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居酒屋さすらい 0895 - 職人肌の大将のただ者ではない酒と肴 - 「美酒佳肴 ゴヨウマツ」(台東区上野)

2015-07-27 21:15:01 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

あなたはお店のオープン第一号客になったことがあるだろうか。

その日の一番客ではない。記念すべき通算1号である。

結論からいえば、ボクはない。でも2号ならばある。それが、この店「ゴヨウマツ」だ。

ちなみに1号はうちの会社の社長。その社長に呼ばれて、自分が2号になったというわけ。

 

その日、社長は4時頃、「ゴヨウマツ」を訪れた。この店は、うちの会社のビルのすぐ隣。これまで、このビルの1階にはパキスタン人がPC関連の店を経営していたが、その店はいつしか退去し、「ゴヨウマツ」がオープンした。まさか、居酒屋ができるとは思っていなかったし、ましてやオープン初日に行くとはゆめゆめ思ってもいなかった。

 

ボクが店に入ると、カウンターに座っている社長が手酌で瓶ビールを注いでいる。

瓶ビールは「赤星」(580円)。ちなみに、生ビールはヱビス(399円)だ。この銘柄が、この店の全てを物語っている。

 

酒肴も佳肴というだけ、面白い。

まずは「チューリップ」(600円)。そして「ハーモニカ」(800円)。

前者は鶏唐、後者はかじきまぐろ。このメニューだけでもこの店の真価を感じる。当然、この両者を注文した。

大衆系の居酒屋かとも思うのだが、この一方では各種すっぽん料理(焼いてもよし、似てもよし)、はもの天ぷら、かじか料理など、居酒屋料理ではなく、料亭の料理を彷彿とさせるものがずらりと並ぶ。

この店の大将、ただものではない。

それも料亭ならば、数千円はくだらないメニューが、ここでは千円台、或いは二千円台。

恐らく、どこぞの店でかなりの修業を積んだのだろう。

しかも味も抜群。とりわけ、「ハーモニカ」。ホクホクと柔らかな身がほぐれるように口に入っていく。身はそれほど、大きくないので、これはさしづめブルースハープか。

 

酒は焼酎と日本酒がそれぞれ揃っている。

焼酎は「山猫」、「ダバダ火振り」という定番ものから、「克」や「縁」といった聞きなれないものがある。それぞれ東酒造、本坊酒造の酒。いずれも少量生産らしい。

一方、日本酒は「まんさくの花」を中心に錚々たる酒が名を連ねる。

とりわけこれは!と思わせるのは「まんさくの花」の杜氏直詰。これはすごい。ちなみに1合が900円。これはなかなか飲めない。

 

大将は物静かな男だった。

ボクが「ゴヨウマツの由来は?」と聞いたが、もぞもぞと小さな声で答えた。よく聞き取れなかった。

うちの会社にいる平成生まれの男が毎日ランチを「ゴヨウマツ」で世話になっている。その男もこの大将を無口と表現する。さすが職人。

 

店は御徒町と秋葉原のちょうど中間。駅でいえば東京メトロ銀座線の末広町が一番近い。

立地としては決してよくないが、あえてそこに出店したのは、味に自信があるからだろう。あまり知られたくない店だ。

なお、ボクは初めて入店して以来、この店には行っていない。だって、会社から近すぎるっていうのが、ちょっと…。

酒を飲むのなら、ある程度会社から離れてゆっくり過ごしたい。多分、社長もその後2回か3回程度しか行っていないだろう。でもその訳は酒肴が高いから。彼の選択は「安さ」と「ビールがすぐ出る」である。

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