集客できない理由

 宮本武蔵の里で有名な岡山県美作市大原。
そこにツツジ園がオープンしているという新聞記事に釣られ、GWに出かけてガッカリした。
ツツジ園とは名ばかりのツツジで、GW中にもかかわらず来訪者もまばら、というか私の他は1、2組。
たしかにこれでは人を呼べないだろうと納得。

 集客できない理由は何か。
それははっきりしている。
ツツジの数が少なすぎる、敷地が狭すぎるのだ。
なぜ、そうなのか。
それは休耕田を利用して、観光客を集めようとしているからだ。
こうした施設が全国に多すぎる。

 休耕田の利用まではいい。
しかし、人が集まるためには数、スケールと言い換えてもいいが、そうしたものが必要になる。
量が増大すれば質が変化するからだ。
ところが、休耕田を利用するため、一帯にまとまった土地を確保するのが難しい。
要するにすべてが中途半端になる。

 当初の思惑は、休耕田で遊ばしておくのはもったいない。
ここに花でも植えれば人も来るのではないか。
「武蔵の里」としての集客力も落ちているから、それはいい考えかもしれない。
では、実行しよう。
 恐らくそんな発想でスタートしたのだろう。

 いまはツツジの数も少なく、見ても貧弱だが、数年経てばもっと数は増えるかもしれない。
そうすれば壮観な(?)景色にならないとも限らない。
だから現状でとやかくいうのはよくないかもしれない。
事実、兵庫県佐用町には休耕田にヒマワリを植え、その数も年々増えて今では観光名所になった例もあるから、そうならないとも限らない。
しかし、ここにはこれ以上広げる物理的スペースがないように見える。

 まあ、地方の皆さんが知恵を絞り、休耕田を何とかしようという努力を笑うつもりはない。
それより指摘したいのは、全国に休耕田が多すぎる現実である。
背景に国の減反政策があるのも一面の事実だ。
民主党政権による農家の個別補償政策が一部で農業への回帰を促している側面もあるらしい。
だからといって、今後農業従事者が増えるとも思えない。

 休耕田を利用した観光名所づくりも一部で集客に成功しているところはあるが、それが収益にまで結び付いているところはごく希だろう。
結局ボランティア精神で行っているだけで、手入れ等にかかる経費は手出しである。
せめて駐車料金を取ったり、物産販売を積極的に行った方がいい。
ただし、物産販売はどこもかしこも似たようなものばかりで、ここでも知恵を絞る必要がありそうだ。
となると地域のお年寄りのボランティアだけでは難しくなる。
ここはひとつNPOを設立して運営に当たることを考えるぐらいの方がいいだろう。
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