余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

2021-06-03 23:29:32 | 十五の詩
いにしえの景色
辿ってきた道を振り返れば
古人が残してきた
匂いや影が見えてくる
あいくるしく
朝焼け 夕焼け 月夜 夜更け
つくられた伝記や営みは
今も残像となって重なり
時空を越え 大地を育む
現世があり
そして未来がある
だが決して忘れずにある
僕らが歩んできた古き望郷を
その場所の匂いを
目を閉じれば浮かぶ
イメージの断片
魂のゆらめき
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瞬間

2021-06-03 23:28:47 | 十五の詩
瞬間の中で生き
可憐に奏でる時の流れ
出会い
別れ
その瞬間を生きている
記憶は瞬間を積み重ね
孤独は常に青空を見る
現れて
消えて
過去、現在、未来へとつながる
つながりは手をあたため
夢を見る
僕はまた瞬間に出会い
そして瞬間に記憶する
切なく燃える時間を
いとしくなで
次の瞬間へと
いとしくなでていく
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衝突

2021-06-03 23:27:57 | 十五の詩
解体と再生を繰り返し
何度も幾度も手を加え
何時間と
何日と
じっとひざを抱え見つめ続ける
襲ってくる想像主は
残酷な不味さを舌に残し
ズタズタに爪が汚れてる
座り続ける尻と膝は軋み
北風がきこえてる
動植物が冬眠する
長い季節のはじまりは
僕も固まりくくられる
くくられながら手を加える
未完ではいけない
完成された美を求め
焦燥と視覚が鈍くうつむく
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英雄

2021-06-03 23:25:48 | 十五の詩
荒れ惑う中から
周りをものともせずに立ち
見据える眼は
瞬きを見ることはない
誕生の瞬間
突如として現れるが
瞬間に現れるわけではない
取り込みながら
自身の広がりを結びつける
時空の物々しさ
神髄を探し
傷は全うして憐れむ
清潔さは瞳に宿り
手の平で愛憎を
足先で自由をふみ
隠れてナミダを飲み込む
ヒーロー
憤怒を後ろに携えて
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図らずも

2021-06-03 22:36:07 | ウイルス時代(短歌)
図らずも
力が入らず
舌の根も
足よ動けよ
途方もなく
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