和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

革心21/小説「新・人間革命」

2015年05月23日 05時28分07秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 5月23日(土)より転載】

【革心21】


 十二日、朝食を済ませた山本伸一の一行は、上海の中心部から十五キロほどのところにある、周西人民公社を参観した。

 一行が到着すると、公社の人たちは銅鑼を打ち鳴らし、子どもたちは風船や花を手に持って歓迎してくれた。

 「山本先生が、中日友好に尽力されたことを、皆、知っているんです」

 孫平化が、伸一に言った。

 周西人民公社は、およそ五千戸、一万八千人ほどからなっているという。白い綿をつけた畑や青々と穂が育つ水田、野菜畑が広がっていた。一行は、水利施設、縫製工場、農業機械工場、病院などの諸施設に案内された。

 現代化に向かい、皆、喜々として働いていた。なかでも若い女性たちの姿が目立った。トラクターなど、農業機械の部品を作る工場でも、男性に互して、はつらつと仕事に取り組んでいる。公社の関係者によれば、中国では、いたるところに女性が進出し、上海の街を走るトロリーバスの運転手はもとより、空軍のパイロットにも女性がいるという。

 伸一は、未来を展望する時、女性の社会進出は、とどめることのできない時代の趨勢であろうと思った。

 日本にとっても、社会のあらゆる分野で女性の能力を生かしていくことは、極めて重要なテーマとなる。そのためにも、制度をはじめ、女性が働きやすい環境づくりが求められることはいうまでもない。

 そして、その根本の第一歩こそ、男性の意識改革であろう。

 従来の「女性は家にいて家事をこなし、子育ては女性が行うもの」という発想も、転換が迫られる時代を迎えたといってよい。

 時とともに生活様式など、さまざまな事柄が、大きく変わっていく。変化、変化のなかで人は生きていかざるを得ない。

 ゆえに、自身の観念や、これまでの経験にばかり固執するのではなく、変化への対応能力を磨いていくこといが、よりよく生きるための不可欠な要件となる。


■ 小説『新・人間革命』
 ※ 語句の解説
 中国で、一九五八年(昭和三十三年)以来、生産部門と行政部門が一体化した。独自の農村の機構。八二年(同五十七年)の新憲法で解体した。

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