
「神谷バー」に来ちゃった。
怪鳥と一緒に。
日本最古のバー。
明治13年創業という超老舗。
居酒屋放浪記史上最古の酒場訪問である。
―幼少の記憶―
今でもあるのかなぁ。京成本線の車両に「神谷バー」は広告を出していた。そのモダンなイメージ広告は四半世紀を過ぎた今もおいらの心に焼き付いている。コピーもカッコよかった。確かこんな感じだったと思う。「ゆっくりとした時間が流れている」。
―「デンキブラン」の記憶―
親戚の者が神谷バーの創業家家系の家庭でお手伝いさんをしており、よく「デンキブラン」は我が家にも度々置いてあった。わたしが初めて口にしたのは高校生の時分だったか。余り、おいしいとは思わなかった。
何故、「デンキ」なのか。
「神谷バー」のオフィシャルホームページにはこのように書かれている。
「電気がめずらしい明治の頃、目新しいものというと”電気○○○”などと呼ばれ、舶来のハイカラ品と人々の関心を集めていました」
ちなみにわたしの世代で「デンキ」といえば「グルーブ」だ。
「DG!」
―なぎら健壱氏「東京酒場漂流記」(ちくま文庫)―
「神谷バー」には、事由のわからない客が大勢いた。一体なんの仕事をしているのか、昼間から黙々とデンキブランのグラスを傾けている。
最近、「神谷バー」の景色が変わってしまった理由の一つに、この事由の分からない客が減ってしまったことがある。近頃のお客さんは見ると、大体事由が分かってしまう。
(中略)
今、「神谷バー」も店内を改装して、昔の面影もかなり、薄れ、小奇麗な、上品な店になってしまった。ハチマキ姿の労働者の影も薄れて、パパデンキブラン、ママ生ビール小ジョッキ、ぼくオレンジジュースと言うような、家庭的な感じが強くなり、それと共にデンキブランも、やさしい酒に変わってしまった。
―名建築―
東京新聞に連載された「名建築を訪ねて」の欄に「神谷バー」も登場した。
わたしはてっきりスクラップしていたものと思ってスクラップ帳を繰ったのだが、どうも勘違いしていたようだ。
だが、そこには確かこんなことが書いてあったと記憶している。
「竣工は大正10年」。つまり、戦前はおろか関東大震災の前にこの建物は出来上がっていたことになる。
「モダンなデザイン」。設計者は不明だが、施工は「清水組」(現清水建設)が担当したとのこと。
いい雰囲気だ。
「バー」というより「レストラン」のようである。
観光地化したせいもあるのかもしれない。
しかし、用意されているメニューは居酒屋だ。
「煮込」(510円)、「冷奴」(310円)、「まぐろぬた」(460円)、「まぐろ山かけ」(510円)などなど。
洋風のおつまみも各種用意されているが、圧倒的に和風の居酒屋メニューが多い。
怪鳥は店に入り、まずはレジで食券を買い求めた。
生ビールの大ジョッキ(1,020円)、そして「串かつ」(410円)。
生ビールはもちろんアサヒスーパードライ。
「ここはアサヒのお膝元だからね」と怪鳥。
吾妻橋のうんこはすぐそこだ。
大ジョッキで飲むビールは爽快である。
それにしても「串かつ」が来るのが遅い。
ジョッキのビールはもう半分近くがなくなっているというのに。
と、いらつくおっさん2匹。
そして、待ちに待って出てきたアツアツの「串かつ」は想像以上にうまかった!
浅草1丁目1番1号(志垣太郎さんもここを訪れたことだろう)。
華やかな浅草は「神谷バー」を中心に形成されていったのではないだろうか。
結局、我々は「デンキブラン」を飲まずに「神谷バー」を後にした。
何故ならば、この後ホッピーを飲むためである。
怪鳥と一緒に。
日本最古のバー。
明治13年創業という超老舗。
居酒屋放浪記史上最古の酒場訪問である。
―幼少の記憶―
今でもあるのかなぁ。京成本線の車両に「神谷バー」は広告を出していた。そのモダンなイメージ広告は四半世紀を過ぎた今もおいらの心に焼き付いている。コピーもカッコよかった。確かこんな感じだったと思う。「ゆっくりとした時間が流れている」。
―「デンキブラン」の記憶―
親戚の者が神谷バーの創業家家系の家庭でお手伝いさんをしており、よく「デンキブラン」は我が家にも度々置いてあった。わたしが初めて口にしたのは高校生の時分だったか。余り、おいしいとは思わなかった。
何故、「デンキ」なのか。
「神谷バー」のオフィシャルホームページにはこのように書かれている。
「電気がめずらしい明治の頃、目新しいものというと”電気○○○”などと呼ばれ、舶来のハイカラ品と人々の関心を集めていました」
ちなみにわたしの世代で「デンキ」といえば「グルーブ」だ。
「DG!」
―なぎら健壱氏「東京酒場漂流記」(ちくま文庫)―
「神谷バー」には、事由のわからない客が大勢いた。一体なんの仕事をしているのか、昼間から黙々とデンキブランのグラスを傾けている。
最近、「神谷バー」の景色が変わってしまった理由の一つに、この事由の分からない客が減ってしまったことがある。近頃のお客さんは見ると、大体事由が分かってしまう。
