三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

時をつなぐ道具たち(母娘旅行記・白川郷編)

2013-02-28 22:18:35 | ちょっと遠くに行きました。
〈1月20日の食事〉
朝:朝食バイキング @ひだホテルプラザ
昼:五瓶餅 飛騨牛まん 飛騨牛のメンチカツ 甘酒
夜:キノコ入りクリーミーチーズのおやき トマトチーズカレーおやき 緑茶 アルフォート @諏訪湖サービスエリアで買ったものを高速バスの車内で

------------

朝食を終え、少しだけゆっくりしたら、もう出発だ。
高山でやっているという朝市に後ろ髪を引かれながらも、バスに乗り込む。
一時間ほど揺られ、着いた先は白川郷。

今回の旅では、滞在時間を3時間とした。
90分しか居られなかった去年のリベンジである。

バスの発着場所から橋を渡り、白川郷の集落へ。
そしてそこから更に展望台行きのバスに乗り、展望台で町並みを臨む。
と、ここまでは去年と大差なし。
違うのは、時間をゆっくりとった分、散策も飲食も思う存分楽しめたことである。

白川郷は、豪雪に耐えうるような家と屋根のつくり=合掌造りで有名で、その町並みは世界遺産に登録されているのだが、寺社が多い他の世界遺産と大きく違うところは、「ひとのお家」ということである。
要は、人が住む家なのだ。
だったら外観のみを見れるってこともなく、中には一般解放されているお宅もある(もちろん博物館のように受付があって、住人の方が普段使うお部屋は閉ざされているのだけれど)。
うち一つにお邪魔いたしました。
去年は時間がなくて行けなかったんだよねえ。
ごめんください、お邪魔します。

柱が、黒い。
これは確か、囲炉裏からあがったススによって黒くなり防虫・防水の役目を果たすのではなかったっけ。
よく磨きこまれ、ピアノの黒鍵のように美しく光っている。
そしてくだんの囲炉裏や、使い込まれた古い茶箪笥などを見つけるたびに、心がうち震えるような思い。

圧巻だったのは、階段を登っていった先だった。
かつて蚕を飼っていた部屋(昔、白川郷では天井裏を利用しての養蚕がさかんだったのだ)では、過去に生活を支えてきた道具の数々が展示されている。
現在50代の母は、縄をなう機械なんかを「見たことある!」などと声をあげていた。
生家にも似たような道具があったらしい。
そういう話を聞くと、「昔」というのはかつてあった時間のことで、そこから脈々と色々なものが受け継がれて「現在」に至るのだなあと、当たり前の事に思いを馳せてしまう。

頭上を見れば、手が届きそうな距離で茅が確認できた。
あの三角形を構成するものが、すぐそこに。
またまた感激。

昼食は、展望台行きのバスの停留所近くにあった「お休み処 ちとせ」にて。
昨日と同様、しっかりとした一品メニューではなく、軽食的なものを何品かいただくことに。
ここで食べた飛騨牛まんが、これがまあ美味かった。
2つに割れば、ふかふかの温かいまんじゅうから、飛騨牛で作られた餡が湯気とともにお目見えする。
一面雪で白い世界を歩いて冷えた体が解されるようだ。
またこれだけでも食べに行きたいなあ。





最後に土産物をひやかし、いったん高山行きのバスで出たあとに復路となる。
高山と白川郷に別れを惜しみながら、新宿行きの高速バスに乗り込んだ。
そして午後10時過ぎに新宿着。
長く密な二日間が、こうして終わった。

バスの乗車時間が長かったためにヘトヘトになってしまったが、旅が終わってしまえば、よいところばかりが思い出されるというもの。
二年続けて冬に行き、白い高山・白川郷しか見ていないからその他の姿も見たいし、何より滅多にない3人での旅が楽しかった。
また行きたいな。

そんな感じで充実したこの2日間。
ツアコンよろしくよく動いてくれた妹に、感謝。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