名古屋は立ち飲み不毛の地だと思っていた。名古屋という特殊な文化が立ち飲みを育まさせなかったのだろうと。2010年代初頭、自分は名古屋に頻繁に行っていた。その頃、立ち飲み屋は極めて少なかった。だが、久しぶりに名古屋に行くと、次第に名古屋の立ち飲み事情が変わりつつあることを実感した。
名古屋でも歴史のある円頓寺商店街アーケードに立ち飲み屋があるのだという。店名は「お酒の神様」。大胆な店名である。
円頓寺商店街という商店街は知らなかった。だが、一歩足を踏み入れると歴史ある商店街であることを感じさせた。Wikiによると名古屋では大須、大曽根に並ぶ三大商店街だそう。だが、その商店街も名駅から離れれば離れるほど寂れていく。名駅から徒歩15分程度、ようやくお店に着いた。
入口が全て開いているオープンエア。ビールケースを積み上げたものを急造的にテーブルにした、いかにもな店舗の雰囲気が名古屋らしさを感じさせない。あぁ、これはもしかすると円頓寺商店街の女神様がこしらえた立ち飲み屋ではないかと思った。
しかも12時開店。名古屋では昼酒を許す空気はないから、この開店時間にはたまげた。お店到着は15時。だが、既に先客が一人いる。その御仁がいる壁側のカウンターを避けて自分はポジショニングした。
両壁に無造作に貼られたメニューを見た。飲み物の主役は日本酒か。日本酒の銘柄のデータベースが詳細に書き込まれている。いや、日本酒はちと重い。
ならばと、まずは「キンミヤハイボール」。これが500円。高いなぁ。
そして、「マカロニサラダ」。うん、まずまず。
お、「ウインナー炒め」(380円)もあるのか。それも追加。日本酒メインだが、あてはジャンクなものが多い。
〽︎おばあちゃんがこう言った。いい立ち飲み屋はきれいな女神様がいるんやで。
多分、いるな。このお店にはきれいな女神様が。だって、あてがうまいもん。名古屋の立ち飲みでは『魚椿」と並んで双璧かも。
長いウインナーが3本。これで380円はお値打ち。
〆に、「みそ串かつ」(350円)。ザ名古屋メシ!どうやら串かつにつけられている味噌はお店自家製の八丁味噌だとか。厳密に八丁味噌は岡崎市の決められた地域のものをさすが、この際かたいことは言わないようにしよう。
うまいな。名古屋メシ。だから、名古屋はやめられないんだな。
立ち飲み不毛の街、名古屋に降臨したお酒の神様。ここは、これから要チェックだな。
独自の文化圏を形成する名古屋は不思議ワールド炸裂といった感じでしょうか。
名古屋でエビフリャーは食べたことないですね〜。最近、名古屋も立ち飲み屋が多くなり、変貌を遂げつつあるようです。