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栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

歴史はらせん型に進む--日本的雇用を見直す動きが出てきた

2009-01-01 11:56:24 | 視点
 この10年、日本はアメリカ経済(新自由主義経済)を見習い、雇用の流動化を大胆に進めてきた。
今回の「ハケン切り」に象徴される動きはその結果である。
 ところが、こうした身勝手ともいえる大企業の動きに反するように地方自治体や中小企業の中に雇用確保の動きが広がっている。
 中には不況ビジネスのようなものもあるが、そうしたものは一部で大半は農村型共同体の論理に基づく連帯。

 いつもは動きが鈍い行政だが、今回、地方自治体の対応は感心するほど速かった。臨時職員募集、住居の提供など、知恵を絞って、今すぐ出来るところから始めている。まさに被災地住民に対する支援の動きと同じ動きがここでも発揮された。これは日本のこれから先に対して明るい光のようなものを示している。

 このほかにもタクシー会社、販売店などあらゆるところが支援の手を差し伸べたし、年末の炊き出し、住居の手当も各地で行われている。
必要なのは当座の住まいである。いつ支給されるか分からない政府の給付金より、今日、明日の住まいと食事である。

 こうした動きの中でも注目したいのは、大分県で始まった離職者の農場への受け入れである。雇用の受け皿と産業の再興という両面から大いに評価できるが、今一つ他の地域に拡大しないのが不思議だ。

 恐らく今後、ワークシェアリングという動きも出てくると思うが、アメリカの新自由主義経済追随から脱し、かつての日本的雇用を見直すような動きが出てきたのは、暗い中にも一筋の光明ではないだろうか。

 歴史は一本筋に進むのではない。
それはある時には過去に逆戻りしているように見えることもあるが、らせん型に進んでいるのである。
 ここ10数年、ジコチュウと呼ばれる自分勝手な日本人が増殖してきたが、この不況がきっかけとはいえ、連帯、協力、助け合いという動きが出てきたのは未来の明るい兆しではないだろうか。

 どんなに暗い夜でも、朝が来ない夜はない--。
病気の「気」も景気の「気」も同じ。
「気」の持ちようで悪くもなればよくもなる。

 個人的には極々ささやかながらここ7、8年続けているユニセフへの寄付を今年もしました。
そしてこれまた極々ささやかながら故郷で母と二人でつましく静かに新年を迎えました。
なにもないけど、なにもないことに感謝しながら・・・。

新しい年が皆さんにとってよい年でありますように。





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