福島原発の事故の影響か、ツイッターでも風力発電
についてのツイートが増えていように思います。
ただ、かなりの割合でひどい事実誤認が含まれてい
るのが気になります。
今日現在、「風力発電」とググると当ブログが検索
結果の2番目に表示されます。そこでせっかくなの
でよくある誤解について自分なりに簡単に説明して
みましょう。当然のことですが、これから書くのは
ごく個人的な意見です。
【バードストライク】
回転している風車のブレードに鳥が衝突してケガを
したり死んだりすることがあります。
風車に鳥がバッサバッサと次々ぶつかるようなこと
を言う人がいますが、そんなことはありません。
あそらくアメリカのアルタモント辺りで猛禽類が風
車に衝突していることを指摘しているのかもしれま
せんが、古い風車は回転速度が速く、トラスタワー
の場合はそこに営巣する場合もあるようなので、ア
ルタモントは特にバードストライクが多いのかもし
れませんが、これはむしろ珍しい例でしょう。
2001年と古いデータになりますが、アメリカでのバー
ドストライクは1基あたり2.2羽で、ドイツでは0.5
羽です。ちなみにアメリカでのバードストライクで
最も多いのは建て物で続いて車、高圧線、通信タワー
となっていて風車はわずか0.01%です。
そもそも日本で猛禽類がウジャウジャいる場所なん
かありませんし、もしあったとしたらそんな所に風
車は建てられません。
バードストライクを心配する人は、地球温暖化が鳥
類に及ぼす影響について心配する方がよほど現実的
だと思います。
【騒音・低周波音】
風車から大きな風切り音がするのは事実です。ただし、
通常音も低周波音も距離が離れれば減衰するので、風
車と住宅の距離をとることにより騒音・低周波音につ
いての問題は解決できます。
ただ、特に低周波音についてはどの程度住宅から離れ
れば問題が起きないかは専門家の間でも議論が分かれ
ているようです。
実際、風車から500メートル以内に住宅があっても問題
になっていないケースもかなりある一方で当町の民間風
力発電所では風車から800メートル離れた場所でも問題
が生じているようです。
ただ、低周波音を得体のしれない恐ろしいもののように
ことさら騒ぎ立てる人には感心できません。
低周波音は私たちの日常生活で身の回りに普通に存在す
るものです。雨が降っても風が吹いても低周波音は発生
しますし、エアコンの室外機や車、電車、飛行機に乗っ
ても低周波音に取り囲まれることになります。
【環境破壊】
山の木を伐採して風車を建設するのは森林破壊だと言う
人もいるようです。木を切って宅地を造成するのは良く
て風車を建てるのは環境破壊だというのは理解できませ
ん。木を切って何をするのかが問題です。我が国の木材
自給率は一時の20%からは多少改善していますが、それ
でも3割程度です。私たちは外国の木を切り倒し、時に
は山を丸裸にして材木を輸入して使っています。このこ
とは無視して、木を切ったら環境破壊というのでは偽善
と言われても仕方無いのではないでしょうか。
そもそも我が国は国土の2/3が森林でその割合は世界でも
有数です。多少森林を伐採しても日本全体の環境に大きな
影響を与えるとは考えられません。
【風況】
日本はヨーロッパと違って安定して風が吹かないので、風
力発電には向いていないという意見もよく見かけます。
当東伊豆町の町営風力発電所は運転開始以来の通算の設備
利用率は25%です。
日本の94%の国土面積に日本の十数倍の風車が建つ世界第
3位の風力発電大国のドイツでも平均設備利用率が20%を
切る年もあるのですから、日本に風力発電に必要な風が吹
いていないというのは誤りです。
【景観】
風車が景観を損なうという人がいます。こればかりは人そ
れぞれの主観ですから、色々は意見があるのは当然のこと
です。
ただ、例えば100年前、200年前から景観が変わっていない
場所なんてどれだけあるんでしょうか。伊豆も江戸時代は
木炭の材料とするため森林の伐採が進み、はげ山ばかりだ
ったそうです。
私は、風車のある風景は21世紀の新しい風景だと捉えてい
ます。町営の風車が建ったとき我が家の4人の子供たちは
上から9歳、7歳、4歳、0歳でした。この子たちにとっ
ては風車のある風景はごくありふれた日常の風景ですから
違和感を持つはずもありません。これも社会の変化の一端
だと思います。
個人的には夜中でも明るく光っている自動販売機や日本中
の景色を切り裂いている電線や電柱の方が風車よりよほど
景観を壊していると思います。
以上、ツイッターなどで見かける風力発電に対する偏見に
対する私なりの感想です。
についてのツイートが増えていように思います。
