
「ほていちゃん」を出て、さて2軒目へ。事前に目を付けていたのは「康楽」という中華。相当レトロな店舗だった。もう一方で、怪鳥におすすめの中華を訊いてみた。「ぼたん」、「餃子の王様」、「馬賊」という答えが返ってきた。
「ぼたん」か。
なんか、浅草っぽい店名に惹かれるな。芸人の町っぽく、そしてなんだか艶っぽい。
「ぼたん」に行ってみよう。
お店はすぐに分かった。なんだか中華っぽくない店構え。ガチでもなければ町でもない。独特の世界観を醸す不思議な中華。
カウンターに通されて着席する。飲み物はあまり期待していなかったが、メニューを繰ると、「ホッピー」があった。
本日2ラウンド目の「ホッピー」白をオーダー。おっ、と中華も本日2ラウンド目だった。
まずは「餃子」から。
この餃子、一口、口に入れただけで違いが分かった。皮からしてうまいのだ。
やっぱ怪鳥推しの店にハズレはない。最後に最高のお店に出会った。
ただ、お店の雰囲気としてはワイワイする感じではない。だから、ステレオタイプ的な町中華と一括りには出来ないが、決して料理が高い訳ではなく、中華に限らず、いろんな料理がある点は充分町の中華ともいえる。
厨房は若い人が働いていた。怪鳥にメールで報告すると、それは4代目だと返ってきた。4代目って。自分の働く業界は長くても3代目。中華などの飲食ならまだ2代目が圧倒的に多いのでは。それが4代目って、さすが浅草、噺家みたいじゃないか。
若い厨房で一際目を引くのが背が高いイケメンのお兄さんと女性。ともにまだ20代じゃないだろうか。それを怪鳥に伝えると、「それは5代目じゃないかな」という。え? もう5代目までお店に入っているのか。これはもうまだまだ安泰だ。
若い子たちのうまい中華の心意気といったところ。〆はもう最初から決めていた。
「チキンライス」。
炒飯ではなく、麺でもない。断然もう「チキンライス」。
多分、あくまでも多分なんだけど、この「チキンライス」って、創業からの看板なのではと思う。明治なのか、大正なのか、はたまた昭和か。浅草が都内最大の歓楽街だった頃から、「ぼたん」の「チキンライス」はハイカラな料理としてお客さんに持て囃されたのではないだろうか。そんな、勝手な妄想がまずは頭をよぎった。だから、迷わず「チキンライス」を選んだ。
そのケチャップ味の焼き飯は期待に違わず、本当においしかった。昔昔の子どもの頃、デパートの上の階にあるレストランで食べたお子様ランチ。その真ん中を彩るオレンジ色のご飯に多くの子どもはワクワクしたはず。その記憶がまるで蘇ってくるようなワクワク感すら感じる。そう、それはともすると大人のお子様ランチといえるかも。
「ホッピー」と「チキンライス」。
まさにここだけの特権。
今まで、浅草って観光地という色眼鏡で見てきたせいか、どうにもとっつきづらかった。でも今日は「ぼたん」のおかげで普段着の浅草を見て感じることが出来たと思う。ちょっと好きになったな。浅草。
次はいつ来られるかな。なんだか急に浅草行きが待ち遠しくなってしまった。
八宝菜も美味いから今度食ってみてー。
でも「太白楼」にも行きたいし。
次回は「八宝菜」いきやす!