
東京都周辺に大衆的な酒場はないと思っていた。地価は高いし、テナント代だって高いから。ましてや、もつ焼き屋なんて。いや、ちょっとお高い焼き鳥屋とかはあるし、見たこともある。けれど、一般的な大衆酒場的もつ焼き屋が八重洲、日本橋にはないと常々思っていたのだ。だが、それは誤りだった。怪鳥からこの店に連れて来られるまでは。
「ばんばん」。
〽︎いつか君といった映画がまたくる
そう思わず口ずさんでしまいたくなる店名である。
ビルの一階だが、縄暖簾に黒木の引き戸という外観は玄人の酒飲みを唸らせてしまうたたずまい。只者じゃないなという雰囲気をびしびしと伝えてくる。場所柄、「高い店なんじゃないの?」という思いはあった。
席に座り、メニューを見た。
串焼きは160円から。例えば、「しろ」160円、「ハツ」、「かしら」が180円、「レバー」が200円。少し高いが許容範囲。しかも、「のど笛」などの希少部位もある。仕入れは芝浦とのこと。
「ホッピー」400円は素晴らしい。「酎ハイ」380円はぎりぎりのライン。焼酎は金宮を使用している。
まずは「ホッピー」セットに、「がつポン」(350円)から。
焼き物は「レバー」に「かしら」を2本ずつ。素材の品質もいいが、串の刺し方、焼き、いずれもいい仕事をしているのが分かる。焼きは微妙にレア。この加減が抜群にうまい。
店内は雰囲気もよく、自分が今都心にいるのを忘れさせてくれる。
まさか、日本橋でホッピーと、こんなうまいもつ焼きがいただけるなんて。これは多分奇跡。いや、ホントに奇跡だ。
怪鳥は終盤、例によって、「フライドポテト」をオーダー。好きだよなぁ怪鳥。「フライドポテト」が。
必ず食べてる。もしかして、怪鳥にとって、いい酒場の条件は禁煙と「フライドポテト」だったりして。
「ばんばん」は日本橋二丁目の奇跡だ!
さすがよく見られていますね。おっしゃる通り、青海苔です。「フライドポテト」もお店によってはケチャップとかマヨネーズとか出てきたり、ただ塩味だけで楽しむところもありますね。ただ、青海苔はあまり見かけることもなく、これは珍しいと思いました。
ポテトを揚げた後に青海苔をまぶしたのだと思うのですが、一手間をかけるお店の信念を垣間見ました。
あの界隈には紅とんもあるし、意外に大衆酒場があるんですよ。でも紅とんはいつも大賑わいで一人で入る気がしません。この店はなぜかいつも静かなのが好きです。フライドポテトは君と同じように細いのがいいね!
いい仕事してるよね。「ばんばん」。
オフィス街の舌が肥えたお客さんばかりだから、小手先だけでは続かないね。
また行きます。「ばんばん」!
「紅とん」はあまり好きじゃないんだよね〜。