リタイヤ親父の暇つぶし

ぼけ防止に日常のこと、趣味の燻製、スキーを書いています

ベーコンの湯煎のシュミレーション

2015年05月28日 | 燻製
ベーコンづくりは燻製後は内部まで殺菌温度まで達していないので、後作業として湯煎を行っています。
湯煎の温度と時間については詳しい情報が得られません。経験的に70~75℃、時間は1~3時間程度のようです。
前回湯煎の時には水温を68℃にしてベーコンとロースハムの内部温度を測定しました。結果は殺菌の目標温度63℃×30分はクリヤしていることが分かりました。湯煎を開始する前の肉温度は、燻製直後と冷蔵庫に置いてからでは50℃近く差があります。湯煎開始時の肉温度が変われば湯煎条件をどのようにすればいいのかデータがなく試行錯誤が必要となります。湯煎のやり過ぎは肉が固くなります。殺菌に必要な温度を確保し、表面の温度も上がりすぎないようにすれば柔らかいハムとかベーコンが出来るはずです。
簡単な熱伝導のシュミレーションをエクセル上でマクロのプログラムを作りシュミレーションを試みました。
1次元の厚みをもった無限平板で差分方程式を解くプログラムを作りました。
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1次元の場合
⊿t=(h^2)/4a
a=λ/(cρ)
c=0.8365 cal/g・deg 比熱
ρ=1g/cm^3 比重
λ=0.0015312cal/cm・s・deg 熱伝導率
メッシュ間隔を2mm=0.2cmとすると

⊿t=0.2^2/(4*λ/(cρ))

湯煎の加熱速度は水の熱伝達率hc=100kcal/(m^2*h*K)から
加熱速度 q = 0.00278 * (水温度- 肉表面温度)
温度上昇  q・s・⊿t/(v・c・ρ)  vは体積(1*h*h) sは表面積(1*h)
0.04175* (水温度- 肉表面温度)
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計算結果は実際の結果と違いが見られました。実際の結果に合わすため①実際は温度上昇するまでタイムラグがありシュミレーションでは4分後から計算開始した。②肉の火の通り加減で熱伝導率や比熱に温度依存性がありそうだがこんなデータは無いので、⊿tに温度で変化する係数を試行錯誤で決めた。
ベーコンを湯煎したときの実測値とシュミレーションの結果を比較したもので、計算値と実測値をよく合わせることができた。シュミレーション時の肉厚は40mmで中心部20mmの温度を計算した。これで湯煎条件を変えたときにどうなるかを推定出来ると思う。
普通は湯煎は一定の温度で実施するが、2段階の温度設定で湯煎すれば内部まで殺菌もできてしかもタンパク質がかたくならないような条件が得られのではないかと思い、シュミレーションしてみた。湯煎前の温度を①冷蔵庫で冷やした5℃②室温状態の20℃③燻製直後で50℃の3条件で最適と思われる2段階温度条件を検討した。推薦条件は
1)湯煎前5℃

72℃で70分その後65℃にして40分合計110分
2)湯煎前20℃

72℃で60分その後65℃にして40分合計100分
3)湯煎前50℃

70℃で40分その後65℃にして40分合計80分

もしくは65℃のまま110分
今後の予定
1ケ月後にベーコンを4枚燻製するので3種類の条件で仕上がり状態を確認してみる。
ロースハムは直径が80mm程度の肉を入手して、湯煎時の内部温度を測定し、その後シュミレーション条件を探してみる。
あとがき
10年ぶりぐらいで計算プログラムを作ってみました。熱中できて頭の体操にはもってこいです。
誰かベーコン作る人がいたら検証して結果をコメント下さい。
あとがき
NHKのためしてがってんに次の内容が出ていました。
トンだ勘違い!? 加熱伝説の真相
一般に「豚肉には寄生虫がいるから中までしっかりと焼く必要がある」といわれています。しかし専門家は「日本に流通している豚肉に寄生虫はいない」といいます。
実は、アメリカで豚肉に「トリヒナ」という寄生中症が発生し、1930年代以降、公衆衛生局などにより、『豚肉は灰色になるまでしっかり火を通しましょう』という教育活動が徹底して行われました。しかし、国立感染症研究所によると、日本の場合は、出荷前に厳しい検査を行っており、寄生虫がいる豚肉は全て廃棄されているため心配する必要はないとのことでした。また、輸入品もそれと同等の検査を行ったものしか輸入していません。
注意:寄生虫はいなくても、食中毒対策などのため、必ず加熱は必要です。特に表面はしっかり加熱してください。
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昔は豚肉は良く焼いて食べなさいと言われていましたが、現在の日本の肉ではそんなこ必要はないようです。この記事を見て表面はよく殺菌出来るように温度は少し高めに、中心は殺菌できる下限温度を狙うのがよいと思いました。やはり2段加熱で1段目は表面殺菌を強め2段目で中まで殺菌させる方法がよいと思います。