「酔いどれ」を出て、さぁ締めるかとなった。
ああ、こういう時に、「北国ラーメン」があればいいなと思う。浦安、伝説のラーメン屋である。
あとはもう、この界隈だと、「珍来」しか知らない。それならばと、「珍来」に向かった。
何年ぶりだろうか。少なくとも28年は行ってない。或いは29年ぶりか。浦安駅前の路地に差し掛かる。まだ、ディズニーランドの最寄り駅がない頃、多くの人がこの道の先にあったベイシティ交通のバス停から、ディズニーランドに向かった。今の若い人は、そんな歴史も知らないだろう。
路地の入口近くにある、居酒屋「さぶちゃん」はまだ健在か。確か、類さんが何年か前に来てたのを見たことがある。その隣のCD屋さんもまだ営っている。昔、お世話になった。
そして、「珍来」に。お店はあったが、そのド派手な看板に一瞬言葉に詰まった。
「なんじゃあ、こりゃぁ」。
思わず口についてしまったほど。
「映画館かよ」。
あの古き良き「珍来」はどこへ行ってしまったのか。一瞬入るのをやめて、他を当たろうかとも思ったが、当てがないので、「珍来」に入ることにした。
店内は暗く、昔の面影などもはやない。町中華の佇まいではなく、なんだかよく分からない店になっていた。テーブル席奥にあるが、一人客は2列になっているカウンターに座らされる。自分もそのカウンターに腰を下ろした。
まずは「紹興酒」と「餃子」をオーダーした。
28年ぶりのお店訪問は、恐らく「居酒屋さすらひ」でも例はないと思う。自分が訪問を望んでもお店がなければ話しにならない。そういう意味でいえば、結構奇跡に近いかも。
28年か、27年前か。強烈に記憶していることがある。仕事のお昼休みに「珍来」に来て、確か自分は「炒飯」を頼んだ。お店は混雑していて、相席だったのだが、ある拍子にむせてしまった。すると口に入れていた炒飯の一部が口から出て、隣に座っていた初老の男が食べていたラーメンに入ってしまったのだ。自分はもうただひたすら平謝りである。男はムッとしていたが、なんとか矛を納めてくれた。いやぁな思い出である。
「餃子」が来た。
そういえば、昔、自分は「餃子」があまり好きではなかった。今でこそよく食べるようになったが、自分が、「あまり好きじゃない」と当時付き合っていた彼女にいうと、その女は「一回に"100個は食べられる」と豪語したものだ。なんだか嫌な思い出がばかり思い出す。
その「餃子」はやや大ぶり、王道の韮入り餃子。うん、うまい。紹興酒は実はあまりおいしくない。最近、この銘柄をあちこちで見かける。
28年ぶりのお店訪問を超えるとすればどこがあるか。あの当時、どこに飲みに行っていたか、もうあまり覚えていない。24歳の頃は、この同じ町内にある「屋久島」という店に何度か行ったくらいか。あの頃はお金がとにかくなかった。外で飲む余裕すらなかったな。
「餃子」を食べ終える少し前に、〆メニューを検討した。「炒飯」はやだな。もはやトラウマである。焼きそばがいいかな。しかも固麺のやつ。こないだから固焼きそばが食べたかったんだ。
すると、結構立派なのが出てきた。
そして味も当たりだった。とろみの餡が、絶妙に固麺に絡む。
最高の〆になった。
四半世紀以上の時間を越えての来店は、もしかすると「珍来物語」だったのかもしれない。
浦安には私もトラウマがありまして。。。
まぁ普段は思い出しませんけど、今度お会いしたときに聞いてくなんしょ。
昔は、一般的な「珍来」でした。オーナーの自由度が大きいのでしょうか。こんなんなっちゃいましたね。驚きでした。
浦安には濃い思い出がいっぱいです。
ジャンさんの話し、楽しみ(?)にしてますよ。