粛々と
おもいをことばにうたって
元気とタッチ
お返ししあう
声麗らかに悩みを誘う
指ひとなでに誓う
痛みと優しさの刺とげは
まねっこをする
私に入るの?
私の思い出には入れない
私の想いにはさわれない
私に入るの?
壊れるのはどっちなの
私の目にうつるのはあなたの目
あなたの目には
私のみ
泣いているのは私なの?
それともあなたなの?
風が強くふきつけるなか
倒れそうになるのをこらえて
泣いている
泣いているんだ、地球
心が渇く
誰のせい?
あなたのせい?
私のせい?
泣いているせい?
泣いているんだ、地球
「なかなか暮れない夏の夕暮れ」
江國香織 著
久しぶりに江國香織作品を読んだ。
どっぷりと浸かった。
50歳の資産家のそして本好きの稔。
時が過ぎていくなかで、
稔が読んでいる本のストーリーももちろん進み、
その内容がはさまれている。
本からはなれる時、のすこしの違和感。
ふわふわした感じの不思議な感覚。
友人の大竹や姉の雀、娘の波十、
渚、さやか、チカ、淳子、由麻、茜、
いとしいそれぞれの女性たち。
寝て起きて歩いて恋をして会いにそばに。
読書がしおりにはさまれる。
物語にまた恋をした夏が過ぎていく。。