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栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

また続く民主党の思い付き発言、財務官僚に取り込まれた菅首相

2010-07-02 22:07:18 | 視点
 民主党出身の首相は思い付き発言が好きならしい。
鳩山前首相は普天間基地問題の5月決着を自ら発言し、その言葉に自縄自縛し、最後は自爆した。

 今度は大丈夫だろうと思っていたら、今度は菅首相だ。
消費税10%をいつの間にか「公約」にした。
最近はトーンをダウンさせ、「消費税論議を始めるまで」が「公約」と言い換えてはいるが、いずれにしろ思い付き発言なのは否めない。

 こんな重要な政策は党内、閣内でしっかり議論し、煮詰めてから発言すべきだ。
第一その前に、先の衆院選で約束した「ムダを削る」ことをすべきだろう。
そういう点ではみんなの党が批判していることは正しい。
ただ、みんなの党も「天下り廃止」などの戦術的なことばかりの主張で、国家戦略論がない。第一、「アジェンダ」など官僚が好きそうなカタカナ語ばかり使わず、みんなの党を自称するなら国民誰もが分かる日本語を使うべきではないか。

 それはともかく、まず、徹底的にムダの見直しをすべきだ。
国会議員数の削減も行い、その上でなおかつ国家財政が逼迫しているとか、将来破綻しそうだから、というのならまだしも。
一般家庭でも借金が増えれば、まず徹底的に支出を減らす努力をするのは当たり前だ。
その努力をする前に、収入を増やす必要があるからと、国民から借金しようとするようなもので、そんな論理はおかしい。

 しかも、税率がいきなり10%だ。
どんな根拠でこの税率が出て来たのかも明らかにせず、ただ自民党が10%といっていたから、まずは10%でいこう。
あるいは10%なら国民も納得してくれるのではないか、というような安易な発想で「10%」という数字が口を突いて出たなら問題だ。

 鳩山さんがいい加減だったから、菅さんには皆もう少し期待したと思うし、私もそうだった。
しかし、最近の菅さんを見ていると「この人も同じか」と思ってしまう。
「同じ」というのは鳩山前首相同様に言葉に責任を持たない首相ということと、もう1点は財務官僚に取り込まれたということだ。

 不思議なことに過去、財務大臣になった人間は皆財務省の官僚の言いなりになっているのだ。
数字を並べ立て、このままいけば財政破綻などと脅かされると、とたんにビックリし、それは大変だと思ってしまうのだろう。
自らにしっかりした軸がないからだ。
鳩山さん同様、「勉強不足だった」とでもいったのだろうか。