切れないままに越水を許してしまったことに主原因があったことを轍(てつ)とし、その対策として「河川の流量確保」を行なうこと、併せて河岸をシッカリを形づくることで、河川水が堤外農地へ安易に流入しないよう 川の流れを整えることが喫緊の課題である との(至極当然な)分析に基づき行なわれるものです。

 

ご案内のとおり、河川の流量確保には ①堤防の嵩(かさ)上げ ②河道の掘削(浚渫/しゅんせつ) が挙げられますが、時間と予算がかかる ①堤防嵩上げ に比して、②河道の掘削 は、いわば手っ取り早く行なえることから、とにもかくにも 今年の雨季に間に合わせるべく 突貫で行なわれているところです。

 

エリアの左岸では、河川土を浚(さら)う重機がフル稼働し、傍らには大型ダンプが順番に並び、堆積した土砂を次々に搬出している姿が見られます。

 

掘削した河岸は 今までのダラダラした形状ではなく、ハッキリと壁面を成しており、工事後は、流れる河川水は 河川部分のみを流れ下ることとなります。

 

ところで、この河道掘削工事には「越水」から住宅地などを守ると同時に、河川敷にある「堤外農地」を守る役割を果たすことにもなります。

今回の台風19号による多量の河川水は、河川敷に展開する「堤外農地」で大切に育てられていた果樹をなぎ倒してゆき、ここにも大きな被害が及ぼされてしまいました。

 

 

この河道掘削により、川の水が「流れるべきところを流れる」ことで、堤外農地への被害軽減にぅつながることも期待されるところです。

 

台風19号被害から3ヵ月以上が過ぎ、ようやく 次なる防災工事が緒に就きました。

しかしながら、全長360kmを超える千曲川全域の護岸工事は 一朝一夕に成し得るものではなく、これからの継続的な防災・減災工事が求められていることは言うまでもありません。

ここの工事現場にも 巨大な中洲が横たわっており、例えばこいつ(中洲)の除去も いずれ行なわなければならない課題でありましょう。

 

あんな被害は、二度とご免こうむる。そのためにも、今後の 地道かつ継続的な取り組みが求められています。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幕尻優勝&空き家問題

2020-01-27 | 日記

1/26 Sun. 

◇〝幕尻力士〟奇跡の優勝! ~その所作に 元気をもらう~

26日に千秋楽を迎えた、大相撲令和2年初場所は、幕内最下位(前頭十七枚目)の徳勝龍関が 結びの一番で大関の貴景勝を破って初優勝を果たし〝荒れる初場所〟を見事に制したのでした。

 

 

今年の初場所は、両横綱が相次いで休場、また上位陣に大勝ち力士が不在の中、混戦模様のまま推移したところですが、そんな中 地道に勝ち星を重ねた徳勝龍関が最後まで1敗を守り、晴れの賜杯を手にしたところです。

 

そんな快挙を成し遂げた徳勝龍関ですが、その姿勢は謙虚そのもの。勝って奢(おご)らず どころか、優勝を決めた瞬間にスグに大粒の涙を流すなど ヒューマニズム溢れた所作が共感を呼び、ひときわ大きな拍手が送られました。あの涙に もらい泣きしたのは、私だけではないでしょう。

 

今場所は、郷土力士の御嶽海関が負け越しを喫するなど、御嶽ファンとすれば俯(うつむ)く日が多かった今場所でしたが、遠藤関の白鵬戦での〝リベンジ勝利〟や 炎鵬関の活躍、それに最後の「幕尻力士の快挙」など、終わってみれば見どころの多い場所であったと実感します。

 

 

あと、徳勝龍関の優勝インタビューが秀逸でしたね。

 

NHKアナとの軽妙なやり取りで笑わせた後、急逝した恩師を回顧して もう一度泣き、最後に「もう33歳、ではなく「まだ33歳」の意気でがんばります!」と締(し)めていました。

 

相撲社会の中では ベテランに位置付けられる33歳。でも まだまだ現役で頑張ろう!

 

われわれ中年族にも 大きなエールをもらった〝幕尻優勝〟でした。

 

 

あと、照ノ富士関の十両優勝も うれしいニュースでした。

かつての大関経験者が、落ちるところまで落ちて、それでも再び這い上がる様子は、特に私など 地に堕ちた者は、自分の経験も重なって 大きなエールを贈りたくなるところです。

 

これからも、体調に気をつけて 再び階段を一歩 ゝ 上(あが)っていってほしい。

みんな、ガンバレ!

 

 

 

 

◇「空き家セミナー」徐々に関心の高まりが

この日 町の公民館で、第5回目となる「空き家対策セミナー」が行なわれました。

 

これは、国土交通省の支援で行なわれている〝連続講座〟です。人口減少が伸長する中 跡取り不在の「空き家」の遍在化が進み、それが今や社会問題化しつつあること、それを自らの課題として認識し 共々に考えてゆこう、というもので、将来に向けた大きな課題に位置付けられるものです。

 

しかし残念ながら、その テーマの重要性に比して、過去4回の講座は 空席の目立つものでありました。

それは もとより「今のところは他人事」に他ならないと思われました。

現に自分が住んでいる以上は、ウチは空き家ではない。空き家問題は、私(世帯主など)が居なくなってから考えてもらえばイイ。それは家族(継承者)にとっても同じで、親が住んでいる以上は 実家は 今のところ空き家ではない、という考えです。

しかし、それでは遅いのです。

私は「空き家問題」を、昨今の自然災害の被害に置き換えざるを得ませんでした。

自然災害も、被災すれば「当事者」ですが、被害が無ければ「他人事」なのです。残念ながら、被害の無い地域においては、自然災害への対応などには 力(ちから)が入りにくいことが如実に伝わってくるところであり、その意識の低さにこそ危機感を覚えるところでした。

 

さまざまな事態を「明日は我が身」として考えてほしい。

そんな中、この日の「空き家対策セミナー」は、何と満員の盛況となっていました。

 

これまでの地道な連続開催が実を結び、地域の方々にも「当事者意識」が芽生え始めてくれたのでしょう。これには、主催者の「長野県司法書士会」のスタッフもウレシイ悲鳴、隣室から机とイスをかき集め、追加並べに追われていました。

 

今回の連続講座の集約の意味で、来る2月16日(日)には「空き家問題から考える 未来の地域づくり」なるシンポジウムが開催されることになっています。

 

その「第2部」では「解決!空き家問題 ~空き家の活用と予防策~」としてパネルディスカッションが行なわれることとなっており、不肖 私が「住民代表」としてパネラーを務めることになったことから、私としても 改めて「自分事」と捉え、地域の状況や住民意識などを伝えてまいりたいと存じております。

 

「空き家問題」は、今や他人事ではありません。避けて通れない「地域課題」なのです。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

抜本的対策

2020-01-26 | 日記

1/25 Sat. 

