この日(2月29日)は、4年に一度の「閏(うるう)日」でした。資料によると、季節は1年を365.2422日周期で巡っており、定期的(4年周期)で調整(近似)させる必要があることから、 太陽暦では閏(うるう)年を設けているそうです。
そんな「レアな日」に、社会の只中を 非常に喜ばしい佳(よ)きニュースと「何だかなぁ」と思わされる悪しきニュースが駆けることとなり、私たちは感情を高下させることになったのでした。
昼間は「何だかなぁ」の報。ご案内の『衆議院政治倫理審査会』です(でした)。
これも ご案内のとおり、かかる重要な審査会にも関わらず 実施に際し(入口部分で)出るの出ないの・非公開だ公開だ・あいつが出ないならオレもイヤだ などとすったもんだした挙げ句「じゃあオレが出るからオマエらも出ろ」とばかりに総理ご自身が出張(でば)ることとなった政倫審ですが、その結果は「大山鳴動ネズミ1匹」の〝肩すかし感〟しか残らないものでした。
総理が出てきてこんにちは♪みたいな調子の政倫審、(案の定)やり取りは ほぼ予算委員会と変わらず、新味または新たな真実は出ずじまい。
総理は「国民の政治不信がますます高まってしまう。強い危機を感じた」と、出席を決断した理由を強弁したものの、野党議員の質問には 自民党の聞き取り調査報告書の内容を繰り返すだけで、野党議員から「なぞっているだけだ」と批判を浴びていました。
対峙する野党側についても、予算委員会の〝焼き直し〟のような同義の質問が多く 目新しいやり取りはありませんでした。
確かに総理は、冒頭に陳謝し・政治資金規正法の改正に前向き発言し・政治家(党員)の処分の意志を示し・自分も「パーティーはやらない」を宣言するなど、言われたことには答えたものの それはあくまで「意向」であり、今後に向け実効性があるとはとても思えない内容(答弁)の列挙でしかありませんでした。
で…これが非常に厄介なことに、総理ご自身が出席して「なぞり答弁」を繰り返したことで、それが後に出る〝5人衆〟の いわば防波堤の役割を果たすことになってしまったようなのです。
総理の答弁で切り抜けられると踏んだ後発の者は、裏金工作への自身の関与を否定し「あたしゃ知らなかった」を言い通し、国民が真に知りたかった「いつ・誰が・どのように」の肝心(具体)な部分は語られることなく、単なるセレモニー(パフォーマンス)に終始することになってしまいました。
おそらく、1日に行なわれる〝第二試合〟も同じようなゲームメイクになることになるでしょう。
この悪しき顛末は、総理が狙って演出したものかどうかは定かではありませんが、一方(自民党)にすれば「これで禊(みそ)ぎは済んだ」と決めつけることは必定、見ているこっちは「一発も当たらずリングだけを堂々巡りして10ラウンドで試合終了」との 二流のボクシングを見せられただけのガッカリ感しか残らないところでありました。
こんな事(こと)の顛末に せめてもの成果として、連座制を基軸とする実効性のある「政治資金規正法改正」などの改革を進めなければ われわれ国民は到底納得できるものではないでしょう。
そんな 永田町の体(てい)たらくを余所(よそ)に、夕方には 海の向こうから佳(よ)きニュースが伝えられ、私たちはウレシイ驚きと共に 何ともいえない祝意を禁じえませんでした。
何いう MBLロサンゼルスドジャース大谷翔平選手の「結婚報告」のニュースです。
この吉報には、われわれ日本人のみならず 世界中の野球ファンやメディアが驚きと共に一斉に祝意をもって報じたところですが、それにしてもスゴいのが 彼の「人生設計」です。
すでに公開され 皆が感心して止まない「マンダラシート」そこには、野球を基軸とした人生設計が具体的に描かれており、その中には 野球でプロ入り→WBCで世界一などと記入されていると同時に「結婚」についてもシッカリと予定されているものでした。
ここまで明確に人生設計を描き、それを その計画どおりに進めることの凄さ…何というか、場当たりになりがちな われわれ凡人とは明らかに違うと感心するばかりです。
ただ その成果も、彼は ただ漫然と待っていたのではなく、言うなれば周到に準備・訓練したうえで 自ら勝ち得た、もしかしたら〝当然の成果〟なのかもしれません。
マ、彼のように人生を歩むことは到底ムリにしても、せめて 彼の「努力に裏打ちされたサクセスストーリー」にイイ意味で憧(あこが)れ・応援し・共感することで、こちらの方も何だかテンションが上がることを喜びとしつつ、今は 彼の幸せを願うばかりであります。
ところで、後に公開された 大谷翔平選手からのSNSメッセージには、文末(巻末)に チョコンと「デコピン」の姿が。
何とも微笑ましい、愛犬を(も)愛している大谷翔平選手の「家族愛」のようなものを見せてもらった感でした。
・・・・・。
奇しくも 4年に一度の「閏(うるう)日」に報じられた、全く印象の異なる2つのニュース。
それにしても、同じ人間の所作(しょさ)で こうも印象が異なるのはなんでだろう?
それは その人(者)が抱く心の深層に「〝表裏(おもてうら)〟があるか無いか」じゃないか…
とりわけ大谷翔平選手の真摯な立ち振る舞いを見るにつけ、しみじみ思ったものでした。