京都はもうすっかり冬支度だった。
国際会館駅を出て、公園の脇で真紅のプジョーが来るのを待っていると、自転車に乗った高校生たちが元気に坂を下りていく。
公園の木々はもう色をなくして、風に吹かれながらいつか落ちる時を待っていた。
プジョー306がわたしの目の前に停まったのはそれから10分後。今日はこのクルマの主がわたしに腕を奮ってくれる予定になっていた。
「居酒屋 鬼へようこそ」。
彼はわたしにそう言って、店に招き入れてくれた。
客はわたしひとり。
席に着くと、運ばれてきたのはサッポロヱビス。キンキンに冷えたグラスがドンと置かれ、思わず口をついて出た言葉が「気が利くねぇ」。
グイっとビールをあおってくつろいでいると、出てきた酒肴が「きんぴらごぼう」。

東北地方出身のお袋が作る、我が家はそれはそれは甘い味付けで、それに慣れてしまったわたしの口に京都のそれはあまりにも辛かった。
輪切りになった鷹の爪を口にしてしまい、思わずヒーっとなるところを我慢。
だが、うまいよ。これ。シャキシャキのゴボウがいい。
まさか、堀川のゴボウではあるまいが、この料理人は食材にこだわるから、まんざら間違いでもないかもしれぬ。
次に出てきたのが「牛モツの煮込み」。

都の人は「こんな下賎なもの!」と食べないかと思いきや、今日はわたしのためにわざわざ高級モツを仕入れてこしらえてくれたのである。
モツがコリコリ!
スープがまことに香ばしい!
大きめに切った葱が関東のそれでないことが分かり、逆にこれは新鮮でもある。
このネギ、なんと料理人「鬼」のオヤジさんが栽培した露地ものである。
ここまで書いて「オヤ?」と思われた読者の方も少なくないのではないか。
そう、実はここは正式な居酒屋ではない。
「オレ達の深夜特急」でおなじみのふらいんぐふりーまん師の家なのである。
正式な居酒屋ではないが、この日師の家へ訪れ、腕をふるって作ってくれた料理に感動し、ここに記すことを決めたのである。
ちなみに、師はマメに梅干も漬けるのである。キャリアはまだ2年だが、今後この「居酒屋 鬼」の看板商品になっていくのではないかとそれはそれで楽しみである。

どれくらいヱビスを飲んだろうか。
気がつけば、空き缶の山になっている。
そして、気がつけばわたしは、師の家族の分まで料理を食べ尽くしてしまった。
そうして、わたしは家路についたのである。
決して、20年ものの梅干がのったぶぶ漬けが出てきたわけではなく、自ら帰京の途についたのだった。
ありがとう!師よ。
国際会館駅を出て、公園の脇で真紅のプジョーが来るのを待っていると、自転車に乗った高校生たちが元気に坂を下りていく。
公園の木々はもう色をなくして、風に吹かれながらいつか落ちる時を待っていた。
プジョー306がわたしの目の前に停まったのはそれから10分後。今日はこのクルマの主がわたしに腕を奮ってくれる予定になっていた。
「居酒屋 鬼へようこそ」。
彼はわたしにそう言って、店に招き入れてくれた。
客はわたしひとり。
席に着くと、運ばれてきたのはサッポロヱビス。キンキンに冷えたグラスがドンと置かれ、思わず口をついて出た言葉が「気が利くねぇ」。
グイっとビールをあおってくつろいでいると、出てきた酒肴が「きんぴらごぼう」。

東北地方出身のお袋が作る、我が家はそれはそれは甘い味付けで、それに慣れてしまったわたしの口に京都のそれはあまりにも辛かった。
輪切りになった鷹の爪を口にしてしまい、思わずヒーっとなるところを我慢。
だが、うまいよ。これ。シャキシャキのゴボウがいい。
まさか、堀川のゴボウではあるまいが、この料理人は食材にこだわるから、まんざら間違いでもないかもしれぬ。
次に出てきたのが「牛モツの煮込み」。

都の人は「こんな下賎なもの!」と食べないかと思いきや、今日はわたしのためにわざわざ高級モツを仕入れてこしらえてくれたのである。
モツがコリコリ!
スープがまことに香ばしい!
大きめに切った葱が関東のそれでないことが分かり、逆にこれは新鮮でもある。
このネギ、なんと料理人「鬼」のオヤジさんが栽培した露地ものである。
ここまで書いて「オヤ?」と思われた読者の方も少なくないのではないか。
そう、実はここは正式な居酒屋ではない。
「オレ達の深夜特急」でおなじみのふらいんぐふりーまん師の家なのである。
正式な居酒屋ではないが、この日師の家へ訪れ、腕をふるって作ってくれた料理に感動し、ここに記すことを決めたのである。
ちなみに、師はマメに梅干も漬けるのである。キャリアはまだ2年だが、今後この「居酒屋 鬼」の看板商品になっていくのではないかとそれはそれで楽しみである。

どれくらいヱビスを飲んだろうか。
気がつけば、空き缶の山になっている。
そして、気がつけばわたしは、師の家族の分まで料理を食べ尽くしてしまった。
そうして、わたしは家路についたのである。
決して、20年ものの梅干がのったぶぶ漬けが出てきたわけではなく、自ら帰京の途についたのだった。
ありがとう!師よ。
さて、あの日のきんぴらだけど、ちょっと鷹の爪効かせすぎだったかもね。うちのきんぴらごぼうは、砂糖などの甘い味付けをしないんで、師のおふくろの味とは全く違ったものだったろうね。
なお、京野菜は高くて俺には買えないから、ごぼうは堀川のものじゃないよ。すまん師よ。
あと、あの時食べてもらった梅干は俺の初挑戦の梅干だったんだけど、初にしてはそこそこの出来だったんじゃないかと・・・。
ちなみに、今年の奴は梅も大ぶりのいいもの使ったし、紫蘇漬けもそこそこうまくいったから、昨年より更にいい感じになると思う。
ただ、出来立てを試食してみたら、まだこなれてなくて鬼のように酸っぱかったけどね。
しかし、あの日は良く食べて良く飲んだね。楽しくてあっという間に時間が過ぎていったなあ。
また是非、居酒屋鬼にお越しの程を。今度はまた新たなメニューを用意してお待ち致しております。
いろいろ工夫してくれてありがとう!師よ。
いずれの料理もマジでうまかったゾ。
オレは甘い味付けよりも辛いのが好きなので、また辛目のものでよろしく頼むよ。
なお、師の梅干については以下のページを参照してほしい。
http://onitobi.blog20.fc2.com/blog-entry-1163.html
師の食に対する心意気が伝わってくる!