ただ、かなりの割合でひどい事実誤認が含まれてい
るのが気になります。
今日現在、「風力発電」とググると当ブログが検索
結果の2番目に表示されます。そこでせっかくなの
でよくある誤解について自分なりに簡単に説明して
みましょう。当然のことですが、これから書くのは
ごく個人的な意見です。
【バードストライク】
回転している風車のブレードに鳥が衝突してケガを
したり死んだりすることがあります。
風車に鳥がバッサバッサと次々ぶつかるようなこと
を言う人がいますが、そんなことはありません。
あそらくアメリカのアルタモント辺りで猛禽類が風
車に衝突していることを指摘しているのかもしれま
せんが、古い風車は回転速度が速く、トラスタワー
の場合はそこに営巣する場合もあるようなので、ア
ルタモントは特にバードストライクが多いのかもし
れませんが、これはむしろ珍しい例でしょう。
2001年と古いデータになりますが、アメリカでのバー
ドストライクは1基あたり2.2羽で、ドイツでは0.5
羽です。ちなみにアメリカでのバードストライクで
最も多いのは建て物で続いて車、高圧線、通信タワー
となっていて風車はわずか0.01%です。
そもそも日本で猛禽類がウジャウジャいる場所なん
かありませんし、もしあったとしたらそんな所に風
車は建てられません。
バードストライクを心配する人は、地球温暖化が鳥
類に及ぼす影響について心配する方がよほど現実的
だと思います。
【騒音・低周波音】
風車から大きな風切り音がするのは事実です。ただし、
通常音も低周波音も距離が離れれば減衰するので、風
車と住宅の距離をとることにより騒音・低周波音につ
いての問題は解決できます。
ただ、特に低周波音についてはどの程度住宅から離れ
れば問題が起きないかは専門家の間でも議論が分かれ
ているようです。
実際、風車から500メートル以内に住宅があっても問題
になっていないケースもかなりある一方で当町の民間風
力発電所では風車から800メートル離れた場所でも問題
が生じているようです。
ただ、低周波音を得体のしれない恐ろしいもののように
ことさら騒ぎ立てる人には感心できません。
低周波音は私たちの日常生活で身の回りに普通に存在す
るものです。雨が降っても風が吹いても低周波音は発生
しますし、エアコンの室外機や車、電車、飛行機に乗っ
ても低周波音に取り囲まれることになります。
【環境破壊】
山の木を伐採して風車を建設するのは森林破壊だと言う
人もいるようです。木を切って宅地を造成するのは良く
て風車を建てるのは環境破壊だというのは理解できませ
ん。木を切って何をするのかが問題です。我が国の木材
自給率は一時の20%からは多少改善していますが、それ
でも3割程度です。私たちは外国の木を切り倒し、時に
は山を丸裸にして材木を輸入して使っています。このこ
とは無視して、木を切ったら環境破壊というのでは偽善
と言われても仕方無いのではないでしょうか。
そもそも我が国は国土の2/3が森林でその割合は世界でも
有数です。多少森林を伐採しても日本全体の環境に大きな
影響を与えるとは考えられません。
【風況】
日本はヨーロッパと違って安定して風が吹かないので、風
力発電には向いていないという意見もよく見かけます。
当東伊豆町の町営風力発電所は運転開始以来の通算の設備
利用率は25%です。
日本の94%の国土面積に日本の十数倍の風車が建つ世界第
3位の風力発電大国のドイツでも平均設備利用率が20%を
切る年もあるのですから、日本に風力発電に必要な風が吹
いていないというのは誤りです。
【景観】
風車が景観を損なうという人がいます。こればかりは人そ
れぞれの主観ですから、色々は意見があるのは当然のこと
です。
ただ、例えば100年前、200年前から景観が変わっていない
場所なんてどれだけあるんでしょうか。伊豆も江戸時代は
木炭の材料とするため森林の伐採が進み、はげ山ばかりだ
ったそうです。
私は、風車のある風景は21世紀の新しい風景だと捉えてい
ます。町営の風車が建ったとき我が家の4人の子供たちは
上から9歳、7歳、4歳、0歳でした。この子たちにとっ
ては風車のある風景はごくありふれた日常の風景ですから
違和感を持つはずもありません。これも社会の変化の一端
だと思います。
個人的には夜中でも明るく光っている自動販売機や日本中
の景色を切り裂いている電線や電柱の方が風車よりよほど
景観を壊していると思います。
以上、ツイッターなどで見かける風力発電に対する偏見に
対する私なりの感想です。
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