永い時間が経ったような気がする。なかなかお店に行けないもどかしさ。2か月に渡る自粛生活で、あのお店はどうなっているのか。そんな思いをした。2か月間だった。もちろん、その中には「鳥勝」もあった。マスターとママ、元気でいるだろうか。まさか、閉店を決断してはいないだろうか。そんなつまらない心配をしたりした。
5月の末に我慢出来ずに、「鳥勝」に行ってみると、テイクアウトのみの営業だった。ひとまずは安心した。マスターもママもお元気そうだったし、お店もたたまれていなかった。それよりも何よりも、「鳥勝」が、テイクアウトのみで営業しているところがマスターとママの実直さを感じた。
緊急事態宣言が明けた。きっとお店も再開しただろう。満を持して店に出かけた。果たして常連らは戻ってきているのか。自分の心配などまさに杞憂だった。17時半にお店に到着すると、カウンターは満席。え?月曜日なのに。テーブル席で辛うじて空いていた1席についた。まさか、こんなに混んでいるとは。さすが、「鳥勝」。多くの常連が「鳥勝」の再開を待っていたのだと実感する。
いつも通り、「生野菜サラダ」をダブルで、「ハラミステーキ」と「レモンサワー」を紙に書いてオーダーした。値段設定も従来のまま。ひとまず、安心した。だが、肝心の飲み物が来ない。忙しそうだから、仕方ないのだが、相席で対面する男がくっちゃくっちゃと下品な音をたてながら食べ、時折、「あぁ~、うめえ」と独り言を言うのを見て、どうにも目のやり場に困り、とりあえず飲み物さえくれば、何とかなるのにと思い、黙って待った。7,8分くらい待っても来ないので、振り向いたら、マスターと目が合って、「あぁ、なんて言ったっけね」と言いながら、階段のボトルを探すしぐさをしていたので、あぁ誰かと間違えてるなと思い、「マスター、自分、ボトルないっすよ」と答えると、「え?」という顔になった。きっと、名前が出てこなく、必死で思い出そうとしていて、時間が経ったらしい。そこで、ママが「飲み物なんだっけ?」と尋ね、「レモンサワーです」と答えた後も、5,6分ほど出てこなく、再度振り返ったらママと目が合い、じ~っと自分を見ている。ママももしかすると、自分をその誰かと間違えている伏しがあった。誰だろうね。自分に似ている人って。アパレルの人が「鳥勝」にも現れているのかな。
久しぶりにいただく、「鳥勝」の「生野菜」に、思わず自分も、「あぁ~、うめえ」と叫びたくなった。
しばらくして、出てきた「ハラミステーキ」も「あぁ~、うめえ」だった。昔、職場にY城という男を思い出した。彼は、何か食べると、必ず「うめぇ」を連発したが、最初の「う」の音が小さくて聞き取りにくかった。だから、「めぇ」と聞こえるのである。彼はしばらく山羊と呼ばれるようになった。
あ、そうだ、「コブクロ刺し」をオーダーするの忘れてた。これをいただかないと、真の「あぁ~、うめえ」とはいかない。自分の中で、「コブクロ刺し」は「鳥勝」のハイライトである。
しばらくすると、対面する、「あぁ~、うめえ」男はいなくなった。すると、隣接するテーブルの2人組の会話のボリュームが大きくなった。聞きたくなくても聞こえてきてしまうのである。年配の男と若い男の組み合わせなのだが、年配男はその若者を自分の陣営に入れたいというような情勢である。そのため、年配男がライバル視している陣営のネガティブ情報をぺらぺらと喋っている。あ~、なんかもうこういうの嫌だな。
18時半を過ぎたら、カウンターの常連組が帰っていき、カウンターがすっかり空いてしまった。自分の席は製氷機の隣にあって、ひっきりなしに氷を補充する客がくる。そのときも誰かが氷を取りに来たのだなくらいに思い、何気なしにそっちの方をみると、女性が氷をジョッキに入れている。ぎょっとしたのは、女性がかがんだ拍子に胸の部分があらわになり、ものすごい光景が眼前に現出したから。思わず、この席も悪くないなと思ったりした。女性はすらりとしたモデルの様な人で、奥の若者グループの一員だった。
レモンサワーの中と外をお代わりして、都合4杯。今日もしこたまうまいものをいただいたし、大満足。マスターもママもお元気で、胸のつかえもとれた。では、また次回。
第2波が来なきゃ良いのですがねぇ。
地元密着のお店は客足が戻るのが早いですね。先週、近所をリサーチしましたが、「食べログ」の得点が高くても、若者ばかりのお店は閑古鳥でした。
地域密着。おっと、ここにも新たな密が!
光栄軒もですけど。
でも、どっちも免疫が強そうな顔ぶれでもあるw
免疫力は強いけど、一線を超えたら一気に重症化する。
そんな感じですね。
自ら毒を精製しているって感じもありますし。