福岡出張でせがまれた博多の銘菓、「通りもん」。このお菓子、かみさんが好きなのだ。かみさんの出身地は本州だが、文化圏は福岡圏に属するらしく、子どもの頃から、この銘菓のCMを見て育ったらしい。だが、自分は全くの異文化だ。そもそも、「通りもん」ていう意味すら分からない。
はじめ、「もん」ていうのは「者」を指しているのかと思った。「他所もん」みたいな、そんなイメージ。だから、「通りもん」とは通行人かと。
同じ九州の「くまモン」がそうである。熊本の人という意味で、「くまモン」は生まれたらしい。だから、きっと「通りもん」もそうだろうと思っていた。だが、一方で、福岡出身の五木寛之さんの代表作に「青春の門」がある。もしや、「通りもん」の門とは、通り門、つまり通行門、或いは通用口かとも思った。
ところが、両方の予想とも違っていた。
「明月堂」のホームページを見ると、「通りもん」の由来が載っている。以下抜粋。「福岡・博多名物のお祭り、どんたくで、どんたく衣装に身を包み、三味線を弾き、笛や太鼓を鳴らして練り歩く姿・形を博多弁で「通りもん(とおりもん)」と言います」。
この感じだと、一応人に対して使う言葉ではあるものの、その範囲は広く、形や形式という意味も含まれるようだ。
その「通りもん」は素朴な洋風饅頭である。前回の「もみじ饅頭」は「饅頭」ではないと書いたが、「通りもん」は皮が存在し、白い餡を包む。立派な饅頭だ。皮も白餡も和ではなく、独特の風味で、明月堂自ら、西洋和菓子と呼ぶ。「もみじ饅頭」同様、大きさもちょうどよく、お茶うけとして絶妙。直接手にとって、手が汚れることがないのもよし。
この「通りもん」の人気と実力は数字にも現れている。2019年のギネス記録認定は饅頭の売り上げで世界一である。一方、実力としてはベルギーの権威、モンドセレクションで23年続けて金賞を受賞。人気と実力を兼ね備えた稀有なスイーツなのだ。
モンドセレクション。
やはり、モン繋がりである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます