栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

革命は遠くなりにけり。

2005-06-25 10:01:18 | 雑感
  香港の夜はスリルに満ちて、とてもエキサイティングである。男性向けの小物や電気製品などを売る通称「男人街」(テンプルストリート)や、女性用の派手な下着を売る女人街、人相、手相、トランプ、はては鳥による占いなど、ありとあらゆる占い師達が集まっている場所などがあり、それらを眺めながら歩くだけでも充分楽しい。
 買いたい商品があっても絶対1カ所で買わないことだ。必ず他の店も見て歩き、値段交渉をして買うと結構安く買える。しかし、この値段交渉が楽しくもあるが、日本人には意外に難しい。というのは日本人には値引き交渉をする習慣があまりないから、少し負けてくれただけでも喜んで買ってしまうからだ。
 夜店で買えないものはないという程いろんな物が売られているし、紛い物も数多いから電気製品等はよく注意しなければならないが、骨董品などの中には掘り出し物もあるから、そういうのを見つけた時は無上の喜びかもしれない。それよりなにより暑い夜の一時を楽しく過ごせたことの方が買った商品の価値を云々すること以上に価値があるだろう。
 そんな夜店で面白い物を発見した。毛沢東グッズだ。一番上の写真は文化大革命中の毛沢東をあしらった目覚まし時計や腕時計。毛語録に至っては中国語版だけでなく英語版、日本語版のものもあった。
 最近は香港に限らず中国本土でも毛沢東グッズが飛ぶように売れているらしい。中国全土を巻き込んだ文化大革命が終わって30年近く。文革を知らない世代、当時、文革の意味すらよく理解していなかった世代がいまの中国で台頭している。彼らにとってはもう文革は過去の歴史的遺産であり、恐らく「革命」という言葉もすでに歴史の中でしか知り得ない言葉になっているのかもしれない。
 真ん中の写真にはチェ・ゲバラ(髭を生やしている人物。カストロと一緒にキューバ革命を指導した英雄。その後ボリビアで戦死)の顔をあしらったTシャツまで売られていた。毛沢東とゲバラ。両者が並べて売られているという状況に、中国人にとってもすでに「革命は遠くになりにけり」という感を強くした。

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