ここ数日は妙に温かかったのに
一転、凍るような寒さでオジサンは縮みあがった。
とにかく風が冷たい。
清掃工場の煙突の煙が激しくたなびいていく。
仕事が山積みでジョギングなどしている場合ではないけれど
半ばヤケクソで走る。
うーん、つまりは哀しい「現実逃避」である。(笑)
子供が走る。
オジサンも負けずに走る。
近くの幼稚園の園児らしいが元気一杯だ。
この子は先頭なのかビリなのかと思いつつ見ていると・・・
後方集団が一気にやって来た。
賑やかな歓声を上げながら先頭の子を追う。
風に乗って聴こえてくる子供たちの可愛らしい声は気持ちまで微笑ましくなる。
電車で遠足の集団と乗り合わせた時などは災難だが。(笑)
ところで「声」と言えば・・・
磯野家の「波平さん」が亡くなった。
テレビで見る波平さんはいつも明るく元気な頑固親父で
死を予感させる気配など微塵もなかったのに
まさしく突然の訃報だった。
声優の「永井一郎」さんは江戸っ子かと思いきや大阪生まれ。
京都大学を卒業後、舞台俳優を経て声優の世界へ。
昭和44年の「サザエさん」の放送開始以来、波平役をずっと続けて来られた。
あのひょうきんで温もりのあるオヤジ声は
もはや「国民的な声」と言ってもいいぐらいだった。
顔はよく知らないが
その「声」だけは人の心に残り続ける、それが声優だろうか。
なんと素敵な職業だろうかと思ってしまう。
私も人から「顔は悪いが声がいい」と言われたことが何度かある。
ちょっとだけ「声優」を夢見たこともあった。(笑)
そうそう、実際に三ヶ月間だけラジオのパーソナリティーだったこともある。
今は亡き横山ノックさんが担当していたラジオ番組で
彼が突然、大阪府知事選に立候補してしまいスタッフは大混乱になった。
私は構成作家だったが、すぐには他のタレントも見つからず
ノック師匠に「あんたやったらええやん」と言われてリリーフに立った。
プロデューサーも私の意外な「話術の才」に驚き
リスナーの評判も上々だったのだが・・・続投の声はかからなかった。(笑)
声というのは不思議なものである。
亡くなっていつしか顔がおぼろになった後
不意にその人の声だけがが耳元によみがえることがある。
人混みの中を歩いていて、何かの拍子に聴こえた見知らぬ人の声に
思わず振り返ってしまうこともある。
別れて年月が立ち、とっくに忘れた筈の女性の声を
突然、思い出して甘い気分になったりすることも・・・いや、それはない。(笑)
声とはまことに不思議なものである。
波平さんに、合掌!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます