
浜松町駅に着いたら、そばを食べようと思っていた。駅そば(改札外)の「大江戸そば」を覗いたら混んでいてやめた。近所に路麺があったはず。金杉橋口の階段を降りようとしたら、その階段がなくなっていた。あ、そうそう前回ここに来た時、階段を取り壊していたんだっけ。
リニューアルした貿易センタービルのエスカレーターを使って娑婆に出た。芝大門で働いていた頃通った路麺(「蕎麦屋さすらひ」未収録)に行ったら、お店が変わっていて、入りにくくなっている。敢えなくスルー。
さぁ行くところがなくなった。スマホで検索すると、「六文そば」がヒットした。浜松町に「六文そば」があったか? マップを頼りに行ってみると、果たして店はあった。第一京浜沿い。店舗は他の「六文そば」と同様、ボロっちかった。
お店に入ると、店員さんが、開口一番、「もう、かき揚げしかないよ」。
あちゃー。
「六文そば」といえば、「げそ天」だ。秋葉の「六文そば」が閉店する時、2日続けて、「げそ天そば」を食べに行ったっけ。
まぁ、売り切れなら仕方ない。「かき揚げそば」を食べられるだけでもよしとしなければ。
その「かき揚げそば」は420円。黒くて辛めのつゆにちょこんとのった「かき揚げ」。衣自体もうまい。平生、我々はきつね色の天ぷらがよしとされている。だが「六文そば」の天ぷらはやや白い。ここがキーポイントなのだろう。何が練り込まれているのだろう。
そばの引き換えにお金を支払い、いざそばをいただく。
つゆとそばの相性がいい。そして、かき揚げとの絶妙なマリアージュ。
その後もお客さんはひっきりなしに入店してきた。その都度、店員さんは、「かき揚げしかないんだよー」と言った。その度に、お客さんはため息をついた。時刻はまだ13時を過ぎたばかり。この時間にタネがなくなるなんて。
一気にそばもかき揚げも食べてしまい、残ったのはかき揚げの天たま状が浮いたつゆのみ。そのつゆもすする口がもう止まらない。もろもろになった(東海林さだおさん風に)つゆは適度な脂の旨みが出て、本当においしい。
恐るべし「六文そば」。
しかし、何故か、「六文そば」はどこのお店も同じようにボロっちい。まさか、それは演出じゃないよね。
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