
「石松」を出て、もう一軒。目指すは一番混雑している店、「はなみち」。「石松」は解放的で、すんなりポジショニングできたが、「はなみち」はそうも行かない。システムがよく分からなかった。そこで、通路に立ち止まって、店内をうかがってみると、来店した客は、まず中央の会計に行って、注文をしていることが分かった。
それはいいのだが、肝心のメニューが、店の外からでは分からない。会計であれこれ迷う時間はない。後から後に、客はひっきりなしだからだ。
えぇい、ままよ。
一か八か、ボクも列に並んだ。ボクの順番は3番目だった。この並んでいる間にオーダーを検討しなければならない。しかし、この店も、やたらとメニューが多い。煤けて黄ばんだ短冊メニューが壁一面に貼り出されている。
さぁ、どれにしようか。あぁ、何にしようか。あれこれ、悩んでいるうちに自分の順番が来た。しかも、店の人はとびきりの美人だった。
ボクは、ア~ウ~などと口ごもり、ようやく「酎ハイ」(350円)を告げたのだった。さて、つまみだ。膨大なメニューを前にして、ボクの口をついて出てきた肴は、「まぐろぶつ切」(300円)だった。余程、「石松」での、まぐろに未練があったのかもしれない。
ともあれ、なんとかオーダーすることができたが、次なる心配は立ち飲みのポジショニングだ。店は奥までびっしりと人が連なっている。ボクは「酎ハイ」を片手に店の奥を目指した。なんとか、微かなスペースを見つけ、「すんません」と言って、スペースを開けてもらった。
いや、しかし、立ち飲みに来て、こんなに緊張するのも久しぶり。周囲の客らが、百戦錬磨の強者に見えてくるから、不思議だ。
「酎ハイ」をぐ~っと飲んで、一息ついた。ようやく、周囲を見渡す余裕が出てきた。
メニューは、「石松」と同じように、魚介が豊富。だが、「石松」が刺身に強いのに対して、「はなみち」は、てんぷらやフライといった揚げ物が得意のようだ。
「酎ハイ」は、サッポロの大きめのタンブラーにしっかりと入っていた。これで350円は悪くない。そして、300円で食べられる赤身もいい。
さて、だんだん勢いがついてきた。「酎ハイ」のおかわりに、「あじフライ」(270円)をいってみましょうか。
フライもさくさく。これは見事にうまい。
隣同士になったおじさんに聞くと、このぴおシティの地下に市場があるので、立ち飲みの仕入れがいいらしい。これは本当に素晴らしい。
この立ち飲みの充実ぶり、とりわけこれだけの魚が立ち飲みでいただけるというのは、東京にはない。
横浜に来たら、必ず寄りたいエリアである。
刺身なら、「石松」、揚げ物なら、「はなみち」と使い分けるのが得策かも。
電車の中で立ち飲みしてるみたい。
途中下車してみる価値はありますよ。
そういえば、ひざげりさんの食べログ、最近チェックしてませんでした。
すみません。