駅弁さすらひ 017 - まるごと中華街 - 崎陽軒の「横濱中華弁当」

実は今、とある有料特急列車に乗っているのだが、隣に座る若いお兄ちゃんが、突然自分の方に向き直って、「食べてもいいですか」と聞いてきた。どうやら駅弁を食べるらしい。別に断らなくてもいいのにね。

「どうぞ、どうぞ」と言っておいた。

そのお兄ちゃんが食べ始めたのが、多分「シウマイ弁当」である。あまりじろじろ見てないから分からないけど。黄色いパッケージが視界に入ってくる。

老若男女問わず、「シウマイ弁当」は大人気だ。

我が家もかみさん、子どもらは総じて大好きだから、時々かみさんが西武池袋のデパ地下で買ってくる。この日、自分はあえて「シウマイ弁当」を選ばず、「横濱中華弁当」を買ってもらった。といっても駅で買った訳ではないから、厳密には駅弁ではないけど、記録しておきたいから書くことにした。

シウマイはもちろん、エビチリ、青椒肉絲などが入ったプレミアムなお弁当である。税込1,160円だから重厚感がある。中華街に行かなくても、これで事足りると思わせる逸品だ。

そりゃ、「シウマイ弁当」よりは人気が落ちるが、「中華弁当」は祭り感があっていい。「シウマイ弁当」の気配り感を考えれば、「中華弁当」は大雑把感は否めない。でも、代表的な中華が彩られるアラカルト感は豪華絢爛だ。

それでもやはり横綱はシウマイだ。エビチリ、青椒肉絲を抑えてシウマイが主役になる崎陽軒のキャスティングが素晴らしい。ただ、他の配役が劣っている訳ではない。あくまでもシウマイが別格なのだ。バランスでは、「シウマイ弁当」。でも、大河ドラマを観るようなスケール感を味わいたいなら、絶対「中華弁当」だ。