◇長年の懸案「千曲川の狭窄部」河床掘削へ

さきの台風19号における、千曲川の長沼エリアの堤防決壊の〝元凶〟とも言われた 中野市立ケ花と飯山市戸狩地区にある2カ所の「狭窄(きょうさく)部」について、国が河床を掘削し、洪水時に水を流れやすくする対策を行うことが報じられました。国・県・流域自治体が取り組む「緊急治水対策プロジェクト」に盛り込まれることとなります。

 

この件は、千曲川の抱える〝長年の懸案〟であり、北信エリアでの千曲川の治水には、立ヶ花の狭窄部分の解消以外に道は無いとまで言われていました。しかしながら「河川改修は下流から」の原理原則により、下流(信濃川)にある 新潟県の「大河津水路」の整備が待たれ〝足踏み状態〟が続いていましたが、今回の長沼エリアの破堤を契機に、その原則を超えて「立ケ花の狭窄部掘削」の英断が為されたところです。

実は、この報道の前段階で、衆議院長野一区選出の篠原 孝代議士から「北信エリアの千曲川の治水には、立ヶ花流域の掘削か拡幅しかない。永田町でも あらゆる機会に、省(国交省)に対し激烈に言っておいた。」と、半ば怒りを込めての述懐がありました。そんな 地域代表の強い意見や、今回の台風被害の現状に鑑み、悲願の河床掘削が行なわれることになったことと拝察するところです。

いずれにしても、昨今の自然災害の頻発状況をもってすれば、大災害の要因を抱える地点においては、それぞれの状況に応じた「抜本的な対策」が講じられることを期待して止まないところです。

治水対策 半歩前進、といったところです。

 

 

◇「まちづくり」に向けた意見交換会

この日、私の暮らす川中島地区住民自治協議会が主催し、住民の方々との意見交換会が行なわれました。

 

この会合は、さまざまな変遷(変化)を経て 現在に至っています。

 

と いうのも、川中島住民自治協議会(以下/住自協)においては、数年来の住民要望として「都市計画道路川中島幹線」の北部延伸を掲げておりますが、その要望の実現に向け 長野市の厳しい財政状況などを斟酌して「民間力」を導入して行なうことを新たに起案し、特別委員会を設置するなどして取り組んでいます。そのうえで、これまでの市民要望の実現に向けた住自協の取り組みや考え方などを広く地区住民の方々に知っていただき、広く意見をいただくことが肝要、として「意見交換会」の実施に至ったところです

 

 

 

この意見交換会は〝1回こっきり〟で、多忙なみなさんが参加する機会を失うことのないよう、複数回に亘って行なわれており、この日も 会場には、関心をもつ市民の方々が足を運んでくださり、これまでの経過報告や状況説明に対し、熱心に耳を傾けておられました。

 

ところで、私自身 一連の取り組みの中で、会の運営 もっといえば取り組み方針そのものに〝変化〟を感じ始めています。

従前の取り組みは「とにかく道路延伸ありき」の〝陳情型〟に拘泥していたように思えます。「地域の発展には、先ずは道路だ!」との固定的な考えに囚(とら)われ、よくある〝期成同盟会型〟のスタイルで、幟旗(のぼりばた)を掲げて お役所に大きな声を届けることを第一義として取り組んできたものでした。

 

しかし、その結果はどうだったか。

他の地区の新道建設の〝成果〟を見ても、何もない土地に道路だけが風穴の如く開いたはイイが、道路の設置だけを目的とした事業によって、確かにクルマの往来は便利にはなったものの、そこは 単なる〝通過点〟となり、地区全体の発展は およそ無いままに事業は完結してしまっているのが現実です。

 

私たちは、都市計画道路の延伸を考える中「単なる道路延伸だけでは地域は活性化しない。」そのことに気づくことができました。

道路は大切だけれど、それは まちづくりのパーツの一つに過ぎないという考え方。私たち(住自協)においても、例えばまちづくり計画においても、道路が全てではなく「まちづくり全体(計画)の中に、道路が(部分として)存在する」という考えに立ち直して考える、そんな〝スタンスの変化〟を自認したうえで 意見交換会に臨むようになったものであります。

 

人口減少・少子高齢化が伸長し、また近年では不測の自然災害が頻発する昨今「住みよいまち」の定義そのものが変わりつつあります。

当初は まちづくり計画の中心であった「道路」についても (前述のとおり)それ(道路)が全てではなく、かつ、これまでの「クルマ偏重」の考え方から「歩行者優先・交通弱者の安全確保」の考え方にシフトし、また 有事の際には 早期かつ適切な避難行動のできる環境づくりを訴求するようになってきました。

 

もっと言えば、当地区には 2つのJR駅があり、つまりは公共交通機関に恵まれていることもあることから、この活用も将来に向けた有為な条件と位置付けることが肝要と申せます。

 

それらの社会条件を考え合わせるなどして、これからの「まちづくり」をみんなで知恵を出し合って考えてゆきたい。

単なる「道路整備の陳情」に端を発した市民活動は、ときを重ねる中で 紆余曲折を経て〝進化〟し、全く新しい形で考察を重ねてゆくことになります。

 

参加された方々からは「理念は判ったが、具体性が無い。」との指摘を多く受けたことから、今後 関係者間で検討を重ね、ワークショップの開催など、住民みんなで「まちの形」を練り上げる作業を行ない、何らかの形で具体像をつくってゆくことが求められていると申せます。

これからも、イイ意味での試行錯誤が続くところです。

 

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

仮堤防の撤去作業 始まる

2020-01-25 | 日記

さきの台風19号で決壊し、周辺に大きな被害を及ぼした 長野市穂保地区の千曲川堤防ついて、所管の「国土交通省千曲川河川事務所」は 24日から、決壊箇所を埋めた「仮堤防」の撤去を始めています。

 

私も 既に何度も足を運んでいる千曲川堤防。堤防の決壊に端を発し、いよいよ本格復旧に向けて再び〝メス〟を入れることとなりました。

 

