5/30 Thu.
◇環境関連の話題 二題
地球の成層圏に存在し、太陽からの有害な紫外線を吸収し地上の生態系を保護してくれる、地球環境保全に欠かせない存在の 「オゾン層」 この保護のために、さきには国際条約が締結され、フロンの製造自体が全廃されていることはご案内のとおりです。
ところが、そのフロンの一種で、エアコンや冷蔵庫の冷媒として使用された 「CFC11型フロン」 が、中国東部において2013年以降に大量に放出されているとの分析結果を、つくば市にある国立環境研究所などの国際チームが発見、発表したことが報じられました。
フロンについては、過去に使われたものが製品から漏れ出るケースもありますが、今回の測定数値が非常に大きかったことから、現地(中国東部)で新たに製造 ・ 使用されている疑いが強いということです。
※下図の赤い部分がフロン発生源
同研究所の主任研究員(大気化学専攻)は 「発生源が特定できたので、今後は中国での生産や使用方法といった実態を把握し、禁止するよう働き掛けていく必要がある。」 と深刻な表情を浮かべ、話しているとのことです。
一方、ところ変わって欧州。さきに執行された欧州議会選挙では 「緑の党」 という政党が大躍進を遂げ、その動きを後押ししたのは 「地球の問題(気候変動問題)を最大の政治課題と考える若者世代」 だったことが報じられました。
緑の党を支援したグループの先頭には、心ある若い女性らが立ち、気候変動に警鐘を鳴らし、それが多くの共感を呼んだとのことでした。
ドイツの女子大学生の有志グループは 「気候の問題は有権者にとって大きな関心事になっている。」 とし、彼女たちが先頭になって街頭デモやSNSを通じて地球環境保護のために緑の党の支援を発信し、それが大きな共鳴を得ることになったそうです。
若年層の活動が有権者を動かす力になったことは否めない、と現地の政治評論家も その活動ぶりを評価しているそうです。
環境問題は 「今さえよければ後はどうなっても構わない。」 と考えるか 「今のうちに将来世代のことを慮(おもんばか)って環境保全に心を砕こう。 」 と考えるかで、後の結果が大きく変わってしまう命題と申せます。
前段の 「中国で未だフロン製造か」 の話題は、確信犯なのか、それともフロン全廃の情報が末端にまで浸透していないのかは懐疑的な面がありますが、いずれにしても 「地球規模での約束ごと」 が反古にされつつあるのは事実であり、一部の金満主義の者たちの愚行は厳しく律せられるべきでしょう。
一方、欧州議会において 「気候の問題=環境問題」 を選挙のテーマに掲げ、勇躍 政治参加した若者たちの存在には、遠く離れた異国の者としても心強く感じたものでした。
「これからの地球環境」 は、われわれ現役世代はもとより、これから社会を担う若者たちこそが先頭に立って考えるべき、まさに将来課題です。
そんな中、今回の欧州議会選挙で、若者たちが 「環境問題」 を選挙課題の筆頭に据えて積極的に行動したニュースは 「一筋の光明」 と申せます。
この対照的なニュースは、私たちに改めて 「どちらの道を選ぶべきか」 を考えさせる機会となったのでした。
☆これも 「環境問題 」の一部か
「草木も眠る丑三つ時(うしみつどき)」 深夜の長野市中心市街地。
場所は 「長野市岡田町」 県庁も間近の、市のど真ん中です。
そこを縦貫する幹線道路の電光表示板に、ややミスマッチな表現が。
こんなところで、野生動物への注意喚起がされていました。
これも、広い意味では 「環境問題」 と言えるのかもしれませんね。