
お得意先のPモコムが麻布十番から新橋に引っ越しをした。それに伴い、打ち合わせは新橋の事務所に行くことになった。
かつての事務所があった麻布十番で立ち飲みは僅か一軒しか見つけられなかったが、新橋となれば立ち飲み天国である。しかもPモコムの新事務所は新橋といっても、内幸町の駅を越えていく最深部。すぐそこはもう虎ノ門だ。果たして、どんな店が見つかるだろうか。打ち合わせを終え、外に出ると、ものの数分で立ち飲みを見つけてしまった。さすが新橋。
店の名は「煮込みや シロマル。」。
なるほど、煮込みがウリなのか。それは外す手はない。
店内は奥にカウンター。手前に複数人数が立てるテーブルが4卓ほど。自分はもちろん奥のカウンターにポジショニングした。お店は店主と思われる男性がひとり、そしてオーダーを尋ねる女性がひとり。
まずは、「ホッピー セット白」(450円)と「モツ煮込み」、「ニラ玉」をオーダーする。なお、「煮込み」には、小サイズと中サイズが選べる。ボクは中(390円)をチョイスした。
やがて出てきた「モツ煮込み」は、けっこうなボリュームだった。さすが、煮込みやを標榜するだけのことはある。野菜たっぷり、シロモツもたっぷり見え隠れしている。さて、いただきます!と箸をつつくと、実はそれほどでもない味。スープが薄めなのは、健康に留意してくれているためか。期待が大きすぎたのか、それとも実力が伴っていなかったのか。味は凡庸だ。
店名に「煮込みや」とあるが、「や」が漢字ではない。この「や」とは、もしかして助詞?つまり、煮込みなど、みたいな。この場合、煮込みを前面に出していることに変わりはないが、「煮込み屋」よりもトーンダウンしていることは否めない。やや、自信なさげなのである。
お店の雰囲気が暗いのは、気のせいか。マスターは黙々と仕事をする一方、女性店員はやや怖い印象。店内はピリピリしている。自分の他に、数人のお客さんがいて話し声はあるし、テレビもついていて、店内がシーンとしている訳ではない。けれども、そう感じてしまうのは何故だろう。
焼酎の「ナカ」をお代わりする段にて、少し衝撃が走った。なんと、「ナカ」が350円の設定になっているのだ。先般行った門前仲町の「ニューもつよし」の「ナカ」300円で衝撃を受けたが、なんとそれを上回る金額。これは一気にテンションが下がった。これはきつい。「ナカ」2杯にすると、セットと合わせて1,150円。1杯あたり、約380円。これはちと高い。うむむ。「ナカ」一杯のお代わりで帰るか。
「ニラ玉」は絶妙な味付けで、最後の一杯のお供としては申し分のないつまみだった。
つまみは比較的、安価だが、飲み物が異常に高い。結果的に、それがマイナスの印象になっているのは否めない。それでも飲んでいて楽しかったらいいのだが、ちっとも楽しくなかった。多分、二度目はないと思う。
食べ物なら調整のしようも有りますが。
メインはお酒ですから。