(中略)
今、「神谷バー」も店内を改装して、昔の面影もかなり、薄れ、小奇麗な、上品な店になってしまった。ハチマキ姿の労働者の影も薄れて、パパデンキブラン、ママ生ビール小ジョッキ、ぼくオレンジジュースと言うような、家庭的な感じが強くなり、それと共にデンキブランも、やさしい酒に変わってしまった。
―名建築―
東京新聞に連載された「名建築を訪ねて」の欄に「神谷バー」も登場した。
わたしはてっきりスクラップしていたものと思ってスクラップ帳を繰ったのだが、どうも勘違いしていたようだ。
だが、そこには確かこんなことが書いてあったと記憶している。
「竣工は大正10年」。つまり、戦前はおろか関東大震災の前にこの建物は出来上がっていたことになる。
「モダンなデザイン」。設計者は不明だが、施工は「清水組」(現清水建設)が担当したとのこと。
いい雰囲気だ。
「バー」というより「レストラン」のようである。
観光地化したせいもあるのかもしれない。
しかし、用意されているメニューは居酒屋だ。
「煮込」(510円)、「冷奴」(310円)、「まぐろぬた」(460円)、「まぐろ山かけ」(510円)などなど。
洋風のおつまみも各種用意されているが、圧倒的に和風の居酒屋メニューが多い。
怪鳥は店に入り、まずはレジで食券を買い求めた。
生ビールの大ジョッキ(1,020円)、そして「串かつ」(410円)。
生ビールはもちろんアサヒスーパードライ。
「ここはアサヒのお膝元だからね」と怪鳥。
吾妻橋のうんこはすぐそこだ。
大ジョッキで飲むビールは爽快である。
それにしても「串かつ」が来るのが遅い。
ジョッキのビールはもう半分近くがなくなっているというのに。
と、いらつくおっさん2匹。
そして、待ちに待って出てきたアツアツの「串かつ」は想像以上にうまかった!
浅草1丁目1番1号(志垣太郎さんもここを訪れたことだろう)。
華やかな浅草は「神谷バー」を中心に形成されていったのではないだろうか。
結局、我々は「デンキブラン」を飲まずに「神谷バー」を後にした。
何故ならば、この後ホッピーを飲むためである。
いつも貴ブログを拝見しております。
京成車両の神谷バーの広告ですが、近年見かけております。車両ドアの右側あたり(立ち目線)にあり、グラスに入ったデンキブランとコピーのみのシンプルなデザインで、私としては好みの、しゃれた広告です。
記憶によれば定期的(?)に内容が更新されているようですね。
貴ブログこれからも楽しみにしています。
ご無沙汰しております。
仕事場を引っ越されてから、ほとんどお話しする機会もありませんね。
非常に心痛めているところです。
いつも、拙ブログをご覧いただきありがとうございます。
京成線の広告はまだあるようですね。
少し安心しました。
本文にも記しましたが、「神谷バー」の広告は幼少ながらいつもわたしの目に留まって、今も離れません。
ローカル色が強い(週刊誌の中吊りは除き)広告の中でひと際異彩を放っていたのが「神谷バー」の広告だったと思います。
こうして、20数年が経ち、それでもその広告の印象が頭から離れないというのは、まさに「神谷バー」としてはしてやったりの広告展開でしょう。
人生経験が豊富なY澤さんもこの「神谷バー」で一杯やられたんじゃないでしょうか?
是非、そんなお話しもうかがいたいところです。
周りは老いたる常連ばかりで、はるばる東武電車に乗って上って来る人なんかも多く、
電気ブランをデカンタで持ってこさせて、ビールの大瓶(生に有らず)をチェーサーにして一人で飲んでいるようです。
近頃は3Fの割烹によく行きます、冬はフグちりや刺しで白ワイン、夏は季節のコース料理で(3fは板前が違う様で、1f、2fからは想像できないくらいきちんとした料理を出します)
冷酒やビールを楽しみます。
電気ブランは料理には合わないようで食後酒としていただきます。
さて『この後ホッピーを飲むためである・・・』
とは六区のホッピー通りで生ホッピーの『鈴芳』さん辺りかな?
私はよく『正ちゃん』で牛すじ煮込みを食べて
ホッピーを飲みます(笑)
ティコさんの「神谷バー」の記事は拝読させていただきました。
3Fの割烹で飲んでおられますね。
大人になると(まだわたしは大人ではない)そういう嗜みができるようになるんですね。
>3fは板前が違う様で、1f、2fからは想像できないくらいきちんとした料理を出します
そ、そうなんですか。
フロアによって店がまるで違うみたいですね。
>とは六区のホッピー通りで生ホッピーの『鈴芳』さん辺りかな?
ホッピー通り!ご名答ですが、「鈴芳」さんではありません。
「正ちゃん」も生ホッピーと聞きましたが。
そういえば「神谷酒場」の最後の日、ティコさんは確か行かれたんですよね。
「鈴芳」さんは評判がいいですね。
草野球の酒好き選手もよく行くようです。
怪鳥は最近行かれてますか?
「鈴芳」さん、気になりますね~。
ホッピー通りに連れて行ってもらうだけで、お得意さんも大喜びでしょう!