発災直後には 大量の土砂が運び込まれ、突貫工事で 長さ(幅)約70メートル・高さ約5メートルに亘り土盛りがされた決壊現場ですが、その際に構築された堤防は あくまで〝仮堤防〟でした。発災当時の 二次災害を防ぐために、緊急的に土砂が盛られたものであり、そのままでは 抜本的な再築堤には至っておらなかったことから、今回 国の予算が見込まれることになったことに合わせ、改めて本格的な堤防を構築することとなったところです。

破堤現場に土を盛った その逆の手順で、堤(つつみ)が順次 崩されてゆきます。

 

大型ショベルカーで土砂を掬(すく)い取り、ダンプカーでの搬出を繰り返し行ないます。

 

堤防を造った録画テープを巻き戻すみたく、盛られた土砂を、上下流に分かれて どんどん取り除いてゆきます。

 

作業は順調に進んでおり、取り払われた堤防の向こうに「矢板鋼板」の塀が見て取れました。

 

仮堤防の土砂の撤去後、今度は本格復旧、倍旧の強度をもっての築堤作業に着手されることになります。

 

 

今回、この「本格復旧」に向け 破堤箇所は 一旦〝更地化〟されることとなりますが、その際には、直ちに築堤に移らず、破堤箇所下の基礎地盤や 決壊現場付近の堤防の地質の確認作業、それに 地元住民の間で囁(ささや)かれている「長沼城のお堀」の存在=砂利の埋設による「パイピング現象」の有無 などの〝事実確認〟を十分に行なうことが求められています。

 

 

二度と、あのような大きな被害は受けたくない。

住民の悲願を背に、仮堤防の除去作業は進行しています。

 

改めての徹底した原因究明と「絶対安全」の築堤が求められています。

 

但し・・・決壊箇所だけ いくら補強しても、延々と流れる河川は、今度は いつどこで破綻(破堤)を招くか知れず「ここだけ直せばヨシ」とゆかないのが現実です。

この築堤に並行して「抜本的対策」が求められているのは、論を待たないところです。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

諸事

2020-01-24 | 日記

1/23 Thu.

 

◇ガンバレ!受験生

大学受験シーズンを迎えています。先週の「センター試験」を経て、今月中は 各大学の入学試験も始まっており、まさに「人生の登竜門」に挑む若者たちの勝負の時期になっていることでしょう。

特に 今年においては〝教育改革・受験改革の目玉〟とされていた、英語民間試験などの「共通テスト」が すったもんだの末に見送りになるなど、受験生にとっては〝大人の事情〟に翻弄されることとなってしまい、ホント同情に堪えないところですが、そんな不測の事態にも負けず、これまでの努力を無にしないよう、意識を集中して全力を出し切ってもらいたいと願うばかりです。

 

ところで この受験シーズンは、私にとって「苦い思い出」が去来するばかりなのです。

遡(さかのぼ)ること三十有余年前、高校卒と共に大学受験を志した私、気の合う仲間と一緒に上京、都内の複数の私立大学を受験したのでした。そして、その結果は 全て「不合格」。仲間の中には一発合格を決めた者もおり、そんなこんなで 私にとっては それは大きな挫折感・・・今にして思えば、人生最初の大挫折だったのではなかったかと。

高校時代、部活のサッカーのインタハイ予選で一回戦負けを喫したときも みんなで部室で泣いたものでしたが、大学受験の失敗は、それを上回るショックであったことを 今も覚えています。周囲の友だちも、今は笑いながら「あん時は、かける言葉が無かったゼ。」と述懐するほどです。

そんな中でしたが、たとえ予備校に行っても、一年間のリベンジ勉強には とても耐えられないと自己分析した私は、二次募集をかける大学を探し、結果 単身名古屋に出向いて中京大学を受験、どうにか合格することができたのでした。

そんな 挫折感にまみれた受験時期を経たうえで入学し、さしたる縁故も無く通った大学でしたが、そこで勧誘された「ほぼ体育会のスキー同好会」での諸先輩との出会いが、私のキャンパスライフを充実したものにしてくれたのでした。

以降は、ほぼ〝スキー尽くし〟の大学生活となったところでしたが、慣れない土地で それでも「人」に恵まれ、それなりの「キャンパスライフ」を過ごすことができ、当初の激しい挫折感を思えば、佳き思い出を残すことができたと 今更ながら周囲の方々に感謝しています。

 

私の踏んだ挫折など、今、センター試験など 国公立の難関に挑むみなさんのレベルには遠く及ばないところではありますが、若者のみんなには 必ず大なり小なりの可能性があることを踏まえ、繰り返しになりますが そのときに持てる力を尽くして結果を受け止め、次なるステージで さらに全力を尽くしてもらいたいと願うばかりです。

 

そんな〝受験生目線〟で思えば、私の人生は、挫折と失敗の繰り返しだな、と、今更ながら振り返るところです。

それでも 人間、生きてゆかなければならない。どうしようもないときも、前を向いて、破れた靴を踏み出さなければならない。

挫折も失敗も、しないに越したことな無い。特に有為な若者には、さまざまな失敗を重ねた 私のような自業自得の轍を踏んではほしくない。

でも、いかなる失敗があろうとも、人生は続く。だから、頑張ってほしい。

 

全ての若者に、心からなるエールを贈ります。

 

 

 

◇新型コロナウィルスが猛威を振るう ~パンデミック(爆発的流感)の恐れ~

中国の湖北省 武漢市で発生した、新型肺炎「コロナウィルス」は、当初の「感染は、動物⇔動物 で、ヒトには感染しない」との〝甘言〟が打ち壊されることとなり、今や800人を超える感染者と、20人を超える死者を数えるに至っています。この他にも 感染の疑いがある事例が1万例を超えていることが報告されるなど、感染拡大の勢いは止まらない状況に陥っています。

 

折も悪く、中国においては「春節=旧正月」のバカンス時期にも重なり〝民族大移動〟と言われるほどに 中国人民が国の内外に出歩くことになっており、もはや世界的な〝流感の恐怖〟に見舞われることとなってしまいました。

国内においても、発症事例が数件に亘り確認されるなど〝ウィルスバスター〟にはほど遠い現状となっています。今後、これ以上の感染が拡大しないよう、自己防衛に努めると同時に 空港などでの〝水際作戦〟の実効性が期されています。

この新型ウィルス、未だ即効性のあるワクチンは開発途上とのこと。一旦罹患すると 後がやっかいなことになることは自明、可能性は低いとは思いますが、前述の受験生など 大切な時期を迎えた方々にウィルスの魔手が及ばないことを願うばかりであります。

 

そして一方・・・私が〝ワクチンの無い新型ウィルス〟として懸念するのが「アフリカ豚コレラ」であります。

日本国内で猛威を振るった「豚コレラ」、多くの殺処分を招き 多くの養豚業者に被害を及ぼし、消費者にも少なからず影響を与えた豚コレラ騒動ですが、隣国 中国大陸・アジア圏では、今は新型コロナウィルス騒動にかすんではいますが、この「アフリカ豚コレラ」問題が、次なる大きな課題となることを、私自身、大いに懸念しております。

 

ヒトへの拡大に至った「新型コロナウィルス」そして 現時点で有効な手だての無い「アフリカ豚コレラ」これからの情勢に汲々とする日々が続くことになります。

これについては 市レベルでは如何ともし難いところではありますが、保健福祉部や保健所などと 情報共有と喚起に努めてまいります。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

手紙

2020-01-23 | 日記

1/22 Wed.

