平成19年の静岡県内自治体風車の稼動状況です。県地球環境室の集計ですがなぜか暦年でまとめられています。
設備利用率 稼働率 平均風速
掛川市 20.6% 45.6% 5.2m/s ヴェスタス660kw
掛川市 9.7% 46.4% 5.6m/s エネルコン230kw
静岡県 22.0% 52.6% 7.0m/s ヴェスタス1,950kw
静岡県 17.4% 55.4% 5.8m/s 三菱300kw
静岡市 12.5% 56.5% 4.9m/s リパワー1,500kw
磐田市 10.1% 39.4% 5.7m/s ノルデクス1,900kw
御前崎市 17.1% 40.2% 5.6m/s ヴェスタス660kw
東伊豆町1 19.9% 62.4% 5.8m/s 三菱600kw
東伊豆町2 25.1% 67.7% 6.0m/s 三菱600kw
東伊豆町3 23.7% 60.3% 6.1m/s 三菱600kw
○掛川エネルコンは7~10月は停止していたようです。
○静岡県ヴェスタス1,950kwは7~9月の大部分停止していたようです。平均年間風速7m/sですからもったいないところです。
○静岡県三菱は5・6月すべてと7月の大部分停止していたようです。
○静岡市リパワーは1年を通じて運転していたようですが、平均風速が4.9m/sですからこんなもんでしょう。
○磐田市ノルデクスは稼ぎ時の1~3月にほとんど停止していたようです。平均風速は2月が7.3m/s、3月が8.6m/sですからもったいないですね。しかし、1,900kw風車を建設して設備利用率10.1%なんて年があると辛いところです。
○御前崎市ヴェスタスは3月、4月、6月はほとんど停止しています。この風車は建設後、発電機に不具合があり交換した経過があります。
○東伊豆町三菱は運転開始4年間で最悪の年でした。9月の落雷とブレード改良工事で設備利用可能率が極端に低下しました。それでも、他自治体の風車と比べるとマシなようです。
ヴェスタス、ノルデクスともに長期間停止しています。残念ながら原因がわかりませんが、メンテナンス体制が気になります。リパワーは鳥取県北栄町の例を見ても明電舎の対応が良さそうです。静岡市の風車も今年度は落雷でブレードが破損しましたが、意外に早く復旧したように思います。
いずれにしても19年の県内自治体風車はかなり苦戦したという印象です。
それぞれの故障の内容を知ることができれば、各自治体とも参考になると思います。国内の風車は故障についての情報共有がまったくできていない状況なのは残念です。ノウハウの少ない自治体風車にとっては特に情報が不足しています。
この他県内には浜名湖カントリーに1,000kw、牧乃原市に1,500kwの民間風車が建っています。この後、どんどん増える予定ですが、民間風車も県で稼動状況を把握していっしょに公開してもらいたいものです。
全般的に低い(静岡県だけでなく)とは聞いていましたが、ちょっとびっくりです。
これ、建設計画時の想定設備利用率と比べてみたら、すごいことになりそうですね。
一部を除きせっかく良い風が吹くところに建てているのですから、これじゃあ、もったいないお化けがでてきますよ!!
ああ、でもこの低い数字、実は自治体さんだけじゃないんですよね。3セクはもとより、プロの風力事業者さんとかでも、かなり低い数値を叩いていて、びっくりすることがあります
冗談抜きに、格安で譲っていただければ、もう少し回しますよ、これ。
先日も、死ぬほど風況の良い場所の風車が、たったの設備利用率31%しか出ていない(本来なら40%でて良い場所)のにびっくりした(もったいなさすぎ!)という案件がありました
毎年、北海道経済産業局がとりまとめている、道内風車の平均設備利用率は22~23%ですから全国を集計したら相当ひどいことになっているのではないでしょうか。
それにしてもいつまでたっても情報開示は進みませんね。
自治体さんの場合は、まあメンツの問題かな。あまりにも計画とかけ離れているのは、役場内にも対外的にも良くないから・・・という感じ。
民間さんは、公開して回っていないのが白日の下に晒されると、きっと、次からファイナンスして貰えないからなんじゃないかな?
風車のビジネスは、風車を予定通り回せば、完璧にリスクのない収益モデルなんですが、故障で何ヶ月も止めたり、修理費が嵩めば、爆発的に収益構造が悪化する、実はとても楽のように見えてますが、無茶苦茶難しい(真のプロしか成功できない)ビジネスモデルだと思います。
真剣にやっていれば、大風が吹いても無風が続いても眠れません。そういうものです。そして回っても回らなくても結果を公開しようと思うはずです。