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居酒屋さすらい 1611 - 最後の楽園が消えた - 「パドック ウインズ後楽園 フードコート」(文京区後楽)

2020-03-09 22:55:43 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

過日、水道橋駅近くを通った際、アメリカンドックが食べたくなり、ちょっと行ってみるかと後楽園のWINSにあるフードコートに行ってみることにした。東京ドームホテルが出来ても、なお未だに掃き溜めのような場所が残されており、秘かに自分は最後の楽園と呼んでいた。その楽園が跡形もなくなくなっていた。

急いでスマホで確認したところ、閉店は2018年6月1日。何、令和の時代をまたがることなく閉めてしまったのか。更に急いで、スマホのアルバムを調べると、このフードコートに最後に行ったのが2018年5月25日。閉店する6日前。その時、そんなこと一言も書かれていなかったけど。まさか、急遽決まったことか。しかし、閉店する1週間前に来られたのは不幸中の幸い。もしかすると、虫が知らせたのかもしれない。

競馬は20代後半にきっぱりとやめた。拙ブログでも、もう何度も書いているが、ミレニアムの奇跡、今も語り継がれる無敗の馬、テイエムオベラオーに稼がせてもらい、競馬から脚を洗った。けれど、ギャンブラーが集う酒場やギャンブル場グルメはその後も好きだった。ギャンブラーから愛される店は掛け値なしにうまいし、ギャンブル場の店は駄菓子屋の雰囲気さえ漂わせているから。何故、ギャンブルグルメがうまいか。それは荒くれらが味を研ぎ澄ませたといっても過言ではない。すってんてんになろうとも、大金をせしめても、そのギャンブルグルメは常に彼らを王公のように振る舞わせた。だから、勝っても負けてもギャンブルグルメはうまくなければならない。

5月25日に食べた、「煮込み」。

ギャンブラーらが長い年月をかけて作り上げたものだ。やれ味噌は白がいい、やれ醤油を隠し味に入れろ、やれネギをたっぷりまぶせなどなど。その積み重ねがあったことは想像に難くない。いや、「煮込み」だけではない。このフードコートにあるもの全てがアートテキチャーだ。

冒頭で自分は、「パドックウインズ」を掃き溜めと書いた。いや、これは敬意を表して。後楽園の奥座敷、後楽園ホールと並ぶ水道橋の聖地、いやはやいろんな異名が頭に浮かぶが、この言い方こそ相応しい。

後楽園に残った最後の楽園と。

研ぎ澄ましされた「煮込み」が、あの巨大なアメリカドックがもう食べられないなんて。

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (モノノフ)
2020-03-10 11:41:45
なるほどなるほど、ギャンブラーが店の味を研ぎ澄ます訳ですね、でしたら私が通う隠れ家の真魚さんなんかもおそらくその類いの店と言えますね♪
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Unknown (熊猫)
2020-03-10 13:45:28
モノノフさん。

お客がお店をつくり、お店がお客を作るように、持ちつ持たれつなのかもしれませんね。
ギャンブラーは激しいので、その辺はお店の人は大変なのかなと思います。勝ったときよりも負けた時の方が多いでしょうから。
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