 

過般、私の元(もと)に、一通の手紙が届いたのでした。長野市松代町に在住されるTさんからです。

内容は、Tさんのご主人がご逝去された際に送らせていただいた お悔やみメッセージへの返礼文でありました。そして、その文面を読んだ私は、こみ上げるものを抑えることができなかったのであります。

 

 

 

「拝啓 この度は、夫の葬儀に際し お悔やみメッセージを賜り、誠にありがとうございました。おかげさまをもちまして、葬儀も滞りなく終えることができました。

 夫は、昨年10月の台風19号の後、泥が乾燥した悪い空気が原因で肺炎を起こし、10月26日に入院し、一度は快方に向かったように見えましたが、12月12日に 再び高濃度治療室に入り、15日に会ったのを最後に 翌朝亡くなりました。

 災害が無かったら もう少し生きられたような気もすると、何とも言いようがありません。しかし、大勢のみなさまに見送っていただき、たくさんの温かいお気持ちとお言葉をいただき、皆様の温かさを感じた二日間となりました。

 本来ならば お伺いして御礼を申し上げるべきところですが、書面をもってご挨拶とさせていただきます。 敬具」

 

今回の台風19号においては、長野市域が広範囲に亘って浸水被害を受け、千曲川に面する松代町においても然り、町内を流れる千曲川の枝川である 蛭川 や 神田川 の〝バックウォーター現象〟などにより、水害の範囲は松代の中心部にまで及んでしまいました。Tさんのお住まいのエリアも冠水被害を受け、水が引いた後には 大量の河川泥が残されたことから、細かい砂塵が舞う中での被災生活での罹病となったものと拝察されるところです。

地域の方によると Tさん方は 鴛鴦(おしどり)夫婦の典型のようなお二人で、ご生前は仲良く暮らす姿が見られていたとのことでした。

 

そんな 夫唱婦随の「当たり前の日常」を、未曽有の自然災害は いとも簡単に奪っていってしまいました。たった一晩の氾濫が、これまで何十年も連れ添ってきたご夫婦の日常に 突然の形でピリオドを打つ、これを「無情」と呼ばずして何とすればよいでしょう。

おそらくは、被災後 泥にまみれた二人の終の棲家を、一日も早く元に戻そうと 砂塵の舞う中を復旧作業に勤(いそ)しむ中で肺を患ってしまったのでしょう。その陰に、故人の 家=伴侶を思う気持ちがあることを思うと、何ともやるせない思いが募るばかりであります。

 

・・・・・。

今回の台風19号災害で「災害救助法」が適用された長野市においては、「災害関連死」を判定する審査会の設置規定を盛り込む条例改正を行なっています。医師や弁護士らでつくる「判定審査会」が、災害関連死の遺族に弔慰金を支払う前段での 災害の影響を案件ごとに審査することになっています。

「災害関連死」とは、水害や地震など災害による「直接死」ではなく、避難生活のストレスや過労など間接的な原因による死亡のことを言います。1995年の阪神大震災から認められるようになり、市町村などが設置した「審査会」が関連死に該当するかどうか判定し、それを受け市町村が認定します。認定されれば 遺族は「弔慰金」の支給対象となります。

昨年8月施行の「改正災害弔慰金支給法」で、市町村が審査会を設けることが努力義務として定めらました。

長野市においては、関連死の疑いがあるなど 族から複数件の問い合わせがあるとのこと。今後、市が審査会を開くなどしてケースを検討することになっています。

 

Tさんからの 心の込められた返礼文をいただき、悲しみを共有すると同時に、私の立場においては 今後ご遺族のお気持ちを尊重しながら「災害関連死」の申請を行なうかどうかなど、ご意向を伺ってまいりたいと存じます。

 

さきの台風19号は、さまざまな方面に被害と影響を及ぼしながら現在に至っています。

一見すると、まちの風景は日常を取り戻したように見えますが、実際にはそうではない。時間が経ってなお、災害の余波があることを実感するところです。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

諸事

2020-01-22 | 日記

1/21 Tue.

 

◇自省記事

先日の「大寒に思う」の記事で、私の所感として 暖冬を歓迎するような記述をいたしたところですが、一方で、この暖冬により 深刻な打撃を受けている方々が居り、そのための救済支援策が講じられていることが報じられていることに接し、一方の価値観で物事の善しあしを決めつけてはならんと自省の念を覚えたところです。

報道によると、県内のスキー場(49ヶ所)の 年末年始の利用客数が、前年比 約マイナス8%の74万人前後に止まり、これは過去最低の2015~16年シーズンをも下回る数値とのことで、特に雪不足に悩むスキー場にとっては 死活問題になっているとのことです。

これらの厳しい状況を受けて、長野県では、雪不足による悪影響を受けた中小企業の資金繰りの相談に応じる「中小企業金融相談窓口」を 県庁と県内の地域振興局に設置したと伝えられています。スキー場周辺の宿泊施設や観光事業者、それに 除雪事業者などの事業者からの相談を想定しているとのことです。

雪不足の悪影響を受けた事業者の方々は、信用保証協会の補助がある 低利の中小企業融資制度「経営健全化支援資金」が充当対象になり、(前述の)2015~16年シーズンに引き続いて開設・支援するとのことです。

 

「長野県中小企業金融相談窓口」サイト

        ↓

https://www.pref.nagano.lg.jp/keieishien/happyou/20200116yukibusoku_press.html

 

