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居酒屋さすらい 1613 - 乾物屋ならではのあてが素晴らしい - 「立ち飲み 築地十干(JIKKAN)」(中央区築地)

2020-03-15 16:41:49 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

久しぶりに築地に行ったら、見知らぬ立ち飲み屋を見つけた。

「築地十干」。かなり広い立ち飲み屋だ。店舗はオープンエアで、内観が見渡せる造り。木をふんだんにあつらえて、和のテイストが前面に。中に入ってみると壁には天幕が垂れ下がり、これまたジャパニーズモダンのインテリアになっている。

立ち飲みスペースのテーブルは何かの台にもみえる。立ち飲みとしては少し不思議な空間である。天幕の後ろには棚があり、そこには乾物の商品が並べられている。ははぁ、このお店はもしや乾物屋なのか。夕方以降、乾物屋から立ち飲みにスイッチする二毛作なのかもしれない。この立ち飲みテーブルも乾物を陳列する台を利用しているのなら、高さが違うのも合点がいく。

さて、何からいくか。ビールはプレモルらしいのでパス。ちなみに「生ビール」は480円。「角ハイボール」は380円(税別)。若干高いと感じるのは、観光地だからか。それならば「ホッピー 白」から。すぐに出てきそうなつまみは、「チーズ」か。

オーダーの際、店員さんが、「本日のおばんざい」を薦めてきた。そのおばんざい、今日は「里芋の煮転がし」とのこと。「じゃ、それも」。

さすが築地。そんじょそこらの立ち飲み屋にはない素材で勝負している。チーズはともかく、里芋はしっかり下味がついていて抜群にうまい。乾物屋ならではの出汁をひいて、つまみを作っているのは想像に難くない。

母体となっている乾物屋のホームページをみると、「十干」の創業は大正13年。90年近い歴史を持つ老舗の店。その店が新たな事業として、立ち飲みをスタートさせたのは、やはり築地移転の危機感からか。調べてみると、この立ち飲み屋、今や京橋や中目黒にも店舗を出し、多店舗展開を図っている。つまり、新規事業のプロジェクトは今のところ、成功しているようなのだ。

はじめは自分一人だった店内も、少しずつ客が入ってきた。中には、立ち飲みとは無縁のようにも見える、かなりのおばちゃんグループが一気に入り、ビールなどを注文している。さすがは観光地。築地が移転しても、今もまだそのブランド力は衰えを知らない。

さて、もう伊日何か頼むかとメニューを見る。気になったのは2つ。「江戸前棒寿司」(930円)と「だし巻きたまご」(500円)。立ち飲みで、棒寿司とは!全国探しても、もしやここだけかも。しかし、惜しむらくは、突発的にこの店に入っちゃったものだから、かみさんに「ご飯不要」と告げていなかった。ここでお腹いっぱいになるわけにはいかない。店員さんに、「だし巻きたまご」をオーダー。いやむしろこれで良かったのかもしれない。築地といえば「だし巻き玉子」だし、乾物屋の出汁巻きとなれば期待は高まる。

その「だし巻きたまご」、期待に違わず抜群の旨さだった。本当は寿司で締めて、あがりはたまごというのが最高の展開だったが。今回はこれにて終了。

立ち飲みの文化が広がりを見せる中、様々なタイプの立ち飲みが各地に出来ている。「十干」も、そのうちの一つ。東京の立ち飲みの可能性を広げた同店。築地というスペシャルな場所に生まれたスペシャルな立ち飲みをしっかり味わうことができた。

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