
A藤君との飲み会は新規開拓をテーマとする。
御徒町界隈の居酒屋はほぼ行き尽くしたので、エリアを広げ、探索を試みる。
秋葉原駅の東側。ここは穴場だ。
だが、ここは秋葉原であって、アキバではない。昭和通りを超えると、若者や外国人がこぞって集うサブカルチャーは見る影もなく、居酒屋が点在する。
「とり善」という店、以前から気になっていた。
ずい分前に、アキバカレーMAP作りで、この界隈を歩いたとき、ボクのお気に入りウォッチに入った店。
こじんまりとしているが一本気持ちが入った外観。
「アキバのとり善」と書かれた看板に書かれた鶏の絵が妙に可愛らしい。格子の窓、茅葺き風の庇のアンバランス。
「のんだりたべたり炭火焼」と書かれた赤黒いポールサインはやや時代がかっている。
店はそれほど広くはなく、ボクとA藤君、そしてH常の3人は最も入口に近い場所にポジションした。
さて、ビールはいくらだろうか。
A藤と飲むとき、いつも話題になる。
ビールの価格で、店のスタンスはある程度分かる。それがボクとA藤くんの共通の見解だ。A藤君はビール専門なので、まさに死活問題である。実は、この「とり善」もビールは高いだろうと踏んでいた。
店に入り、生ビールの値段を見ると480円。まぁまぁ健闘しているかと思ったが、肝心のそのビールが「プレモル」であるのを見た瞬間、ボクは失望した。
鶏や魚といった繊細な料理にホップの強いプレモルはダメ!とボクは口を酸っぱくして言い続けてきた。強い香りで、繊細な味が打ち消されてしまうからだ。
いやはや、とんでもないとこに入っちゃった。
と思ったら、メニューをよく見ると、なんと「生ホッピー」(480円)がラインアップされているじゃないか。
助かった。
ボクは「生ホッピー」。
A藤君、H常は「生ビール」で幕を開いた。
せせり。
メニューを繰って、まず目についた。
なかなか、お目にかかれない部位。
迷わず、オーダー。
さび焼。
なんのこっちゃ。
せせりにわさびの若焼。
いいじゃない。
そして、「鳥刺し」。
いずれもジューシー。
淡白だが、じゅわっとあふれる肉汁感がなんともいえない。
やっぱ、生ホッピーでよかった。
プレモルならば、この繊細な淡白さを、ぶち壊されてしまうところだった。
若焼、鳥刺しは肉の新鮮さが、ものをいう。
仕入れは間違いないだろう。
生ホッピーに、極上の鶏料理。
小さいながらもパワフルな店である。
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