報道記事によると、東信エリアや中信エリアの一部スキー場では 昨シーズンを上回るところもあり、また 他のスキー場の中には 外国人スキーヤーなどにより活況を呈しているところもあるとのことですが、全体的に言えば 厳しい状況に陥っている事業者が多いと伝えられています。直接「雪」の恩恵を受けない方々は「雪が無くて(除雪など)楽だ。」と口(くち)にするところですが、雪や寒さ=季節産業 に直結する方々にとっては、この暖冬が 生業そのものを脅かすことになっているのです。

特に、私のような立場の者は、いわば俯瞰(ふかん)に立ち、さまざまな方々の 様々な価値観を斟酌して発言・行動をしなければならないもの・・・それが「雪が無くてイイ」などど軽々にモノ申したことは 反省すべきと自戒いたしたところです。

 

社会、とりわけ四季のある日本においては、それぞれの季節に応じた社会生活があること、そのことを再認識すべきことを改めて実感した次第です。

 

 

 

 

◇堤防の再構築=強化 をめざして 

さきの台風19号の被害を受け、とりわけ篠ノ井塩崎地区における 千曲川堤防の越水ならびに損壊被害が注目されており、今後 同様の被害が起きないように取組むことが求められています

これまでも 再三触れているとおり、塩崎地区に面する千曲川は、北上する本流が、当地区でほぼ直角に東へカーブしていることから、今後 異常な増水の際には、本流そのものが直進、万一破堤を招けば、篠ノ井全域のみならず川中島エリアにまで大規模な水害が及ぼされる可能性が非常に高いことから、さきの台風19号被害を轍とし、当地区の堤防復旧の際には、単なる現状復旧に止めず、いかなる増水や河川氾濫も耐え得る強靭な堤防を築くことこそが、ひいては長野市南部エリアの社会安全を守るために欠かせない要件であるとの認識に立ち、そのための挙げての取組みが期されております。

                      (塩崎地点で大きくカーブする千曲川)

 

 

                           (破堤寸前だった塩崎堤防)

 

長野市当局に聞けば、ここ数日のうちに 国交省千曲川河川事務所長から 長野市長に対し、今後の千曲川の河川整備について具体的な説明がされるとのことですので、それらを踏まえ、今後 かかる塩崎地点の堤防が、真に強靱化されるよう注視してまいりたいと存じます。

いずれにしても この地点の強靭化を進めてゆかなければ、ひいては犀南エリア全域が甚大な被害を受けることになってしまいますので、それら将来課題を踏まえ 私なりに力を尽くしてまいりたいと存じております。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「大寒」に思う

2020-01-21 | 日記

 1/20 Mon.

 

1月20日は、二十四節気の一つで 1年のうち最も寒い日とされる「大寒」です。冬の盛りのこの時期 とりわけ「大寒」のこの日は、本来ですと身も縮むような寒さに見舞われるところですが、私の住む地域は 比較的穏やかな(暖かな)朝を迎えました。

 

 

そして この暖かな陽気は、県内をはじめ列島全体に共通していることが伝えられています。長野県の冬の風物詩である諏訪湖の「御神渡(おみわた)り」も、諏訪湖に氷が張らない状態が続き 御神渡りどころか、湖の上に立つことすらできない状態とのこと。

 

 

御神渡りの記録や認定を担う八剣(やつるぎ)神社の宮司さんは「少なからずの期待を持って、2月3日の節分まで観察を続ける」と話しているとのことですが、今年 神様が諏訪湖を渡る様子が見られる可能性は限りなく低いようです。

〔御神渡り〕

 

 

また、他県においても、雪不足で「冬の国体」の開催がピンチとなり、一部競技が長野県(野沢温泉スキー場)に移されたことも報じられています。受け入れ側とすれば ウレシイ悲鳴ということでしょうが、選手とすれは この冬の集大成を、馴れないコースで一発勝負を強いられることとなり、まさに悲喜こもごもといったことが伝えられていました。

 

 

 

さらに、今年の暖冬=少雪傾向は、来る「東京五輪大会」にも影響が及ぼされるようです。夏の五輪大会の〝暑さ対策〟として注目されている、雪国の「雪」を活用する計画も ピンチを迎えているそうです。

国内屈指の豪雪地帯で知られる新潟県南魚沼市の雪を 今冬のうちの保存して、さいたま市で行なわれるサッカーとバスケットボールの会場で観客に〝涼〟を提供する「スノーハウス」や「スノーパック」として活用する計画があるものの、南魚沼市の貯雪場所の積雪は現時点で10㎝程度。市職員は「いつになったら雪が積もるのか」と、うらめしそうに天をあおぐ日が続いているとのことでした。

〔スノーハウス/雪の冷気を競技会場に送り込む装置〕

 

〔スノーパック/雪の冷たさで身体を冷やす 天然の保冷剤〕

 

 

また、東京エリアでは 未だに〝氷が張らない〟状態が続いているとのこと・・・このまま推移すれば「氷が張らなかった冬」を記録しそうなことも聞かれており、暖冬 どこまでゆくの?といったところです。

 

かかる 暖冬傾向は、自然界や社会生活に大きな影響を与えながら推移しており、一般的には「四季のある日本、冬は寒くあるべき、雪は降るべきときに降るべき」といったところですが。

しかしながら 私たち長野市民、もっといえば さきの台風被災地の住民にとっては、今年に関しては この暖冬傾向を歓迎したくなる心境になっています。

もとより、台風被害により 自宅の2階や仮設住宅などでの生活を強いられる方々にとって、寒さは最大の敵です。例えば自宅の2階暮らしの世帯は、1階が素通し状態となり 往々にして〝底冷え〟に悩まされることから、暖冬傾向はありがたいと言えるでしょう。

さらに、農地の被害を受けた方々にとっては、ひとたび雪が積もると 作業の大きな支障になってしまうところですが、今冬の 雪の無い状況は、除雪の手間が省けるだけに これまた助かるといえると思います。

 

 

大寒の この日、暖冬・少雪が顕著な様子を改めて実感し「悲喜こもごも」の感を新たにしたところです。

いずれにしても 尋常ではないこの冬の陽気、これから季節が進む中で、この先 どうなっちゃうの?と思っているのは、私だけではないでしょう。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原因究明

2020-01-20 | 日記

1/19 Sun.

