元同僚、T根の奥方、Tまこさんから突然「飲みに行きましょう」との連絡。
よほど会社の鬱憤がたまっているとみた。
Tまこさんとは赤羽「神田屋」で飲むことにした。後でT根も来るらしい。
まさか、立ち飲みコーナーで飲む訳にはいかず、座飲みで飲んだ。
タブレットの注文で、自分は「ホッピー」(440円)、Tまこさんは生ビール(385円)をオーダー。
自分が19年勤めた会社は生え抜きの、社長子飼いの社員が優遇された。彼らは結束力もあり、仲良しに見えた。ただ、いつまでもそんな時代は続かない。やがて、その中から社長に従順な者が昇進していく。しかしT根夫妻はそうはならなかった。とりわけ、Tまこさんがショックだったと思われるのが、彼女と仲が良かった同期の子が取締役になったことである。取締役は優遇されるが、平社員の給料は上がらない。はて、どうしたものかという訴えである。
ただ、第三者である自分からしたら、そんなことは想定内だった。むしろ、Tまこさんがそうした予測をしていなかったことに驚く。
そんなこと、分かり切っていたでしょ? と言いたかった。
そういえばT根は、彼より後輩だったA氏がある日、取締役会に呼ばれた日の夜、社内でご乱心だった。相当ショックだったのだろう。
彼らもかわいそうではある。営業などしたことがないから外の世界を見たことがないのだ。
やがて、T根が合流した。
彼はタッチパネルで「酎ハイ」(209円)をオーダー。
すると、間髪入れずに「酎ハイ」が到着。この店の利点は頼んだものがすぐに出てくる点である。そこは徹底されている。
T根はジョッキをつかむと一気に飲み干した。
巨漢のこの男は飲むのがやたらと早い。身長180cm、体重は恐らく100kgを超えている。自分が退職してから、彼の腹はさらに突き出た。大食家で大酒飲み。
血圧が高いようなので早逝しないか心配だ。上のお子さんはまだ高2である。
「病院に行けよ」と言ったがいうことをきかない。偉いのは煙草をやめたこと。Tまこさんは未だに喫っているが。
T根の会社の人でたまに現場で会うH部君という男がいる。彼が言うにはT根は自分と会う日が近づくと、「明日、熊猫さんと飲む」というようなことを社内に吹聴しているらしい。ちょっとした自慢のようだ。会社の経営陣からしたら、苦々しく思っていることだろう。「こいつ、まだ熊猫と付き合ってるのか」と。
T根が来たことでTまこさんの愚痴はひとまず沈静化した。T根はもう諦めかけているようで、もうそんな話しをしたくないという。
自分は「ホッピー」の「中」(220円)を2回お代わり、Tまこさんは「生ビール」を3杯。そしてT根は短時間のうちに「酎ハイ」を6杯飲んだ。
生産的な話しではなく、楽しい酒でもなかった。ただ分かったことは、自分が辞めた後の体制はさらに悪化していることだった。それも十分に予想はついた。
会計は自分がカードで支払った。
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