三十路の食卓

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旅二日目・1 豊島へ

2012-10-19 21:24:19 | ちょっと遠くに行きました。
〈9月27日の食事〉
朝:玄米クリームブラン・イチジク 緑茶
休憩:りんごの炭酸飲料 @地中美術館内カフェ
夜:ドライカレー 生ビール @Little Plum

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最初に結論を申し上げると、この日に食を堪能したのは夕食だけだ。
しかも、昼抜きだ。
いやあ、なんせ時間がなかった。
それは何故かといえば。

ひとり旅二日目。
ベネッセの運営する〈アートの島〉3つのうち、この日は最大の島である「直島」、そして「豊島(てしま)」を巡ろうとしていた。
が、いかんせん島間のアクセスは、そんなにいいわけではない。
美術館の開館時間や電車・船のダイヤを慮って色々計算すると、直島をメインにしたうえで両方一日で廻るには、12時前に豊島に到着後、14時30分くらいに出る豊島発・直島着の船に乗るしかない。
というのを調べて判明したのが、ひとり旅一日目の夜。

豊島にいられる猶予は約2時間半…それって、「巡る」と称していいものだろうか。
移動時間を考えたら鑑賞に費やせる時間はもっと限られるし、ましてや食事なんて。
ああ、昨日犬島行ったあと豊島に行けばよかったんだ。
昨日のペースだったら犬島発・豊島着の船には十分間に合ったし、豊島と岡山を結ぶ船は多いから、帰りもゆとりを持てたはず。
ひとつでも乗り物を間違えたらアウトという、こんな切羽つまった気分で今日一日を過ごすなんて。
どれもこれも、下調べが甘いせいである。

まあ、変えられない運命を嘆いたって仕方ない。
気を取り直して、岡山駅より電車で宇野に移動、そこから豊島へと向かう。
港に程近い場所から発着しているシャトルバスに乗り込み、一路「豊島美術館」へ。



この豊島美術館が、素晴らしかった。
いびつな半球状の白いドームの天井に、ぽっかりと開いた大きな穴。
下には泉のような、大きな水たまり。
足下を見れば、つつーと泉に向かって流れる水、そして水を生む小さな球体。
裸足の足に伝わる床は冷たく、かすかな音さえ響く(それこそ、腹が鳴る音さえ…恥ずかしかった)。
なんとも不思議で、それでいて心地の良い空間だった。

しばし放心し、すっかり虜になるも、ゆっくりとはしていられない。
後ろ髪を引かれるように、美術館をあとにする。

美術館から港へ戻る道には、じつはタクシーを呼んでいた。
なるだけ出費は抑えたいが、ちょうどいい時間にシャトルバスが出ていなかったのだ。
結果的に、それは吉であった。
今まで沢山の観光客を運んでいたであろう運転手さんから、豊島美術館のいいところをとくと聞けたのである。

ドームの天井にあく穴はガラスなどがはまっている訳じゃないから、天候や時間によってまったくの違う姿を見せること。
特に印象深かったという、どしゃぶりの雨の日に見せた姿。
晴れたあとには、ドームから伸びるような感じに虹がかかったのだという。
極め付きは、他に客もない時にたった一人で美術館の中に入ること。
さぞかし別世界に連れて行かれたような気分になることだろう。
それ味わいたい!もう一度行こう、今度は他の物も見たいし!と、決意を固くしたのであった。

そして、直島への船に乗る。
まだ旅は終わらない。



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という訳で、長くなってしまったので旅二日目は2回に分けてお送りします。
続きはこちらよりどうぞご覧ください。

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