 

数日前、ラジオニュースで「国土交通省が、さきの台風19号で決壊した千曲川堤防について「ボーリング」による再調査を行なっています。」との報が流れたことから、とり急ぎ現場に足を運びました。

 

 

報道によると、今回の千曲川堤防の決壊については 所管の国土交通省は「千曲川の増水による「越水」が原因」と結論づけたところですが、その後、堤内下部を水が通る「パイピング現象」も要因の一つではないかとの疑義が浮上したことから、そのこと(パイピング現象)の有無を確認するため、堤防の数カ所をボーリング(鑿泉/さくせん)して調べることにした とのことです。

 

 

穂保地区の千曲川堤防の上では、国交省の委託を受けた鑿泉(さくせん)業者の方が、櫓(やぐら)を組んで 調査のためのパイプを土中に挿入していました。

 

堤防の数カ所を抽出してボーリングすることが伝えられており 今後、堤内の土石を採取するなどして 調査を進めることになるとのことです。

 

 

 

このことについては、昨年12月14日(12/15付)の記事で触れていますが、今回の千曲川堤防の決壊については「第二の主要因」があるのではないかという 疑問の声が寄せられており、そのことの確認なしで再築堤の作業を進めることは、ひいては行政不信につながる恐れがあることさえ言われていました。

それらの意見を受ける形で 今回の再調査に至ったところと存じますが、私は この当局の判断を評価したところです。

〝役所〟というのは ややもすると、一旦 結論が出てしまうと、それが〝固定化〟されてしまい、後になって疑義が生じても「既に決まったこと」として 再検討そのものを行わない傾向にあります。特に建設・土木関連のハード事業においては その(頑固な)傾向が顕著なところですが、そんな中の 今回の再調査は、いわば「異例」と言えるのかもしれません。

 

 

(過般のブログの繰り返しになりますが)今回の千曲川堤防決壊の〝第二の原因〟として考えられる〝懸念材料〟は、当地の「史実」にあります。そして その史実は、穂保地区の堤防上にある「案内板」にも記(しる)してあるのです。

 

 

 

現在の千曲川堤防は、約500年前に築城された「長沼城」の〝お堀〟の遺溝を横切る形で設置されているのです。

 

 

 

そして(いつの時期かは未詳ですが) その〝お堀〟を埋める際に「砂利」を用いたために、河川水は 越水に併せて土中の砂利を伝って堤内に浸透(パイピング現象)し、そして これが〝ダブル要因〟となって破堤につながったのではないか、という説なのです。

 

 

この「史実」については 他でもない、今回 甚大な被害を被(こうむ)った、地元住民こそがヨク知るところであり、そのうえで、そんな史実があるのに、あたかも それが無いものとして片付けられ「破堤の原因は あくまで越水。」と断定されてしまったのでは、これからの社会生活に不安を残したままになるところでした。

 

今回の再調査により、堤防決壊の〝真の原因究明〟が進み、物理的な社会安全が再構築されると同時に、もとより 地元住民の方々の「納得」のうえに立って安心安全が堅持されることを願って止まないところです。

「想定外」が常軌化される昨今、であるとすれば 逆に、あらゆる可能性を想定して対策することこそが、私たちに求められていると強く認識するところです。

もし 万が一、今回の破堤の原因に 堤防底部の「パイピング現象」が絡んでいたとすれば、本格的な堤防復旧の際 いくら堤防上部を丈夫に覆ってみても、また 水は〝下〟を抜けるようになってしまうこととなり、それでは本格復旧の体(てい)を成さないことになってしまいます。

私としても、今回の再調査の推移を見守りながら、真の社会安全の構築に向け、力を尽くしてゆきたいと 思いを新たにいたしたところです。 

 

智将「武田信玄」の〝歴史の置き土産〟半世紀を経てなお 物議を醸すことになるようです。

 

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

長野市保健所に「猫舎」オープン

2020-01-19 | 日記

1/18 Sat.

 

長野市保健所の敷地内に、保護した猫を収容する「猫舎」が完成し、この日「譲渡会」が行なわれることが伝えられたことから、見学に足を運びました。

 

長野市は、全国に先駆けて〝犬猫の殺処分ゼロに努める自治体〟として知られています。

かつての行政窓口は、市民の通報などを受けるなどして保護(捕獲)した犬猫については、一定期間保管した後は 事務的に殺処分することが常道とされていましたが、長野市においては 10年ほど前から「積極的な殺処分をしない施策」に取り組み、市民への譲渡(会)などを通じて 収容した犬猫の〝次の飼い主探し〟に努め、2018年に「犬の殺処分ゼロ」を達成、その後は 猫の殺処分ゼロをめざす中、この度「猫舎」を設置し、市民との〝出会いの場〟のさらなる整備・向上を果たしたところです。

長野市が評価されるのは、いたずらにボランティア団体任せにせず、市 自らが積極的に犬猫の譲渡を行なっているところでしょう。

自治体によっては、単に「殺処分ゼロ達成」その〝数字〟のためだけに、とりあえず保健所など市有の収容施設から犬猫を居なくさせるよう、保護団体などに〝丸投げ〟する そんな手抜き行為も側聞されるところですが、長野市は(前述のとおり)市も保護団体も、一緒になって 犬猫の命を守るべく全力を尽くし、成果を挙げているのです。

 

保健所本棟の南奥に「猫舎」がありました。

 

舎内への導線は「肉球」が案内してくれています。

 

 

 

この日は、施設のお披露目式に併せて 譲渡会が開かれており、舎内には多くの市民や関係者が集まっていました。

 

参加者は、施設から配布された「譲渡の心得」を目にしながら 猫ちゃんたちと対面します。

 

新設された猫舎は、従来の 格子のはまった「檻(おり)」ではなく、ガラス張りとなっており、猫たちは そのケースの中で保護されていました。

 

スペースに限りはあるものの、居住性は良好のようです。

 

ガラスケージには「表札」が貼られ、猫ちゃんのプロフィールが紹介されています。

 

訪れた市民の方にとってみても、個体を視認し易い環境になっていました。

 

スマホに収めて判断材料とする方も。

 

片やの猫ちゃんも 落ち着いた状態でいる風でした、堂々たるものです。

 

こちらのガラスケージは・・・あれ、誰も居ない?

