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「トップ・ガールズ」ナイスな女性たち

2011-04-22 | 演劇
「トップ・ガールズ」
作:キャリル・チャーチル
翻訳:徐賀世子
演出:鈴木裕美
美術:松井るみ
出演:寺島しのぶ、麻実れい、小泉今日子、渡辺えり、鈴木杏、池谷のぶえ、神野三鈴
Bunkamura シアターコクーン 4月16日ソワレ観劇

ロンドンのキャリアガール、マーリーンは重要ポストに昇進した。
お祝いのパーティには、世界のトップガールが集まるが、
現実は同性同僚の冷たい視線やポスト争いに負けた男性の妻が現れたり・・・

出演者の皆さん、実力派揃い。
オール大人の女性って感じでした。

寺島さんのマーリーンがキレイで色っぽく、すごくカッコよかった。
成功する人のアクも無くて、これって寺島さんの資質なのかな。

麻実さんも負けずにナイスでした。
同僚の妻、マーリーンの姉、イザベル・バードの3役。
コミカルな妻がおもしろかった。
貞淑な妻でありながら、頑固ってのが、よくわかって。
こういう人いるよなぁ~でした。
怒りながらヒップを振って帰ってゆく後姿が、
おかしくもあり哀れでもあり・・・
でも笑えました。

マーリーンと姉との終幕が、最高によかったです。
マーリーンは故郷に何年も帰ってないけど、事情があってのこと。
彼女のほろ苦い気持ちも伝わってきました。

話をしてるうちにふたりの確執や辛さがむき出しに。
どちらか一方に味方するんではなく、両方に感情移入できる感じ。
このガッツリ勝負がよかったです。
もっとふたりの話だけで物語を演じてほしい、って感じもするけど、
この舞台はこのシーンから、最初のパーティにループするみたいなのね。

すごーく頑張っていっぱい無理して、身内のことも辛いけど不義理して、目をつむって、
やっと仕事で認められて、昇進。

でも昇進パーティを誰も開いてくれるわけでなく、
マリーンの想像だけ。
日本の会社ならお義理でも開いてくれますよ。

くやしい思いが、ちょっと長いパーティシーンに現れたんでしょうか。
華やかだったけど、登場人物が日本人に馴染みのない人ばかり。

19世紀の旅行家のイザベル・バード。
鎌倉時代、後深草院につかえた女房二条(小泉)。
ブリューゲルの描いたフリート(渡辺)。
9世紀男装していた法王ヨハンナ(神野)。
ボッカチオの「デカメロン」に登場する従順で貞淑な妻グリゼルダ(鈴木)。

日本人好みなら、クレオパトラと楊貴妃ね。
それは美人で有名な人で、
成功したトップ・ガールズとは違うのかな。

最初のシーンの自慢話から辛い話に変わっていく、ガールズ・トーク。
それぞれが思いのたけをエネルギッシュにぶちまけるけど、
ハッピーエンドで終わることなく、
それぞれがほろ苦いエピソード。

この舞台、経験豊富な大人の女性ほど、感じるところも多いのかも・・・
人によっておもしろみも違いそうです。
コクーンで24日まで。