宮沢りえちゃんの「人形の家」よかったです。
ネタバレあります。よろしくね。
シス・カンパニー公演「人形の家」
作:ヘンリック・イプセン
演出:デヴィッド・ルヴォー
英語版:フランク・マルギネス
翻訳:徐賀世子
美術:磯沼陽子
照明:小川幾雄
出演:宮沢りえ、堤真一、山崎一、千葉哲也、神野三鈴ほか
Bunkamura シアターコクーン 9月18日ソワレ観劇
あらすじ
銀行の頭取になる弁護士ヘンメル(堤)は、妻ノラ(宮沢)と3人の子と幸せに暮らしていた。
しかし、ノラには夫に秘密の借金があった。
今回舞台は、四方が客席に囲まれている。
舞台の位置がいつもの前方座席のところ。
開演までの間、四方が白い幕で隠された四角形の舞台では、
ノラの子どもたち3人がボール遊び。
そして芝居が始まると白い幕が落とされる、おしゃれな演出。
赤い色のクッションがあちこちに置かれている。
大小さまざまな大きさがあり、
布製のあたたかさが、舞台にいい雰囲気をもたらす。
真四角の舞台は時々回転する。
パンフにルヴォーさんが
「コクーンをボクシングのリングのように見たて、
男女間の白熱した真剣勝負を展開する」と書いている。
へぇ~
ノラが回転する舞台に登場。
この回転する舞台が、これからの波乱の人生を予感させ、
彼女の姿を追っているだけで、ある種の不安感が感じられる。
りえちゃん、序盤は小鳥のような、愛らしさ。
ヘンメルも「ひばり」とよんでいたけど、ホントにかわいい・・
りえちゃんの若い頃、こんなんだったねとちょっと嬉しかった。
なんかね、若い時から知ってるから、ご近所の人みたいな気分ね。
その後は夫の真の姿を知り、変化していくノラ。
最終幕の成長して、家をでる姿をくっきり演じわけてます。
ノラがタランチュラを踊る場面が最高でした。
秘密が暴露されるかもしれないという危機感。
ノラの不安感は高まり、音楽も最高潮に。
汗を光らせながら踊るノラ、顔には苦痛の表情・・でもキレイ。
息を呑む、キレイさ妖艶さでした。
できればその後に着る赤いドレスで踊って欲しかったな。
タランチュラのシーンはブーツを履いてたけど、
その前後の場面では素足。
生足っていうキタナイ表現ではなくて、素足ね。それが、白くてきれい。
「ロープ」の時もラストで赤ん坊を託す場面、素足がきれい。っての思い出しました。
かかとがちょっと赤くなってて、きれいで色っぽくて・・・
足にもお化粧してるんでしょうか。
その素足、爪先立ちで堤さんとキスするのが、ドラマみたいで・・・
ちょっとドキドキでした。
いや芝居だからドラマなんだけどね。
今回かなり前方席だったので、ホントによかった。
遠慮なくガン見してしまいました。
はは・・・
堤さんのヘンメルは、あれでいいんでしょうか。
カッコいいけど・・・
あれじゃ、りえちゃんの引き立て役すぎない?
原作は、もっと厳しいイメージだったけど・・・
どうも「写楽考」といい、私の観る堤さんはイマイチ男すぎるような。
ヘンメルの現代なら腹が立つような、
女の人権を認めない、まさに人形扱いの台詞も、
それほどイラッとしないのは、堤さんの人徳のおかげでしょうか。
だったら、オッケーですけど・・・
山崎一さんの金貸しのクロクスタも、力強くて性格がクリアーで、
いままでの山崎さんの中で一番よかったなぁ。
ノラの友だち役の神野三鈴さん、はじめてだけど、
とってもよかった。
ルヴォーさんの演出のせいか、はっきりした力強い方が多いのね。
それから、どこかで見覚えのある方だなと思ってた
ランク先生の千葉哲也さん。
テレビ古畑任三郎「今・甦る死」の堀部大吉さんだった。
藤原竜也くんの音弥くんのお兄さんね。
舞台では骨太で個性的でステキな方でした。
声もステキだった~
カテコの私服風の白いパンツ姿のりえちゃん、輝いてました。
若い。
ノラが抜けて、なんかねキラキラしてました。
時々笑顔で、堤さんとも目で笑いあって。
通路から去っていく時も、最後に客席にお辞儀して。
芝居が重かっただけに、ちょっと救われました。
皆さまお疲れさまでした
「人形の家」オススメで~す