沼津で仕事することになったが、調べてみると三島で下車してタクシーが早いらしい。4年ぶりに三島駅に降りた。富士山が近い。雪化粧した白い富士と青い空のコントラストが美しい。
新幹線ホームには駅そばがある。
「桃中軒」。
ここで、いただけるのが、「桜えびのかき揚げそば」。
富士山と青い空、そして桃と桜のピンク。
なんだかこれだけで、もう特別なもの、唯一無二のキャスティングのような気がしてくる。一杯、660円だけど、このスペシャル感なら安いもんだ。ただ、実際のかき揚げはピンクではないけど、でもこの分厚さといったら、見たことない。
そばつゆに浮かぶかき揚げはまるで島であり、大陸だ。これにもやっぱりスペシャル感を感じてしまう。そして白い丼はさながら逆さ富士。
一口目から、がつんとかき揚げをいただくと、サクっとこれまたいい音が口の中に響いて、その音だけでもおそばがまたスペシャルなものへと変わっていく。
かき揚げのせいで、おそばが全く見えなかったが、一口かき揚げを食べたら、うっすらとそばも見えてきた。そばつゆの色は黒い。ともすると東京のそれよりも黒いと感じる。静岡の東は、まだ関東の黒さに影響されているのか。それとも、「桃中軒」の個性なのか。ともあれ、その濃いめのお出汁がまたいいのだ。やがて、かき揚げがその汁を吸って、柔らかくなってくる。すると、かき揚げの歯ごたえはサクっから、じゅるっとなった。けれど、それがまたうまい。東海林さだおさん風に言えば、「モロモロになる」という状態だ。
ちなみに桜えびは駿河湾からの水揚げではなく、台湾産とのこと。
生そばの絶妙な茹で加減のそばも断然うまくて。水清らかなるとこ、何もかもがうまい。かき揚げも最後は段々飽きてくるのが、世の常だが、いやはや桜えび、全くそんな気配もなく、一気にいただけた。このボリューミーなかき揚げのおかげで満腹感と満足感は拮抗してバランシング。
季節はずれの桜サクっ。
今日もいい仕事が出来そうだ。
かき揚げがブヨンブヨンで(でも美味しかった)ナルトが3個も入ってたんですよね。
でも他の2社、静岡駅の東海軒、富士駅の富陽軒より桃中軒が好きです。
こんばんは。
ジャンさんはよく静岡に行かれているので、羨ましいです。静岡は駅そばの宝庫ですね。
やっぱり、ホームに駅そばがある、というのがいいですよ。三島はホームから富士山が見えて素晴らしいです。駅そばは旅情でしょうか。
>静岡駅の東海軒、富士駅の富陽軒より桃中軒が好きです。
他を食べてないので何ともいえませんが、両店ともなんかワクワクしてきますね。駅弁も作ってそうだし。