和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

大道50/小説「新・人間革命」

2015年04月09日 08時32分31秒 | 今日の俳句
【「聖教新聞」 2015年(平成27年) 4月9日(木)より転載】



【大道50】

 東北の女子部員たちは、「青葉の誓い」を、何度も、何度も、合唱しながら、歌に込められた山本伸一の思いを〓み締めていた。

  

 [歌記号]風雪越えし 我等こそ

  地涌の正義の 旗頭……

   

 ――東北の歴史は、荒れ狂う風雪の道であった。冷害もあった。地震も、チリ津波もあった。貧困に苦しむ人も少なくなかった。

 そのなかで、創価の同志は決然と立ち上がり、偏見、非難、中傷にさらされながらも、弘教に歩いた。一軒、また一軒と、悲哀に沈む人びとの胸に、勇気の光を送り、使命の種子を植えていった。

 そして、あの町で、あの里で、希望の若芽が顔を出し、幸の花々は咲き薫った。

 激しく、辛い、吹雪に耐え、深い苦悩を知る人たちだからこそ、信仰の偉大なる力がわかる。揺るがざる確信がある。湧きいずる歓喜がある。だから、誰よりも真剣である。誰よりも誠実である。それゆえに東北は、地涌の正義の旗頭たりえるのだ。

 東北女子部の多くは、父や母の粘り強い忍苦を、心に真っ赤に燃える広宣流布の闘魂を、肌で感じながら育った後継の人である。

 伸一は、彼女たちにもまた、地涌の正義の旗頭に育ってほしかった。

 “人生には、常に苦難はある。生きるということは、苦闘することであるといっても過言ではない。そのなかで、人間の強さを、輝きを示し抜き、幸せの花を咲かせるのだ!

 君たちこそ、いつの時代も、未来永遠に、地涌の正義の旗頭なのだ!”

 伸一は、東北の女子部員に、限りない期待を託して歌を仕上げたのである。

 この日、彼女たちは、何度も練習した。歌うにつれて、伸一の心がびんびん響いてくる。

 歌声に、決意が、誓いがこもった。

   

 [歌記号]使命の旗を 高らかに

  ああ東北の 歓喜の友々よ


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