 

と 思ったら、天井スペースにも〝通路〟があり、そっちを闊歩していたのでした (@ @)。

 

茶臼山動物園の レッサーパンダ舎のようでした。

 

 

人馴れした猫ちゃんの居住スペースには、来訪者が入って触れ合うこともできるそうです。

 

このコはきっと、この男の子が 新たなパートナーになることでしょう。

 

舎内の特設コーナーには、さきの台風被災地で保護された猫ちゃんたちが紹介されていました。

 

激流が去った河川敷で保護されたとのこと、たとえ猫といえども、命がつながったことは喜ばしい限りです。

 

昨年の11/29記事(11/30付)でも触れていますが、長野市域においては、被災者の飼い犬などの「被災ペット」をボランティアの方々が一時預かりするなどの善行があったところですが、この〝被災ネコ〟についても、心ある方が 無碍な扱いをせず保健所に持ち込んでくださるという善行に努めてくださり、そしてそれが この日の〝譲渡会デビュー〟につながったところです。

長野市民の優しさが表される善行でありました。

スタッフさんの腕に抱かれる猫ちゃんも 安心した表情(爪が全く出ていない)。いずれ新たなパートナーが現れることを願うところです。

 

 

この施設は 心優しい長野市民の象徴として、既存の犬舎と併せて「殺処分ゼロ」の拠点として活用されることが大きく期待されます。

昨今は 何かと世知辛い話題が多い中、せめて私たちが暮らす地域から「命を大切にする行動」の輪が広まってくれることを期待するばかりです。

 

 

保健所前の広場(駐車場)では「愛犬の 正しい飼い方・しつけ方教室」が行なわれていました。

 

ペット、とりわけ犬については、当の本人?より〝飼い主モラル〟が問われる昨今、特に「お散歩マナー」について さまざまな声が寄せられているのが現状です。

長野市保健所においては、保護犬猫ちゃんのパートナー探しの一方、かかる「飼い主(犬)マナーの向上」にも努めており、こちらの不断の取り組みも評価されているところです。

これらの取り組み成果が進み、ひいては 例えば市内の公園でも犬が堂々と散歩できる環境が整うことなどを期待するところです。

 

 

なお 会場では、飼い主同士のコミュニケーションの一方、ワンちゃん同士のコミュニケーションも進んでいるようでしたヨ。

 

 

これも「ワン・ナガノ」の一環でしょうか(^^)

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1.17

2020-01-18 | 日記

1/17 Fri.

 

◇阪神淡路大震災から25年

この日 1月17日は、6,000人を超える犠牲者を出し、地域に大きな被害を及ぼした「阪神淡路大震災」が発生した日。そして あれから25年もの年月が流れた日でもありました。

 

 

報道などを通じて、西日本の各地で慰霊行事が行なわれ、犠牲者を悼み 思いを馳せる日となっていたことが報じられ、私も弔意の心を新たにいたしたところです。

 

 

私自身、地震発生後は テレビの画面を食い入るように見つめたことを、今も鮮明に覚えています。

高速道路が倒壊した場面や、

 

波打つ高速道路で、確か長野県のスキー場から戻る途中の観光バスが あわやの転落を免れたシーン、

 

また、朝食前の時間帯の発災により、多くの家庭が「火」を使っていたことから 街のあちこちで火災が発生してしまった様子など、地震は引き起こした さまざまな被害の様子を目の当たりにし、言葉を失ってしまいました。

 

あの震災は、私たちに大きな衝撃を与えると同時に、自然災害の恐ろしさと それら(災害)への対応など、さまざまな教訓を残しました。多くの建物が倒壊したことを踏まえ「耐震改修促進法」が制定され、耐震改修など「揺れに強い構造物」の整備が進められ、一定の成果を収めました。

「震災の被害を無駄にしない」当時は 当時なりに人智が寄せられ、二度と同様の被害を受けないよう努力を重ねてゆくことを誓い合ったところです。

 

しかし、自然の猛威は無情なもの、その後 2011年には東日本大震災が発生、今度は 地震に合わせて「津波」という大きな水害を伴う災害が住民生活を襲い、原発事故も絡んで またも列島は不測の自然災害に泣かされることとなったのです。

そして・・・この頃に至っては、台風や線状降水帯などの多雨による水害が頻発するようになってきており、直近では、私たちの暮らす県域内での河川氾濫という、まさに想定外・未曽有の自然災害が起こることとなってしまいました。

 

 

・・・・・・。

自然とは、かくも無情なものなのでしょうか。

顧みれば、私たちは、災害の度(たび)に 起こされた被害を教訓とし、その度に減災への努力を重ねてきたハズでありますが、阪神淡路大震災・東日本大震災・昨今の水害と、残念なことに、ぞれぞれの自然災害の〝形態〟は全て異なっており、ある自然災害が起こって、それへの対応を行なえば、今度は また違ったパターンでの災害が起こる・・・つまり私たちは 一概に「対応 これでヨシ!」との〝正解〟を見いだせないまま 今に至っていると言わざるを得ないのが現実であります。

地表では 地球温暖化が進行し、地中では「トラフ」や「海溝」などが不穏な動きを続け、また山地においては火山の噴火や水蒸気爆発などが散見されるなど、いつ・どこで・どんな自然災害が発生するのか、まったく予想できない状況の中で日々を過ごしている私たちです。

 

そんな中ではありますが、せめて私たちは 災害の起きた日を、その「史実」を顧みる機会と捉え、災害を風化させず、その経験が後世の者の社会安全に結びつくよう努めてゆくことが 災害を経験した者の責務ではないかと 改めて思うところであります。

 

 

 

 

 

◇「長野市やさしいお店 タウンミーティング」

市内の生涯学習センター「トイーゴ」で、市内の店舗に〝障がい者にやさしいお店〟に登録していただこうというセミナーが開催されたことから、傍聴させていただきました。

 

 

長野市においては 昨年4月から、市独自の施策として、障がいを持つ方々にも安心して店舗を利用していただけるよう「長野市障害者にやさしいお店登制度」を施行しています。

「長野市障がい者にやさしいお店」要項

       ↓

https://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/shougai/440196.html

 

 

 

 

その頃 私は〝浪人中〟だったため 預かり知らないところでありましたが、今回のセミナーの開催を知り 改めてその取り組み状況などについて知る機会とさせていただきました。

 

 

この日は 社会福祉に造詣の深い、野澤和弘 毎日新聞客員編集委員を講師に招き「長野市のやさしいお店が 地域の未来を変える」との記念講演があり、その後 賛同者(店)を対象にした登録制度の説明(登録)が行なわれるとのことでした。

 

講演の中で印象的だったのは「施設のバリアフリーはもとより〝心のバリアフリー〟こそが大切」との述懐でありました。

事例として、ある施設で 車イスのAくんが、灯りのスイッチに手が届かないことを告げたとき、施設管理者は、施設を改修してスイッチの位置を下げることを選ばず、スタッフ全員に 利用者の中に車イスの方が居られることを周知し、以降は Aくんが施設を利用する際には、灯りのスイッチはもとより、ドアの開け閉めやエレベーターの操作など、あらゆる面でサポートに努め、結果、Aくんは〝実質バリアフリー〟の中で施設を利用することができているとのことでした。

