ふわふわ気分で

舞台、シネマ、藤原竜也くん、長谷川博己くん、成河くんのことなど気ままに・・・

「奇ッ怪 其の弐」おもしろかった~

2011-09-02 | 演劇
不思議大好きなわたしにびったりの舞台でした。
それに観終わってから、切なさも・・・
ネタバレありです。お気をつけてね。

現代能楽集Ⅵ「奇ッ怪 其の弐」

作・演出:前川知大
美術:堀尾幸男
照明:原田保
出演:仲村トオル、池田成志、小松和重、山内圭哉、内田慈、浜田信也ほか
世田谷パブリックシアター 8月29日ソワレ観劇

客席には小池栄子さん発見。
佐々木蔵之介さんやケラさんもいらしたらしいけど、わかりませんでした。

それにドッキリなことに、舞台に感激して後でパンフ買ったら、
長谷川博己さんの写真入り。
出演された「AOI/KOMACHI」は、「奇ッ怪」と同じ現代能楽集シリーズでした。

2003年初演と2007年再演の両方の写真。
どちらも横顔ですけど、ちょっとうれしい。


災害により廃墟となった村。
神主の息子の矢口(山内)が神社にやってくると、
そこに住みつく山田(仲村)や村の再開発を計画する2人の男(池田、小松)が・・・

能舞台を思わせる神社は、シンプルで骨太。
舞台に四角い穴が開いていたり、奥行きのあるセットにも穴が開いている。
そこから白い面をつけた亡霊らしき人たちが、出入りしたりするのがおもしろかった。
気味悪い感じはぜんぜんなし。

山田が語る物語は、死んだ子の臓器移植の先を探し求める母や、自殺未遂の男の話など。
最後の神社で村祭りの準備をする話がナイスでした。

祭を前にした高揚感の中で進むあれこれの準備。
村に帰ってきた新婚夫婦をとりまく、たわいのない会話など。
村祭とか経験ないけど、なんか自分の中の記憶を取りだしてるみたいな気分に・・・
ちょっと、うるっときました。

設定は硫化ガスの災害だけど、明らかに東日本大震災を受けたもの。
矢口以外の全員が姿を消してしまうラストが、痛かったです。

今まで祭の準備をしていた人たちが、突然いなくなってしまう。
視覚に訴えてくるものの力に胸をしめつけられ、涙がでました。

でも前川さんの舞台は、ギチギチにシリアスではないのがいいです。
笑いもいっぱいありました。

初めの方は臓器移植の重い話に客席も重い感じだったけど、
途中からは笑えるネタもあって、客席も和んできました。
それに反応して役者さんたちもノリが良くなってきた感じが・・・
こういう観客と出演者が一体になって盛り上がる舞台、いいですねぇ~
素晴らしい舞台だ。
笑いながら、心の中でガッツポーズをとってる私。
あれ?関係者になってるじゃん。
はは・・・

ケッサクだったのが、再開発の男2人が何度も繰り返す台詞と所作。
山田と会話をして上手に去ったと思ったら、すぐに奥の方から出てきてまた山田と。
そのやりとりが、今さっきのと全く同じ。

大笑いでした。
亡霊とかは物忘れがひどいのか・・・
前川さん、センスありますね。
亡霊や生魂が出てきても、湿っぽくなくてドライなのがイイです。

仲村トオルさんが「黴菌」と同じようなキャラで、あの時よりも自然で大らかな感じ。
彼の明るいキャラも、大成功の一因だと思います。

「奇ッ怪」東京は終わりましたが、 

新潟  9月6日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
北九州 9月10日 北九州芸術劇場
兵庫  9月17日、18日 兵庫県立芸術文化センター

ゼヒゼヒ、オススメです