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居酒屋さすらい 0779 - 忙しく通過するだけの駅にて - 「サクっと立ち呑み 伊達や」(仙台市青葉区中央)

2014-09-05 14:55:13 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

わたしは仙台駅へ向かいました。次の目的地に急ぐために。

仙台はもう大丈夫そうです。この雑踏が、不幸な出来事をごちゃまぜにしてシャッフルしてくれるのかもしれません。でも、多分それはひとときのことでしょう。この華やかさが痛みを一時的に忘れさせてくれるにすぎないと思うのです。

 

駅に着いて、新幹線のチケットを買い、改札を抜けました。

わたしの乗る新幹線が来るまで、まだ時間があるようです。

 

わたしが時刻表の電光掲示から目を離すと「立ち飲み」という文字が目に飛び込んできました。

「え?」

わたしは目を疑いましたが、その「立ち飲み」という文字は見間違いではありませんでした。

新幹線のエキナカに立ち飲み屋が。

これは行かない手はありません。

 

立ち飲み屋といっても、その店には椅子がありました。

お店は建家とその外に椅子とテーブルを用意していました。

注文をしたり、飲み物を受け取ったりするカウンターには椅子がありませんでしたが、実質そこのカウンター機能はオーダーだけの機能しかなく、飲食できるような雰囲気ではありません。

 

近年、「立ち飲み」という言葉は、少額のお金でサクっと食べて飲む店を指して使われることが少なくありません。いわゆる「立ち飲みスタイル」というやつです。「立ち飲みスタイル」の店には椅子があります。こういうお店が少しずつ、増えています。注意しなければなりません。

はじめは、立ち飲みだったのに、様々な理由から椅子を入れて、立ち飲みではなくなる「転び」とは異なるタイプに分類されます。

わたしは、こういう「立ち飲みスタイル」の店を「モドキ」と呼ぶことにします。

 

ともあれ、この仙台駅、新幹線構内にある「立ち飲み」と称する「伊達や」は「モドキ」でしょう(「転び」の可能性もあるが)。

しかし、そこでひるんではいけません。

 

わたしは、宮城の地酒「澤の泉」(490円)と、あてに冷奴(300円)を注文して、カウンターの片隅で立って飲むことにしました。

「大沼酒造支店」もそうですが、ご当地宮城の地酒がたくさんあって、これは嬉しい限りです。

出来うる限り東北地方にお金を落とすことも被災地支援です。

 

このお酒、飲みやすくついついぐびぐびと進んでしまいます。やはり、日本酒はうまい。

今日の疲れも一気にとんでいくようです。

でも、残された時間はあと僅か。10分程度しかありません。

 

しかし、新幹線の駅ナカに立ち飲みを作るなんて、なんと罪作りなのでしょうか。

そして、このベタなネーミングの「伊達や」って。

ついつい、引き込まれてしまうではありませんか。

 

たった15分間の至極。

主役ではないけれど、いぶし銀の名脇役。

忙しく通り過ぎてしまうだけの駅で、句読点のように刻む店があってもいいですね。駅には蕎麦屋が多いけれど、仙台駅の立ち飲みスタイルの店は旅人の心に深く刻まれました。

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