 

 

こちらの記念講演にあったように、長野市においては「やさしいお店」のめざすべきものとして「合理的配慮の提供」を挙げております。

すなわちそれは、障がい者用トイレや バリアフリーの店舗設計を基本としながら、それ以上に、スタッフ自身が 障がい者の立場に立ってサービスを行なうようにすること、そしてそれは、ときに障がい者のみならず、高齢者や病傷者など 全ての方々に優しいお店として喜んでもらえるのではないか というコンセプトになっていると拝察されるところです。

 

配布されたレジュメの あるページには「かんがこのページに障害はどこにあるでしょう?」と問いていました。

 

「一見的には、目の前の段差が障害の全てに見えますが、実際には それを受け入れるべき店舗の方々の心の中にこそ潜んでいるものなのです。」と説かれ、参加者は一様に頷(うなず)いておられました。

 

 

昨年から始まった 長野市の新たな取り組みは「おもてなし」の最たるものとして大いに評価されるべきものと存じます。

こちらの店舗への登録の如何はともかくとして、あまねく市内の店舗が「障がい者にやさしいお店=全ての来客者に優しいお店」として機能していただだき、そのことが「長野市に来てヨカッタ!」と喜んでもらう原資となることを願って止まないところです。

極端な話し、さしたる観光資源は無くとも、優しいおもてなしに徹することで、その行為こそが「長野市の魅力」につながるのではないかと思いをいたした、好セミナーだったのでした。

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

諸事

2020-01-16 | 日記

1/16 Thu.

 

◇令和最初の歌会始 ~皇后さまの一句に感銘~

新年恒例の「歌会始の儀」が、皇居・宮殿「松の間」で行なわれたことが報じられました。お題は「望」。

天皇・皇后両陛下を初め 皇族方のお歌と 一般応募の1万5千首余りから入選した10人の歌などが披露されました。そんな中 私は、17年ぶりに出席された皇后さまの句に感銘を覚え、皇后さまの「目線」に感心させられたところでした。

 

「災ひより 立ち上がらむとする人に 若きらの力 希望もたらす」

 

昨年末、台風19号などで被災した東北地方を陛下と見舞った皇后さまは、被災地で高校生らの若者がボランティアとして復旧作業に取り組み、その行動が 人々に希望を与えていることを頼もしく思い、歌に詠まれたそうです。

 

長い間 療養を余儀なくされ、物理的には隔世されていた皇后さま、しかし その目は、しっかりと国民の行動ぶりを見ておられたのでした。

被災地を探訪した際、表面的な事象を追うのではなく そこで他者のために精一杯取り組む 将来有為な若者の汗を心に留められ、さらにそれを歌に詠み込む所作には、大きな感銘を覚えたところです。

今年のお題「望」皇后さまのお歌に、それを聞いた私たちの方が、力強い希望(望)の思いを抱かせていただいた感だったのでした。

 

 

 

◇被災者のための施策、なのに 大きな誤解が・・・「公費解体」と「自費解体」

この日、解体事業者の方(Kさん)から「被災家屋の解体について施主が悩んでいる」との相談をいただいたことから、お話しを伺いました。

訊けば Kさんは、さきの台風で被災された半壊以上の世帯の数件から「解体」の相談を受けているとのこと。ところが、当の被災世帯が「どうしようか 迷っている」とのことでした。そして その〝迷いの原因〟は「公費解体にしようか、自費解体にしようか」だそうです。

すでに関係方面で説明が行なわれているとおり、半壊以上の被災家屋を取り壊す際には「公費解体」と「自費解体」の2つの手法があります。時間的には早いけれど、自ら手続きを進めたうえで 一旦、その費用を立て替えなければならないのが「自費解体」で、手続きや立て替え払いは発生しないものの、どうしても時間がかかってしまうのが「公費解体」です。

で・・・Kさんと話しを交わすうち、どうにも噛み合わないものだから、ちょっと立ち止まって整理をしてみると「そもそも」のところで大きな誤解があることが判り、逆に「なるほど」と思わされたものでした。

どうやら、Kさん というより、Kさんに相談している施主さんは「公費解体は 解体費用を行政で出してもらえるけど、自費解体の解体費用は〝自腹〟になってしまう。」との勘違いがあり、それが〝迷いの原因〟になっているようなのでした。

私たちは、その勘違いに行き着いた際、それは「ワンフレーズの印象の悪戯(いたずら)」ではないか、と思いました。

今回の2つの解体手法の呼び名が 聞きようによっては紛らわしい面がある。

「公費解体」→ 読んでのとおり 公費による解体。対して「自費解体」→ 文字だけを追えば、自己資金で行なう解体 と思い込んでしまう。

そんな勘違いを聞けば「そんな、説明会で「自費解体でも、公費分の費用は 後日支給される」と お話ししましたよね。」と言いたくなるところですが、考えてみれば、自宅が大きく損壊した中、そちらのショックが大きい状況においては、説明会には出てみたものの、中身を100%理解していただけたかというのには懐疑的な面があり・・・そんな中「公費解体」と「自費解体」との〝ワンフレーズ〟だけが印象に残り、結果「公費か自腹か」との〝無用な究極の選択〟に悩むことになってしまったのかもしれません。

解体業者のKさんに対しては、自費解体でも 最終的に解体費用が支払われる(ただし 上限アリ)ことを施主さんに改めて説明していただくことをお願いすると同時に、説明する側においても、いくら説明を尽くしたつもりでも、その全てが理解されたとは限らないことを改めて念頭において「説明責任」を果たしてゆくべきことを再認識させられたところでした。

そして その「説明責任」も、話す側の立場だけで一方的に行なってはならず、情報が正しく相手に伝わっているかを確認しながら(説明を)行なわないと意味が無いことを 併せて再認識させられたのでした。

 

市の担当によると、被災住宅の数に比べ 解体の申し込み数はそれほど多くない状況にあるとのこと。で、その裏には「みなさんは 壊すか直すか迷っているのではないか。」とのことでした。そのうえで それら迷っておられる方々の中に、今回のように「公費解体」と「自費解体」の誤解があるとすれば 由々しきことでもあるので、何らかの機会に、改めて「そもそものところ」を丁寧に周知することが必要 と思わされたところです。

 

 

いずれにしても、被災者のリスクは 1円でも安く、復興は 1分でも早く、を念頭に。

 

 

 

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする