時間経過
12/30 Mon.
早いもので、今年も 残すところ あと2日となってしまいました。
師走というのに 降雪がほとんど無いまま、アルプスだけは冠雪が現認され、辛うじて冬の風情を醸し出してくれています。
自然の摂理の中では、冬に雪は降るべきものではありますが、こと この冬に関しては、年末ギリギリまで台風被害による農地復旧に取り組んでいる方々や 馴れない仮設住宅などで暮らす方々のことを思えば、しばらくの間は〝雪無し〟でいてくれた方がありがたいのかなあ、と思わされるところです。贅沢を言えば、スキー場など山部にだけ降って その他のエリアは雪無しでいてくれれば などと勝手な思いを巡らせるところでもあります。
歳末にあたり 関係エリアを巡るうち、改めて思わされるのは「未だ台風被害は終結していない」ということであります。
こちらの建屋(篠ノ井御幣川の理髪店さん)、千曲川の枝川(岡田川)の逆流により水害(半壊)に遭ってしまいました。あれから2ヶ月余、外見上は平穏を取り戻しているように見えます(許可を得て撮影)
しかし、建屋の内部は 被災の影響を受けたままになっているのです。
お客様のニーズに応えるべく 営業は再開したものの、店舗内の壁は コンパネを貼ったままの状態。
これは、12/22の記事(12/21付)でも触れていますが、壁の内部の断熱材に河川水が染みこんでしまったために、一旦剥離して 壁の内部全体を乾燥させる必要があるため、当面の間 コンパネ貼りを余儀なくされているとのこと。
また 自宅部分の床は、やはり浸水からの乾燥のために フローリングを剥がしたままでの越冬を余儀なくされていました。
家人の方は「イチバン困るのは 暖房費(灯油代)です。店部分は断熱材が無く、家部分は2階での居住で底冷えして、どうしても暖房を強めに焚かなければならず、この経費は馬鹿になりません。」と嘆いておられました。
外見上の平穏をよそに、被災された方々は 未だに苦労を強いられている現実を聞き及ぶこととなりました。
いずれにしても この家人の方(だけではないですが)には、県・市からの「義援金配分の通知」をご確認のうえ、速やかに必要事項を記入し返信してくださるよう念を押させていただきました。
金額は些少ですが、心ある方々からの貴重な浄財です。それこそ 暖房費の足しにでもしていただければと思うところです。
一方、篠ノ井塩崎(上篠ノ井)の堤防からの越水現場。
千曲川の流れは 穏やかさを取り戻していますが、甚大な被害になりかけた堤防には 未だブルーシートがかかったままになっています。
従前にも触れていますが、この場所は 本流が大きく東へカーブを切る地点で、河川水が異常増水すれば 曲りきれない多くの濁流が 集落に〝直進〟する恐れがあり、現に 今回の台風19号においては越水により 堤防の北側の集落の多くが冠水被害を受けることになってしまいました。
そして そのうえで再認識されたのが、この地点が 長野エリアの千曲川最上流における〝最大の危険箇所〟ということであります。
今回の台風19号では 不幸にして穂保の堤防が決壊、甚大な被害が及んでしまいましたが、ときがときなら、この塩崎ポイントが決壊したことも大いに想像でき、もし そのようなことになれば、千曲川の全ての河川水が〝直進〟して 塩崎エリアのみならず、篠ノ井全域から川中島エリアまでも 水に呑み込む可能性があったことは大いに想像できます。
その〝最悪の結果〟を防ぐためには、今後、国が進めようとしている「長野市穂保の千曲川堤防本復旧工法」を、この塩崎ポイントにも導入し、堤防の強化による被害の最小化を図らなければならないと 強く考えるところです。
未だ 復旧作業が手つかずの現場を確認した後、ムラのまとめ役であるTさん方のチャイムを鳴らし、年明け早々にも 衆議院長野一区選出の篠原 孝代議士を交え「勉強会」を行なうなどして、関係機関に対し強力に働きかけてゆくことで一致しました。
被災のまま、時計がとまったかの災害現場。単なる復旧ではない〝強靱化〟が求められています。
一方で、その やや下流 篠ノ井横田エリア(岡田水門下流)では、かかる「国土強靱化計画」の一環として「河川断面を確保する工事」が緒に就いていました。
これは、河川の本流を掘削することで 河道を明確化し、なし崩し的な越水を予防しようとするもので、流域の状況に応じて 順次着手されているのもです。
工事予定箇所に向け、ダンプの経路(鉄板)が 延々と敷設されています。
この公共工事により、この台風19号で発生した越水被害の再びの発生を抑止することが期待されるところです。
「被災現場」においては、いよいよ歳末を迎える中 様々な〝顔〟を見せ、それぞれに課題を内包しながら推移しています。
そんな中ですがか、誰もが迎える年の瀬、少しでも平穏のうちに過ぎてほしい、そう願うのは 私だけではないハズです。