余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

破片

2021-06-29 23:51:59 | 写真の扉の詩
心の中に残っている
たった一つの光は
泪という湿り気で
生命の灯火をかろうじて
立たせている
存在という呪縛は
横たわる


掟の水面と時の源
外れた道は
奇妙な美しさを見せる
マヤカシの甘美の手つきで


もう一度あなたと共にしたい
窮地な夜明けは心を裸にする
一途な墜落
閉じた悲しみは
潜めて壁に貼りつく


丸まっていく裸体
鎮まらぬ疼き
暴走しそうになる逆様の針
飛び出てきた世界は
僕とあなたを残して
あとは街の名残りが
色褪せるだけ



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