栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

辞任なしで済まされるか日銀総裁

2006-06-21 01:02:34 | 視点
 村上ファンド事件の報道を見ていて改めて感じることは、「人は変わる」「理念を維持することは難しい」「金を前にすると皆変わる」ということだ。
 たしかに村上世彰氏も当時の通産省を辞めてファンドを立ち上げた時は崇高な理念を持っていたに違いない。

 しかし、ファンドの取扱額が飛躍的に増え、その上利回りも期待され出すと、当初の株主価値を高めるという理想とは別に儲けを優先してくる。
「金は魔物」とは昔から言われることだが、村上氏にしろ堀江氏にしろ、金を前にすると人が変わり、金の魔力に負け、魂を売り渡していったに違いない。

 ところで、福井日銀総裁の村上ファンドへの投資問題だが、結論から言えば辞めるべきだろう。
どんなに日銀の内規(職務上知り得た秘密での利殖行為を禁じ、在職中に株式などを取得・売却した場合には報告する義務があるetc)に抵触していないと言っても、国の金融政策を左右するトップの人間が一ファンドに投資していたこと事態が問題だ。
しかも、利益が1,000万円以上出ているというではないか。

 「出た利益は個人的に使うつもりはない」と言おうと、それは後付理論で、問題が発覚したから弁解しているに過ぎない感は否めない。
「李下で冠を正すな」という叱責程度で済まされる問題ではないだろう。
シンドラー社製エレベーターの問題の時もそうだが、問題が発覚しなければ頬被りを続ける、発覚したから問題を小出しにするという態度が見える。
 福井総裁もそうだ。最初は村上ファンドの問題だけだったが、後から他の株も持っているということを言い出した。
本当に今言われているだけなのかどうか。



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