さきの報道で「JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)が経年に亘り行なっている「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における 車の一時停止状況全国調査」によると、2022年は(も)長野県が停止率82.9%で全国1位となり、2位の兵庫県の停止率(64.7%)と比較しても高い停止率(18.2%の差)となりました。」と報じられました。
さまざまな都道府県別調査がありますが、取りわけ このこと(停止率)については、いち県民として内外に胸を張るところであります。
全体の順位は下記のとおりです。
私たち長野県民は(当たり前ですが)長野県内で日常生活を送っており、その際 移動に欠かせない自動車を毎日のように使って(乗って)います。
その(運転の)際には 数多(あまた)ある横断歩道を経由していますが、走行中に そこ(横断歩道)の手前に渡ろうとしている歩行者がいる際には、自然にブレーキを踏むものです。
で この行為、何というか わざわざ(無理をして)行なっているものではなく、いわば自然発生的にしている(停止している)もので ウチら(長野県民)にとっては〝どうということの無いこと〟なのです。
一方 このことについて、例年の記事の中でも「なぜ長野県(民)は クルマの停止率が優秀なのでしょう?」が話題となっていますよね。
SNS上でも「長野では信号機のない横断歩道を渡ろうとすると、ほぼ全てのクルマが止まってくれる」とか「長野県に引っ越してきたけど、横断歩道で ほとんどのクルマが止まってくれる。こちらが戸惑うくらいの停止率で、でも(歩行者とすれば)とってもウレシイ感じ」といった声が寄せられており、実際に長野県にいる(住んでいる)人自身も 停止率の高さを実感していることが伝えられています。
その分析の中で、長野県でクルマの停止率が高い理由として「県民の習慣として根付いている」ことが挙げられています。
私は それ(習慣)には「子どもの頃からの(イイ意味での)刷り込み」があるのではないか と思っています。
長野県においては、歩行者の立場である子どもらが 横断歩道で多くのクルマに一時停止をしてもらい、安全のうちに横断できています。中には 止まってくれたドライバーに対して(渡った後に)一礼する姿も見られ、それがドライバーにとっての心地よさにもつながり いわば〝一時停止の好循環〟にもつながっているようです。
幼少の頃に横断歩道でクルマに止まってもらう→「クルマは横断歩道に歩行者がいるときには止まるもの」と学習する/「止まってくれてありがとう」などの〝お互い様〟のような気持ちが芽生える→自分がハンドルを握るようになったら 今度は〝止まる立場〟になる→歩行者(横断者)から黙礼されるなどして達成感のようなものを覚える→さらに止まる→子どもらは学習する…との、世代を経る毎(ごと)に「横断歩道に歩行者がいるときは止まる」との〝イイ意味での刷り込み〟が重ねられ、もって 今般のような〝好成績〟につながっているのではないでしょうか。
他方 以前には「ヒヤリハット」のケースが。
いくばくかの数で流れる車列の中で、私の2台前を走るクルマが横断歩道に差しかかった際 歩行者を見て一時停止しようとしました。すると あろうことか、私の前を走るクルマが 横断歩道直前なのに、一時停止したクルマを追い越そうとし始めたのです。
慌てた私がクラクションを鳴らすと、件(くだん)のクルマは追い越しかけた状態でしたが辛うじて横断歩道の直前で停止、ビックリした歩行者さんでしたが 衝突は免れ無事に横断していったのでした。
で、無理な追い越しをかけたクルマのナンバーは 関東エリアの他県ナンバーだったのでした。
これは まさに習慣(刷り込み)の差でしょう。
おそらく 件(くだん)の他県ナンバー車は「前が空いているのに何で止まるんだ!」くらいの勢いで追い越しをかけたもの。そこに歩行者がいるなんてことは思いもしなかった…もっと言えば 歩行者がいても止まるなどとの習慣(刷り込み)が無いままにハンドルを握っていたのでしょう。
ただ 考えてみれば、歩行者がいるときに横断歩道の前で一時停止するのは 道交法で定められたドライバーの義務であり、もし止まらなければ違反キップの対象にあることはご案内のとおり。だから 横断歩道前での一時停止は、長野県民が優れているというよりも「当たり前のことをしている」というべきなのかもしれません。
先日 私は、やはり横断歩道にランドセルを背負った児童がいたので一時停止すると、子どもらは笑顔でこちらを見ながら横断を始めていました。
その可愛らしさに 私は思わず手を振ると、中の3人ほどが 笑顔のままに紅葉(もみじ)のような手を振り返してくれながら向こう岸?へと歩いてゆきました。その仕草は 私を何とも清々(すがすが)しい気持ちにさせてくさたものでした。
こんな無言の好コミュニケーション。こんなことの積み重ねが、8年連続1位の原資になっているのかもしれません。