栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

迷走が続くソフトバンクモバイルの料金体系

2007-01-07 08:48:51 | 視点
 昨秋から料金体系をコロコロ変え、迷走を続けるソフトバンクがまたまた新料金プランを発表した。
基本料金が月980円と低く、しかもソフトバンクの加入者同士の通話なら無料になる「ホワイトプラン」で、実施は今月16日から。
ただし無料通話時間帯は午前1時から午後9時まで。それ以外の時間帯や他社の携帯への通話は30秒21円。

 孫社長は「シンプルな制度にした」と言っているが、こうコロコロ変えられたらシンプルどころか、ますます訳が分からなくなる。
それ以上にソフトバンクという会社を信じていいのかどうかさえ疑問だ。

 同社が昨秋以降、頻繁に料金体系を見直しているのも、背景には「番号持ち運び制」の導入で加入者が増えると予想していたのが、逆に加入者の減少が予想を上回って多かったことに慌てているからと思われる。
 一体ソフトバンクは自社の中心的顧客をどこに置いているのだろうか。
その辺りがどうもよく分からない。

 今回の料金体系はウィルコムに倣った部分が多いと思うが、ウィルコム定額プランの場合は同社製だけでなくすべてのPHS間での通話料が無料であり、他社の携帯への通話は30秒13.125円だ。
 ウィルコムの定額料金は2,900円だから、ソフトバンクの980円はたしかに安い。
ただし夜9時以降は30秒21円だから、夜間に長話をする人にとっては無料通話サービス分がないだけ割高になる可能性もある。

 ウィルコムの場合、定額プランの導入が加入者の急増につながったが、ソフトバンクの場合はそうならないだろう。
こうコロコロ料金システムを変えられたら、この会社を信じていいのかどうか分からなくなる。
加入者はウィルコムとauに逃げるのではないだろうか。
そうなれば基本料金を下げた分だけ、今後、同社の経営を圧迫しだす。
その先に待っているものはまたまた何度目かの身売りかもしれない。
それにしてもこの携帯電話会社は過去何度名前を変えただろうか。
ソフトバンクの前はボーダフォン、その前は・・・。
もう最初の社名は思い出すことすらできない。