和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心23/小説「新・人間革命」

2015年05月26日 07時44分01秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月26日(火)より転載】

【革心23】


 「熱烈歓迎」(ローリエホワンイン)

 楊浦区少年宮では、半ズボン・スカート姿の少年・少女たちが、ネッカチーフや花を振って、元気に訪中団一行を出迎えてくれた。

 「謝謝!」(ありがとう!)

 山本伸一、峯子をはじめ、一行も盛んに手を振って歓迎に応えた。

 伸一は、「今日は、若いお友だちとお会いできて嬉しい」と言いながら、一人ひとりと握手していった。

 十一歳という少年と少女が進み出て、伸一と峯子に言った。

 「皆様の来訪を心から歓迎します」

 「今日は、私たちが、ご案内します」

 はきはきとした、ものおじしない、落ち着いた態度である。伸一は少女に語りかけた。

 「どうもありがとう。お父さん、お母さんにも、よろしくお伝えください」

 「はい!先生のお子さんは、何人いらっしゃいますか」

 伸一は、ユーモアを交えて答えた。

 「三人です。みんな男の子です。男ばかりなので、女の子がほしいんです。あなたを私の娘だと思っていいですか」

 「はい、かまいません」

 「それでは、お父さん、お母さんにも、ごあいさつに伺わないといけませんね。あなたのご一家は、どこに住んでいるんですか」

 「この近くです」

 「そうですか。でも、今日は、お伺いする時間が取れません。残念です」

 すると、少女は、笑みを浮かべて言った。

 「先生は、また上海においでになりますよね。その時は、ぜひ私の家に来てください」

 「はい、あなたも、将来、きっと日本に来てください。大歓迎します」

 「大きくなったら、必ず日本へ行きます」

 「嬉しいです。待っています!」

 自然な対話、心の触れ合いが、友好を育んでいく。伸一は、小さな胸にも、友好の種子を植えようと懸命であった。それは、やがて花を咲かせ、実を結ぶ時が必ず来るからだ。



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